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今回はカーティス・メイフィールドのアルバムについて。
彼のアルバムはファンにとってはどれも同じくらい大切なものだが、一般的に評価の高いのはソロ・デビュー・アルバム『カーティス』(70)、『ライヴ!』(71)、『スーパーフライ』(72)といった70年代前半のアルバムであろう。
実際、いずれ劣らぬ大傑作といっていい。
中でも『スーパーフライ』は有名で、国内盤もこのアルバムだけ何枚も出ているが、実は少し前までこのアルバムの良さがよく分からなかった。
その理由は現行CDのボーナストラック(11曲)が多すぎるせいかもしれない。
曲数が多すぎてCDで通して聴くとツカミ所が分かりにくいのだ。
それに気付いて以来、オリジナルの9曲だけ聴くようにしたら、このアルバムの偉大さが遅ればせながら理解できた次第。
同名映画のサントラだが、カッコ良さと叙情性の融合されたサウンドの魅力がたまらない。
もちろん、『ルーツ』(71)と『バック・トゥ・ザ・ワールド』(73)も素晴らしい。
『バック・トゥ・ザ・ワールド』のタイトルトラックはカーティスの多くの曲の中でも、個人的にはフェイヴァリットナンバーである。
先に挙げた『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』(75)は間違いなく最高傑作の一枚だが、音数の少ない緊張感に満ちたかなり地味な内容なので聴く人を選ぶかもしれない。
そこで個人的に推したいのが『ガット・トゥ・ファインド・ア・ウェイ』(74)である。
一般的にはほとんど知られていないアルバムだが、カーティスのアルバム中でも1、2を争うくらい好きなアルバムだ。
ワウペダルを使ったギターサウンドの洗練さ、ストリングスの強力なメロディなど、サウンド面でも“都会的なソウル”というカーティス・サウンドの個性を完全に確立したアルバムであり、楽曲の充実ぶりも大変なものだ。
とりわけ『ソー・ユー・ドント・ラヴ・ミー』は隠れた(?)超名曲。
ストリングスの使い方も絶妙だし、曲の後半でカーティスのコーラスが重なるあたりは涙モノの素晴らしさだ。
このアルバムの国内盤CDが廃盤状態なのはなんとも残念である。
彼の音楽の全体像を捉えるにはライヴ映像が手っ取り早いかもしれない。
音楽的にピークだった70年代初期の映像が国内盤DVDとして出ていないのは残念だが、輸入盤で出ている『Movin on Up: Music & Message of Curtis Mayfield 』はカーティスに関心のある方は必見。
ドキュメンタリーとライヴ映像が組み合わされた、特典映像まで合わせると三時間に渡るボリュームのある充実した内容で、インプレッションズの他のメンバーやカーティスの細君、カーティス本人などのインタビューと70年代初期の鼻血もののライヴ映像が多数収録されている。
英語字幕があるのでドキュメンタリーの内容も理解しやすいし、輸入盤DVDの規格もリージョンフリー。
入手しやすいところでは、モントルー・ジャズ・フェスティバルでのライヴDVD『ライヴ・アット・モントルー 1987』は代表曲が並んだセットリストの親しみやすさ、バンドの好調さ、観客の反応の良さもあって十分に楽しめる。
『ウィブ・オンリー・ジャスト・ビガン』(カーペンターズの『愛のプレリュード』のカバー。厳密に言うとカーペンターズのヴァージョン自体もカバーなのだが…)から代表曲『ピープル・ゲット・レディ』へと続く流れはライヴアルバム『ライヴ!』(71)と同様で、これを映像で味わえる幸福感は格別であるし、アタマが『バック・トゥ・ザ・ワールド』というのもタマらない。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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