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クロード・オータン=ララ監督の『肉体の悪魔』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。
『LE DIABLE AU CORPS』(47年)
監督:クロード・オータン=ララ
脚本:ピエール・ボスト、ジャン・オーランシュ
音楽:ルネ・クロエレック
出演:ジェラール・フィリップ、ミシュリーヌ・プレール、ジャン・ヴァラス、ジャン・ドビュクール、ドニーズ・グレイ、ガブリエル・フォンタン、シルヴィー、ジャック・タチ
初見。
レイモン・ラディゲの原作を映画化した作品。
原作は読んでいないが、映画化にあたって、かなりの改変があるという。
いかにもこの時代のフランス映画らしいメロドラマではある。
それはそうとジェラール・フィリップ、このブログでは登場機会が多くないが、そのわけは単純で、彼の主演作をこれまでほとんど観てこなかったからである。
つまりは、俳優としての彼にあまり魅力を感じていなかったというのが正直なところ。
実際、これまでに観た作品も『モンパルナスの灯』(58)とか『危険な関係』(59)のような、どちらかというと晩年の作品ばかりであった。
ただ、昔読んだ本の知識で『肉体の悪魔』こそが彼の代表作だと信じこんでしまっていたので、この作品はいつかは観たいと思っていた。
というわけで前置きが長くなったが、実際に観たこの映画はとても良かった。
脚本、演出、撮影、俳優等々、どこがどうということなく、全て良い。
ヒロイン役のミシュリーヌ・プレールの出ている映画はジャック・ベッケル監督の『偽れる装い』他、いくつか観ているが、この映画における彼女の演技も実に素晴らしい。
もちろん、ジェラール・フィリップも強烈な存在感こそないが、好演である。
映画後半で、ミシュリーヌ・プレールと共にパリに出てからのいくつかのシーンは観る者の心にいつまでも余韻が残るような印象深いものだった。
これはもちろん、クロード・オータン=ララ監督による演出の妙もあろう。
それにしても、この作品の国内盤DVDを発売したジュネス企画はエラい。
DVDの画質はこのレーベルの常として決して満足できるものではないが、それでもレンタルのVHSなどで観るよりははるかにマシである。
ジェラール・フィリップ主演作では次は『赤と黒』を観る予定(紀伊国屋のDVDを購入済み)。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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