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久々に聴き直したら、あまりのカッコ良さに驚愕。
かれこれもう10回ぐらい繰り返し聴いている。
全曲シルヴァーのオリジナルだが、なにしろ曲がいい。
それも全曲良いのだ。
他のアルバムを聴いていても思うことだが、ホレス・シルヴァーはピアニストとしてだけでなく、コンポーザーとしてもジャズ界屈指の人物だったと思う。
レギュラー・メンバーによるクインテットの演奏だけあって、アンサンブルに優れ、個々のソロも聴いていて実に気持ちいい。
とりわけタイトルトラックでもある2曲目『ドゥーイン・ザ・シング』はベストトラックで、ブルー・ミッチェルのトランペット・ソロが聞き物。
3曲目『キス・ミー・ライト』もいかにもこの時代のブルーノートらしいトラックで、シルヴァーのピアノ・ソロが素晴らしい。
全体的に、ジュニア・クックのテナーも重過ぎず軽過ぎずのバランスの良い音色で、ジーン・テイラーによる粒の立ったベースの音色もいい。
CDは国内盤に比べ輸入盤の方が2曲多く収録されているのでお奨め。
このライヴもコンプリート盤が昔出ていたが、近年は中古盤屋でも全然見かけないのである。
それはそうと、このライヴ・アルバムの魅力は第一に雰囲気の良さである。
もっとも、この盤に限らずブルーノートのライヴ盤は雰囲気の良いものが多いのだが、これほど夜の雰囲気が味わえるライヴ・アルバムはありそうでなかなか無い。
聴いているとつい一杯やりたくなってしまうから困る。
当然主役はケニー・バレルのギターだが、御大アート・ブレイキーが全曲に参加するなどサイドメンバーも豪華で、とりわけ『バークス・ワークス』におけるティナ・ブルックスのテナー、『レディ・ビー・グッド』におけるボビー・ティモンズのピアノが素晴らしい。
正直なところ、いわゆる“ブローイング・セッション”的なアルバムにはあまり食指が動かない。
特に、このアルバムのようにテナーサックス奏者が二人となると、音を聴いただけではどちらがどちらか区別が付かないということが多く、なんとなく居心地の悪さを感じてしまうのだ。
このアルバムもジャケットが有名な割にはこれまで聴く機会がなかったが、最近ようやく聴いて内容の良さに驚いた。
まず、曲がいい。
そして、二人のテナーの演奏も若々しく溌剌としており、聴いていて気持ちがいい。
リズム・セクションは例の『バードランドの夜』の3人だが、いずれも最高としか言いようがない。
とりわけ、ホレス・シルヴァーのセンスの良さには唸らされる。
アルバムのクライマックスとしては一般的に①、④というところだろうが、③のハードボイルドな雰囲気も実に魅力的である。
個人的にはこのアルバム中ベスト。
CLIFF JORDAN&JOHN GILMORE『Blowing in from Chicago』(57年)
1.ステイタス・クウォー 2.ボーティル 3.ブルー・ライツ 4.ビリーズ・バウンス 5.イーヴル・アイ 6.エヴリホエア
クリフ・ジョーダン、ジョン・ギルモア(ts)、ホレス・シルヴァー(p)、カーリー・ラッセル(b)、アート・ブレイキー(ds)
Elvin Jones『Puttin' It Together』(Blue Note)
①レザ②スウィート・リトル・マイーア③ケイコズ・バースディ・マーチ④ヴィレッジ・グリーン⑤ジェイ・リー⑥フォー・ヘヴンズ・セイク⑦ジンジャーブレッド・ボーイ
エルヴィン・ジョーンズ(ds)、ジョー・ファレル(ts, ss, fl)、ジミー・ギャリソン(b)
1968年4月8日録音
エルヴィン・ジョーンズのブルーノートにおける初リーダー作だという。
エルヴィンにジミー・ギャリソンといえば、当然のことながら伝説的なコルトレーン・カルテットが思い起こされるが、このでの編成はピアノレス、ワンホーンのトリオである。
しかしながら、コルトレーン、マッコイ・タイナーの不在を全く感じさせない音空間のスケールの大きさ、密度の濃さに圧倒される。
ところでこのアルバム、私の中ではずっとライヴ盤という印象が残っていた。
3人のプレイがあまりに奔放であったのと、全体的な音像がソニー・ロリンズの『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』(57)に似ている印象があったからである。
思えば、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』のドラムもエルヴィンだった。
今回久々に聴き直してみて、1曲目がフェイドアウトで終わることに不審を抱いて調べてみたら、ライヴではなくスタジオ録音だったことを今さらながら知った。
それにしてもスタジオ録音とは思えない演奏の“熱”に圧倒される。
エルヴィンのドラムはところどころで聴かれるソロはもちろんだが、バッキングでの異様なまでテンションの高さも凄い。
