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前回に続いて、INA(フランス国立視聴覚研究所)が公開している無料映像から、『フェルショー家の長男』のメイキング映像を紹介します。
この映画の冒頭には、ジャン=ポール・ベルモンドのボクシングの試合シーンがありますが、この映像はそのシーンのメイキングです。
(右の画像は映画のワンシーン)
撮影風景の他、ベルモンドのスパーリング風景とインタビュー、スパーリング・パートナーのモーリス・オーゼルのインタビュー、ベルモンドとメルヴィルがシャドウ・ボクシングをしながら戯れるシーンが観られます。
映像へのリンクはこちら。(視聴するにはQuickTimeをダウンロードしてある必要があります)
ジョルジュ・シムノンの原作を読みますと、ベルモンド演じるミシェル・モーデがボクシングをするシーンなど原作にはなく、映画におけるこれらのシーンはメルヴィルの全くの創作です。
ベルモンドが10代の頃ボクシングに熱中していたことは有名ですが、メルヴィル監督自身ボクシングが好きで、若い頃にやっていたスポーツとのこと。
このシーンを撮った理由は、「ボクサー役のジャン=ポール・ベルモンドが出演する映画を最初に撮りたかったからだ。」とのことです。(ルイ・ノゲイラ著『サムライ』207ページより)
実際、このINAの映像を観ますと、いかにベルモンドのボクシングの動きが鮮やかでキレが良いかがよく分かります。
ベルモンドのスパーリング・パートナーを務め、インタビューにも答えているモーリス・オーゼル(Maurice Auzel 1932年生まれ)は、ルイ・ノゲイラ著『サムライ』のメルヴィルのインタビューによれば、本物のボクサーで、フランスの元チャンピオンとのこと。
ベルモンドのボクシングのコーチでもあった彼は、調べてみますと、俳優としても活躍したようです。
IMDbのページを見ますと、出演作に『バナナの皮』(63)『ダンケルク』(64)『皆殺しのバラード』(66)などがあります。
そして、映像の最後には、ベルモンドとメルヴィル監督のシャドウ・ボクシングのシーンが観られますが、二人の様子がいかにも楽しそうで、当時の二人の仲の良さを感じさせる微笑ましいシーンです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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