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『THE WOMAN IN THE WINDOW』(44年)
脚本:ナナリー・ジョンソン
撮影:ミルトン・クラスナー
音楽:アーサー・ラング、ヒューゴ・フリードホーファー
出演:エドワード・G・ロビンソン、ジョーン・ベネット、ダン・デュリエ、レイモンド・マッセイ
何度か観ている映画だから、このブログにも記事を書いているものと思っていたが、なぜか書いていなかった。
しばらく観ていないこともあり、この度再見。
フリッツ・ラング監督お得意のフィルム・ノワールだが、この映画の魅力はなんといってもヒロインのジョーン・ベネットに尽きるだろう。
聞くところによれば、それまで娘役が多かった彼女が悪女役(?)にイメージ・チェンジを図ったのがこの映画なのだとか。
この映画での彼女は典型的なファム・ファタールとまではいかないのだが、美貌といい、お色気といい、その素質は充分。
スケスケのドレス姿など、男にはたまりませんなぁ(笑)。
イメージ・チェンジといえば、それまでギャング役が多かったエドワード・G・ロビンソンが堅物の大学教授を演じているのもそうなのかもしれない。
この映画の評判が良かったために、後にラングは同じようなキャスティングで『スカーレット・ストリート』(45年)を撮るわけだが、個人的にはこの『飾窓の女』の方が出来は良いと思う。
フリッツ・ラング監督の『激怒』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。
『FURY』(36年)
監督:フリッツ・ラング
脚本:バートレット・コーマック、フリッツ・ラング
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
音楽:フランツ・ワックスマン
出演:スペンサー・トレイシー、シルヴィア・シドニー、ウォルター・エイブル、ブルース・キャボット、エドワード・エリス、ウォルター・ブレナン
初見。
フリッツ・ラングの渡米監督第1作だという。
一見フツーのメロドラマ風に映画は始まるが、内容はタイトル通りインパクトが強く、なかなか見ごたえがある。
暴徒と化した大衆の恐ろしさを描いている点で、あの『M』(32年)を思い起こさずにはいられない。
もしかしたら当時のドイツ社会が念頭にあったのかもしれないが・・・。
スペンサー・トレイシー、シルヴィア・シドニーの主演二人も好演。
フリッツ・ラング監督の『マン・ハント』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。
『MAN HUNT』(41年)
監督:フリッツ・ラング
原作:ジェフリー・ハウスホールド
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:アーサー・C・ミラー
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ウォルター・ピジョン、ジョーン・ベネット、ジョージ・サンダース、ジョン・キャラダイン、ロディ・マクドウォール
初見。
1939年のドイツが物語の発端であり、そこから舞台はロンドンへと移る。
この映画が作られたのが1941年だから、反ナチスのプロパガンダ映画であることは確かなのだろう。
日本では長らく劇場未公開だったらしい。
映画の出来としてはなかなか魅せるシーンが多く悪くないのだが、良くも悪くもフリッツ・ラング監督らしいというか、どこかヘンな感じの映画である。
フリッツ・ラング監督の反ナチ映画ということでは『死刑執行人もまた死す』(43)の方が日本では有名だが、この作品はそれより2年前の作品であるせいか、意外と重苦しい空気というわけでもない。
主演のウォルター・ピジョンの持ち味が、どこかロバート・ミッチャム的なニヒルさを感じさせるせいかもしれない。
また、ジョーン・ベネットの明るさもその理由の一つだろう。
一方でナチの刺客を演じるジョン・キャラダインが不気味な雰囲気を醸し出しており、“ラング的匂い”を強く感じさせた。
地下鉄のシーンは極上のサスペンスとなっていた。
ちなみに、今回観たジュネス企画のDVDは画質音質ともに決して悪くないのだが(というかこの時期のものにしては良い方かもしれない)、ナチスのセリフ(ドイツ語)にほとんど字幕が出ないというのはどういう意図なのだろうか。
二言三言ならともかく、結構たくさんドイツ語のセリフがあったから、字幕なしでは映画の内容を理解する上で厳しいと思うのだが。
監督の意図であったりとか、アメリカ公開時もドイツ語のセリフに関しては字幕が出なかったというのなら話は別だけど…。
フリッツ・ラング監督のアメリカ時代の作品が2巻のDVD-BOXとして発売されます。
