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好きなジャズCDということでウェイン・ショーター『ザ・スースセイヤー』のご紹介。
『The Soothsayer』(65年)
①LOST②ANGOLA③THE BIG PUSH④THE SOOTHSAYER⑤LADY DAY⑥VALSE TRISTE
フレディ・ハバード(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ジェームズ・スポールディング(as)、マッコイ・タイナー(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)
ブルーノート
“預言者”という意味のアルバム・タイトルで、録音当時なぜかお蔵入りになってしまったアルバム。
そのせいか未だに国内盤CDも出ていないようだが、輸入盤はRVGリマスター盤が普通に店頭に置かれているので入手も容易である。
お蔵入りになってしまったせいか、ブルーノートのショーターのアルバムとしてはジャケットも地味で冴えないが、名盤『スピーク・ノー・イーヴル』の3ヶ月後の録音であり、参加メンバーからいっても悪かろうはずがないと思って聴いてみたら、果たして名盤であった。
楽曲、演奏ともにこの時期の傑作群に全く劣らぬ充実ぶりで、これを聴かないのは本当にもったいない。
サウンド的にはドラムスのトニー・ウィリアムスの参加が大きく(なんでもショーターのソロ作への参加はこれのみだという)、ベースにロン・カーターが参加していることもあって、この時期のマイルス・バンドを彷彿とさせるサウンドだが、全体的にサウンドが熱い。
ショーターのソロも特に④あたりの熱気は凄く、トニーのドラムスも含め、圧倒される。
⑦以外はすべてショーターのオリジナル。
エリック・ロメール監督の『木と市長と文化会館』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。
『L'arbre Le Maire Et La Mediatheque Ou Les Sept Hasards』(93年)
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ディアーヌ・バラティエ
音楽:セバスチャン・エルムス
出演:パスカル・グレゴリー、ファブリス・ルキーニ、アリエル・ドンバール、クレマンティーヌ・アムルー
初見。
“おしゃべりロメール”の面目役如というところか、この作品も会話、会話、会話の渦で、実にロメールらしい作品といえる。
正直なところ、退屈な部分も少なくないが(特に前半)、観終えてみると知らず知らずのうちに魅了されたという感がある作品。
政治的な話題も多く登場するが、説教臭かったり気難しい印象がほとんどないのは不思議なくらい。
キャストも皆はまり役だが、市長の愛人役でしゃべりまくるアリエル・ドンバールが一番印象が強いかもしれない。
子供の使い方もいい。
ハワード・ホークス監督の『コンドル』を国内盤DVDにて観た感想。
『ONLY ANGELS HAVE WINGS』(39年)
監督:ハワード・ホークス
脚本:ハワード・ホークス、ジュレス・フォースマン
撮影:ジョセフ・ウォーカー
音楽:モリス・W・ストロフ
出演:ケーリー・グラント、ジーン・アーサー、リチャード・バーセルメス、トーマス・ミッチェル、リタ・ヘイワース
初見。
南米のバランカを舞台にヒコーキ野郎たちの友情を描いた作品。
大傑作とまではいかないが、これはなかなかの傑作。
内容も面白く、さすがにハワード・ホークス監督は物語のツボを押さえている。
ケーリー・グラント演じる航空会社の経営者兼パイロットのジェフは、どちらかというと冷たい男で、一般的なケーリー・グラントのイメージとは異なるが、ここでは説得力のある演技を見せている。
映画の前半で物語を引っぱるジーン・アーサーは、後半は男たちの友情物語に押されて(?)あまり目立たないが、内容が内容だけに仕方ないか。
トーマス・ミッチェルが人間味のある好演技を見せている。
ブレイク前のリタ・ヘイワースがグラントの昔の恋人役で出ているが、出番は短いながら、すでに彼女らしい個性が出ており魅力的である。
監督:ビリー・ワイルダー
脚本:ビリー・ワイルダー、レイモンド・チャンドラー
撮影:ジョン・サイツ
音楽:ミクロス・ローザ
出演:フレッド・マクマレイ、バーバラ・スタンウィック、エドワード・G・ロビンソン
ちょっとした表情の演技も印象的。
あと、この映画で忘れてはならないのは、ミクロス・ローザの緊張感のある見事なスコア。
以前挙げた私の好きなジャズ・アルバム・ベスト20の中から今回取り上げるのは②(順位ではありません)に挙げたミハエル・ナウラ・クインテット『EUROPEAN JAZZ SOUNDS』。
MICHAEL NAURA『EUROPEAN JAZZ SOUNDS』(63年)
