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ジャン=リュック・ゴダール監督の『アルファヴィル』を国内盤DVDで観た感想です。
『ALPHAVILLE』(65年)
監督:ジャン=リュック・ゴダール
製作:アンドレ・ミシュラン
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ラウール・クタール
音楽:ポール・ミスラキ
出演:エディ・コンスタンティーヌ、アンナ・カリーナ、ラズロ・サボ、ハワード・ヴェルノン、エイキム・タミロフ
個人的に、60年代ゴダールの中でも好きな作品の一つです。
といっても、ゴダールといえばほとんど60年代の作品しか観ておりませんが…。
映画そのものも、真面目なんだかシャレなんだか分からない、ほとんどお遊びの部類に入るような内容ですが、“元気です、ありがとう、どうぞ”という挨拶に象徴されたゴダールらしい言葉遊びなど、独自のアイデアに満ち溢れた作品。
とりわけ、プールの処刑シーンは印象的で、あのパラパラという拍手がたまらない。
ソフト帽にステンカラーコートというエディ・コンスタンティーヌの出で立ち、映像の雰囲気、映画のタッチはほとんどフィルム・ノワール。
そして、SF映画というわりには、どこか徹底しきれていない、俗に言うB級臭さというか安っぽさがありますが、そこがかえって魅力的なのかもしれません。
他のゴダール作品同様、話の内容はよく理解できませんが…。
この作品の好悪は、コンピュータα60の声をどう感じるかによるところも大きいのではないでしょうか。
あの声は、あまりにアクが強いので、好きだという人はほとんどいないでしょう。
私は何度か観る間にだんだんと気にならなくなってきましたが、久々に観直してみると、やはりちょっと抵抗感はあります…。
それにしても、ラウール・クタール撮影によるモノクロ映像が例えようもなく美しく、とりわけ、夜のパリの街のロケ撮影が素晴らしい。
コンピューターの言っている内容やストーリーもよく分からなくても、この映像美を観ているだけでも、この作品は充分に魅力的です。
魅力的といえば、この映画のアンナ・カリーナも、他のゴダール作品同様、いやもしかするとそれ以上に魅力的。
彼女がらみでは、どこもかしこも印象的な、絵になるカットばかりです。
レミー・コーション役のエディ・コンスタンティーヌとのコンビぶりも良。
また、ポール・ミスラキの音楽も素晴らしい。
観る者の不安感を煽るような音楽だったり、安っぽいサスペンス映画風の音楽だったりするかと思うと、突如プッチーニのオペラのような甘美なメロディが流れたりする凄さ。
ところで、ブラウン教授役の俳優は、メルヴィルの監督作品『海の沈黙』(47)でドイツ兵を演じていたハワード・ヴェルノンです。
この人は、ゴダールが好いていたメルヴィルの監督作品『賭博師ボブ』(55)にも出演しています。
また、この時期のゴダール作品によく出演しているラズロ・サボもワンシーンに出ていますし、あのジャン=ピエール・レオーもワンシーンに出演しています。
国内盤DVDの画質ですが、このメーカーにしてはマシな方ではないでしょうか。
ゴダール監督作品には色んなアンナが登場しますが
その中でも特に綺麗に描かれていたような・・・
役柄から感情を持たないお人形さんのような表情が
彼女の美しさを際立たせていたように感じました
衣装も可愛かったですよね^^v
ジャン=ピエール・レオー君!
見たような気がしたのですが、、、間違いなかったですね、、良かった~
コメント&TBありがとうございます。
>感情を持たないお人形さんのような表情
アンナ、そんな感じでしたねー。
お化粧は濃い目ですが、あえて非人間的(?)なイメージを表していたのでしょうか。
レオー氏、確かルームサービスを持って来るだけの役でした。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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