ジミー・ギャリソンのゴリゴリ響くベースの音圧には聴いているこちらが息苦しくなるほどだ。
このアルバムを聴いて、この二人を擁したコルトレーン・カルテットのスケールの大きさ、凄さを改めて痛感する。
そして、このアルバムを成功に導いた大きな要因の一つが、二人に位負けしなかったジョー・ファレルの見事なプレイ。
ソプラノ・サックスやフルート、ピッコロも演奏しているが、コルトレーンばりに鳴り響くテナーサックスのパワフルなソロがとりわけすばらしい。
とにかく何回でも聴き直したくなる魅力的なアルバムだ。
久々のジャズCDのご紹介。
今回はドナルド・バードの『フリー・フォーム』(『Free Form』61年、ブルーノート)
ドナルド・バード(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ブッチ・ウォーレン(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)
ドナルド・バードは昔から好きなトランペッターで、張りのある美しい音色と端正なプレイがなんとも魅力的なプレイヤーだが、アルバム等を聴くにあたっては、どうしても個人的に許容できない点があった。
それはメンバーに私の苦手なバリトン・サックス奏者ペッパー・アダムスが必ずと言ってよいほど加わっていたことである。
ハッキリ言って、私はペッパー・アダムスのプレイ、というか音色が苦手なのである。
ところが、この『フリー・フォーム』にはペッパー・アダムスは参加していない。
それどころか、共演のサックス奏者はウェイン・ショーターである。
バードとショーターの共演ってかなり珍しいんじゃないだろうか。
そのせいか、ここでの二人の共演にはほどよい緊張感が感じられるし、アルバムそのものの内容も実にいい。
ショーター、そしてハービー・ハンコックの参加からも想像できるように、ファンキーとかハード・バップというよりは新主流派に近いテイストの作風だが、今聴いても全く古さを感じさせない。
これを聴けば、バードがリー・モーガンよりもはるか以前からジャズ・ロック調の曲に取り組んでいたことが分かるし(あの『サイドワインダー』は64年)、11分を超えるタイトルトラックを聴くと、バードがマイルスよりよっぽど早くから前衛的だったことが分かる。
もちろん、何事も早けりゃいいってわけではないのだが、もっと話題にならないのが不思議なアルバムである。
今通勤の間よく聴いているCD・・・というか通勤の間しかCDを聴く時間がないのだが・・・。
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『フリー・フォー・オール』
最近ウェイン・ショーターがいた頃(60年代前半)の3管JMに惹かれているが、これはすごい。
特にタイトルトラック。
ハードバップとかモードとかフリーとかを全て超えたかのような演奏が展開される。
ショーター以下、各人のソロも良いが、とにかく御大のドラミングが圧巻だ。
好きなジャズCDということでウェイン・ショーター『ザ・スースセイヤー』のご紹介。
『The Soothsayer』(65年)
①LOST②ANGOLA③THE BIG PUSH④THE SOOTHSAYER⑤LADY DAY⑥VALSE TRISTE
フレディ・ハバード(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ジェームズ・スポールディング(as)、マッコイ・タイナー(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)
ブルーノート
“預言者”という意味のアルバム・タイトルで、録音当時なぜかお蔵入りになってしまったアルバム。
そのせいか未だに国内盤CDも出ていないようだが、輸入盤はRVGリマスター盤が普通に店頭に置かれているので入手も容易である。
お蔵入りになってしまったせいか、ブルーノートのショーターのアルバムとしてはジャケットも地味で冴えないが、名盤『スピーク・ノー・イーヴル』の3ヶ月後の録音であり、参加メンバーからいっても悪かろうはずがないと思って聴いてみたら、果たして名盤であった。
楽曲、演奏ともにこの時期の傑作群に全く劣らぬ充実ぶりで、これを聴かないのは本当にもったいない。
サウンド的にはドラムスのトニー・ウィリアムスの参加が大きく(なんでもショーターのソロ作への参加はこれのみだという)、ベースにロン・カーターが参加していることもあって、この時期のマイルス・バンドを彷彿とさせるサウンドだが、全体的にサウンドが熱い。
ショーターのソロも特に④あたりの熱気は凄く、トニーのドラムスも含め、圧倒される。
⑦以外はすべてショーターのオリジナル。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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