①Three Seconds②Night Flower③Dr. Jekyll④Down In The Village⑤Gruga Mood⑥Sere
MICHAEL NAURA(p) PETER REINKE(as) WAOLFGANG SCHLUTER(vib) WALFGANG LUSCHERT(b) JOE NAY(ds)
ミハエル・ナウラ・クインテットはドイツ人ピアニスト・ミハエル・ナウラがリーダーのコンボ。
これもヨーロピアン・ジャズの“幻の一枚”的な作品で、63年に録音された音源を近年、日本の澤野工房が復刻したもの。
このアルバムは全く音も試聴せずにジャケ買いした一枚だが、見事に“アタリ”だったもので、実際これまで何度聴いたか分からない。
サウンド的にはモーダルな印象の強いハードバップ。
先に述べたようにピアニストがリーダーのコンボだが、アルトサックスのPETER REINKEとヴィブラフォーンのWAOLFGANG SCHLUTERのソロが印象的で、二人の演奏は聴く者に強いインパクトを残す。
とりわけ、WAOLFGANG SCHLUTERのヴィブラフォーンのソロはすべていい。
もちろん、コンボとしてのまとまりもあり、リーダーのミハエル・ナウラのソロもなかなか渋い。
個人的に残念な点はベースがサウンド的に今一つ存在感が薄いことくらいか。
楽曲もどれもいいが、①②④あたりが別格的な素晴らしさである。
澤野工房の関連ページへのリンク
このブログでもたびたびお伝えしている、11~12月に東京フィルメックスと東京日仏学院の共催で開催される特集上映『コードネームはメルヴィル』。
東京日仏学院のサイトに日仏学院における上映情報の詳細がアップされましたのでお知らせします。
http://www.institut.jp/ja/evenements/9256
以下、以前当ブログでもお伝えした上映スケジュールに新たに分かった字幕の情報等を追加。
期日:11月30日(月)~12月19日(土)
開場:それぞれの上映20分前
会場:東京日仏学院エスパス・イマージュ
会員:500円 一般:1000円(12月4日18:30~『海の沈黙』は入場無料)
11月30日(月)
18:00~『仁義』(英語字幕付) 上映後、ジャン=フランソワ・ロジェ(シネマテーク・フランセーズのプログラム・ディレクター、映画批評家)のレクチャーあり
12月4日(金)
13:45~『賭博師ボブ』(日本語字幕)
16:00~『いぬ』(英語字幕付)
18:30~『海の沈黙』(日本語字幕) 入場無料 上映後、スペシャル・ゲストによるトークショーを予定
12月5日(土)
11:00~『ある道化師の24時間』(日本語同時通訳付) 『マンハッタンの二人の男』(日本語字幕)
14:00~『恐るべき子供たち』(英語字幕付)
16:30~『賭博師ボブ』(日本語字幕)
12月11日(金)
14:00~『いぬ』(英語字幕付)
16:30~『リスボン特急』(英語字幕付)
19:00~『影の軍隊』(英語字幕付)
12月12日(土)
12:30~『恐るべき子供たち』(英語字幕付)
15:30~『ある道化師の24時間』(日本語同時通訳付) 『マンハッタンの二人の男』(日本語字幕)
18:00~『コードネームはメルヴィル』(監督:オリヴィエ・ボレール 2008年フランス製作によるメルヴィルに関するドキュメンタリー映画 76分 日本語字幕)
12月13日(日)
11:00~『影の軍隊』(英語字幕付)
14:30~『仁義』(英語字幕付)
17:30~『リスボン特急』(英語字幕付)
12月19日(土)
13:30~『モラン神父』(日本語字幕)
16:30~『この手紙を読むときは』(日本語字幕)
以上
なお、こちらのページによりますと、『海の沈黙』が来年2月13日より東京・岩波ホールにてロベール・ブレッソン監督『抵抗』と連続上映されるようです。(岩波ホールのHPにはまだ情報は出ていません)
どちらもレジスタンス映画の大傑作なので、これは楽しみな企画です。
関連記事へのリンク
ジョン・ウー監督といえばジャン=ピエール・メルヴィル監督の信奉者として有名で、メルヴィル作品のリメイクを悲願と考えているようなふしもあり、以前は『仁義』のリメイクを計画したこともありました。
結局、ジョン・ウー監督による『仁義』のリメイクの計画は頓挫し、現在ではジョニー・トー監督が『仁義』のリメイクを計画中(撮影中?)のようです。
このリメイク作品は英語圏での作品となる模様とのことで、誰がアラン・ドロンが演じた殺し屋役を演じるのか、大変興味深いところです。
続報が分かり次第、このブログでもお知らせしたいと思っています。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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