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●『黒い十人の女』(61年、監督:市川崑、出演:山本富士子、岸恵子、船越英二)

ノワールチックな題名、クールなDVDパッケージに惹かれてレンタルした作品。
内容は多くの愛人を持ったテレビ局勤務の男を、その妻と愛人が結託して殺す計画を立てるという、クルーゾー監督の『悪魔のような女』で観たような内容。
しかし、この作品の印象はサスペンスというよりブラック・コメディという感じ。
殺される(?)男役の船越英二も、とぼけた味わいで、全く男らしさを感じさせない人物像。
しかし、モテル男とは実際はこんなものなのだろう。
本妻役の山本富士子と愛人役の岸恵子が素晴らしく、この二人のシーンはどれも見応え充分。
ことに山本富士子の声、セリフの言い回しが大変美しく、これは昨今の日本映画、いや、日本社会において、ついぞ聞けないものなのではないか。(もちろん、別の意味で原節子のそれにも同様の印象を受けるが)
脚本は、市川崑監督の奥方、和田夏十。
偶然にも、この文章を書いているうちに、市川崑監督の訃報に接した。
謹んで哀悼の意を表したい。

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フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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