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最近またコルトレーンを聴いている。
聴いているのは昔から好きなアルバムだったり、今回初めて聴くアルバムだったり色々なのだが、昔からずっと好きなアルバムの一枚がこの『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』。
久々に聴き返して、やはり魅了された。
ここに記録されているのは1962年9月26日たった一日だけのセッションである。
全7曲、約35分。
ありがちな未発表曲、別テイク等も1曲も存在しない。
もちろん、エリントン(当時62歳)とコルトレーン(当時36歳)の共演は後にも先にもこの一度きり。
この録音が存在すること自体奇跡的だが、重要なのは肝心の演奏内容が実に素晴らしいことである。
私もかれこれ20数年聴いているが全く飽きることがない。
まず、1曲目の『イン・ア・センチメンタル・ムード』が超絶的な名演奏である。
冒頭のエリントンの美しいピアノの響きと、それに続くコルトレーンの心のこもったテナーの深い音色が実に感動的。
また、5曲目の『マイ・リトル・ブラウン・ブック』もそれに劣らぬ名演である。
総じて、このアルバムにおけるエリントンのピアノ・プレイは、絶妙な間の取り方、味のあるニュアンスなど、筆舌に尽くしがたい素晴らしさだ。
ところで、“心”といえば、このアルバムにはコルトレーンの大先輩に対する尊敬の念であったり、エリントンの後輩に対する優しさであったり厳しさであったりといった、演奏家の心がじかに伝わってくるようなところがある。
まさにそれこそがこのアルバムの最大の魅力であるが、中にはコルトレーンらしい自己主張が足りなくて面白くないという人もいるようだ。
大先輩のエリントンに遠慮しすぎているということらしい。
感じ方は人それぞれであるが、私個人はそんなトレーンの人間性が好きだし、だからこそあれだけの大演奏家に成長しえたのだと信じている。
デューク・エリントン(p)、ジョン・コルトレーン(ts)、ジミー・ギャリソン、アーロン・ベル(b)、エルヴィン・ジョーンズ、サム・ウッドヤード(ds)
01)イン・ア・センチメンタル・ムード 02)テイク・ザ・コルトレーン 03)ビッグ・ニック 04)スティーヴィー 05)マイ・リトル・ブラウン・ブック 06)アンジェリカ 07)ザ・フィーリング・オブ・ジャズ 1962年9月26日録音
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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