●『アメリカ時代のフリッツ・ラング傑作選 DVD-BOX1』
収録作品:『暗黒街の弾痕』『マンハント』『死刑執行人もまた死す』
●『アメリカ時代のフリッツ・ラング傑作選 DVD-BOX2』
収録作品:『恐怖省』『外套と短剣』『ビッグヒート 復讐は俺に任せろ』
『暗黒街の弾痕』『死刑執行人もまた死す』はIVCから以前DVDが発売されていましたので、画質面では今回期待できるかもしれませんね。
『恐怖省』は紀伊国屋レーベルから、『復讐は俺に任せろ』はソニーからいずれも以前高画質のDVDが発売になっていましたが、今回はどうでしょうか。
『マンハント』はつい先日ジュネス企画からDVDが発売になったばかりという間の悪さ。
あえて発売するのは品質的に勝算があるからでしょう。
『外套と短剣』はおそらく国内初DVD化となるゲイリー・クーパー主演の戦争サスペンス。
それぞれ9月、10月に発売になりますが、9月発売の1巻の3作品はいずれもバラでも発売されます。
おそらく2巻もそうなるのでしょう。
価格が低めなのは大歓迎です。
フリッツ・ラング監督の『扉の影の秘密』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)にて観た感想。
『SECRET BEYOND THE DOOR』(48年)
監督:フリッツ・ラング
脚本:シルヴィア・リチャーズ
撮影:スタンリー・コルテス
音楽:ミクロス・ローザ
出演:ジョーン・ベネット、マイケル・レッドグレーヴ、アン・リヴェール、バーバラ・オニール、ナタリー・シェイファー、ポール・キャヴァナー
ジョーン・ベネットが主演した4本のラング作品のうちの1本で、ヒッチコックの『レベッカ』とかジョージ・キューカーの『ガス燈』とかいった作品を髣髴とさせるニューロティック・サスペンス。
スタンリー・コルテスの撮影、ミクロス・ローザの音楽とスタッフも強力で、後年の作品に比べればラングとしてはまだまだ気合の入った演出を感じさせる作品だが、脚本的にはかなり唐突な印象は否めない。
しかし、演出力や登場人物のアクの強さによって一気に観せきってしまうパワーは大したものではある。
サイコ・スリラー的要素も強い作品なので、ジョーン・ベネットがもっとか弱いイメージの女優だったらさらにコワい作品になっていたかもしれないが、これはない物ねだりか。
これがハリウッド・デビューとなったマイケル・レッドグレーヴが好演。
フリッツ・ラング監督の『ブルー・ガーディニア』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。
『THE BLUE GARDENIA』(53年)
監督:フリッツ・ラング
脚本:チャールズ・ホフマン
撮影:ニック・ムスラカ
音楽:ラオール・クロウシャー
出演:アン・バクスター、リチャード・コンテ、アン・サザーン、レイモンド・バー、ジェフ・ドネル、ジョージ・リーヴス、ナット・キング・コール
初見。
フィルム・ノワールというよりはごくありがちなフツーのサスペンス映画になってしまっている点が個人的には物足りないが、映画の内容そのものは面白いので、興味ある人には観る価値は十分ある作品だろう。
ナット・キング・コールが歌手役で出演、映画のタイトルとなっている『ブルー・ガーディニア』を歌っていることで有名な作品。
ただ、出番は短い。
ヒロインのアン・バクスターは出ずっぱりの割には全体的には存在感が今一つという印象だが、その中ではレイモンド・バーとのレストランのシーンが印象的で、酔っ払った時の演技はそれらしくて良かった。
同居女3人のキャラクター、関係が巧く描かれている作品だ。
一方でコラムニスト役のリチャード・コンテがいい。
数日前に見てきたのですが、新宿の紀伊国屋書店DVDアイランドにおいて、紀伊国屋レーベルから発売されているフリッツ・ラング監督関連のDVDが40%オフになっていました。
ラング関連全部かどうかは未確認ですが、見てきた限りでは『メトロポリス』『ニーベルンゲン』『ドクトル・マブゼ』『恐怖省』『月世界の女』『スピオーネ』『ハウス・バイ・ザ・リヴァー』等々、ラングDVDのほとんどが40%オフになっていたのは確かです。
他に『M』や『スカーレット・ストリート』あたりは未確認。
ちなみに個人的なおススメは『恐怖省』。
それにしても、ついにラングにまで40%オフが及んだかという印象。
オフになった後は廃盤になることが多いので、気になる方は要注意。
未見の『扉の影の秘密』も40%オフなら買ってくればよかったかな。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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