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ジョニー・トー監督の『エレクション~黒社会~』を観た感想。
『ELECTION 黒社會』(05年)
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ、イップ・ティンシン
撮影:チェン・チュウキョン
音楽:ルオ・ダー
出演:サイモン・ヤム、レオン・カーファイ、ルイス・クー、ニック・チョン、チョン・シウファイ、ラム・シュー、ラム・カートン、ウォン・ティンラム、タム・ビンマン、マギー・シュー
初見。
あるギャング組織の会長の座を巡る権力争いのお話。
会長の座が選挙で決まるというのが面白いが、一票を巡る縄張り争いが、ちょっと前に日本の政治(某政党)でもあった構図に驚くほどよく似ている。
内容も面白かったけど、これまで観たジョニー・トー作品の中ではもう一つのようにも感じた。
レンゲを食べたりとかヘンなシーンは良かったけど。
いつもながら個々の俳優のオーラは強いです。
ボスであることを証明する?竜頭棍なるトロフィー的なものを巡る争いのところなんかは、ちょっとジョン・ヒューストン監督の『マルタの鷹』(41)っぽかった。
入院しているオッサンが裏切るよう家族の身柄を脅されてるところはメルヴィルの『仁義』(70)のフランソワ・ペリエが元ネタかもしれない。
ラストは映画のラストとしてはかなり重い余韻が残るけど、なかなか魅せました。
続編である『エレクション~死の報復~』も是非観たいなぁ。
ユーチューブ(YouTube)を通して我が偏愛の一曲をご紹介する2回目です。
是非お聴きになってみてください。(再生ボタンをクリックすれば、このブログ上でお聴きになれます)
今回紹介するのはミッシェル・ポルナレフMichel Polnareff 『愛の休日』Holidays(72年)
この曲は中学生の時にラジオで初めて聴いた。
しかし、たまたま耳にしたので、曲名も、誰が歌っているのかも分からなかった。
その歌、メロディは強烈な印象として記憶に残り、それからずっと気になっていたのだが、人に尋ねるにも尋ねようがなく、分からないまま20年近い歳月が過ぎた。
その間、まれに街中で耳にすることがあったが、曲名まで知るには至らなかった。
ムード歌謡っぽい雰囲気を感じたので、ポール・モーリアやマントヴァーニやらのCDをいろいろ借りて探したりもしたのだが、見つからなかった。
そうこうしているうちに、私の中でこの曲の存在感だけがどんどん大きくなっていき、まるで“至高の名曲”であるかのごとき存在になっていった。
かりに知らない女性がこの曲のことを私に教えてくれたら、それだけで運命を感じてその人のことを好きになってしまっただろう。
この曲のことが分かったのは10年ほど前にミッシェル・ポルナレフのベスト盤CDを聴いた時だった。
なんでこんな有名な曲が分からなかったのだろうという思いと、ポルナレフの曲だと知って妙に納得した思いが交錯したのを覚えている。
残念ながら女性が教えてくれたわけではなかったので、それがキッカケで女性を好きになることもなかった。
しかし、この曲が私にとって“至高の名曲”であることは今も変わらず続いている。
ジム・ジャームッシュ監督の『ゴースト・ドッグ』を国内盤DVDで観た感想。
『GHOST DOG:THE WAY OF THE SAMURAI』(99年)
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:RZA
出演:フォレスト・ウィテカー、ジョン・トーメイ、クリフ・ゴーマン、ヘンリー・シルヴァ、ヴィクター・アルゴ、トリシア・ヴェッセイ、カミール・ウィンブッシュ
(日本語公式サイト)
初見。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『サムライ』(67)にインスパイアされたという評判がきっかけで観始めた映画だが、実際のところ、ほとんど『サムライ』のリメイクに近いくらいの内容であった。
『サムライ』との大きな相違点は、警察の存在が全くといってよいほどストーリーに関連してこないこと、そして、主人公の殺し屋が『葉隠』を愛読し、“サムライ”という存在を自ら強く意識している点である。
思い起こしてみれば、メルヴィルの『サムライ』において、アラン・ドロン演じる殺し屋ジェフ・コステロは自身が“サムライ”であることを意識していたわけでななかった。
“武士道”という本の言葉が冒頭に出てきていたが(実際は監督のメルヴィルの創作)、映画を観る限りにおいては、ジェフ・コステロ自身がそのことを意識しているというような描写はない。
あくまでも結果として、彼の行動様式が“サムライ”に模されたということだった。
しかし、『ゴースト・ドッグ』においては、フォレスト・ウィテカー演じるゴースト・ドッグの声によって『葉隠』の言葉が何度も紹介されるように、殺し屋は『葉隠』を愛読しながら、自身が“サムライ”たらんことを強く意識し、常にその行動様式の中で生きようとしている。
その意味においては、(良し悪しの問題ではなく)『サムライ』以上に“サムライ色”の強い作品といえるかもしれない。
ただ、内容はシリアス一辺倒ではない。
というか、マフィアの描き方に代表されるように、コメディの要素がかなり強い作品である。
車を盗む手口やナンバープレートを変えるところなど、ほとんど『サムライ』のパロディといってよく、『サムライ』を知っていたらもう笑ってしまうほどだ。
そういう意味で、『サムライ』を知っていて観るか否かによって、この作品に対する感じ方がかなり変わってくると思われる。
しかし、これはこれで実に面白い、いい作品だと思う。
どうしても『サムライ』との比較で、観る前はフォレスト・ウィテカーの存在感に大いなる疑念があったのだが、観ているうちに全然気にならなくなった。
というか、この映画のフォレスト・ウィテカーはとても良かった。
ゴースト・ドッグとアイスクリーム屋の友情関係や、鳥との関係、過去にゴースト・ドッグを救ってくれた男との主従関係なども魅力的に描かれている。
また、ところどころで流れるRZAのヒップホップに最初は抵抗感を覚えたが、これもだんだん気にならなくなった。
むしろ、映画の内容にはよく合っていたと思う。
中にはメルヴィルの『ギャング』や『仁義』を思わせるシーンもあり、ジャームッシュのメルヴィル・ファンぶりが窺える。
当然のことながら、エンドクレジットの“PERSONAL THANKS”の中に“JEAN-PIERRE MELVILLE”の名も出てくる。
ユーチューブを使って我が偏愛の一曲をご紹介します。
是非お聴きになってみてください。(再生ボタンをクリックすれば、このブログ上でお聴きになれます)
今回紹介するのはビリーホリデイBillie Holiday『ラヴァー・マン Lover Man』(46年)。
この歌を初めて聴いてからもう20年以上過ぎているが、何十回、何百回聴いてもその度に感動する。
ビリーホリデイの歌の後にこの曲はジャズのスタンダード・ナンバーとなり、それらも私はさんざん聴いたが、彼女の歌以上のヴァージョンは存在しない、と断言できる。
それにしても、なんという情感の深い歌だろう。
それでいて、決して自分の感情に溺れてはいない。
バックのアレンジ、演奏も最高だ。
特にこのヴァージョンはストリングスが効いている。
これまで『影の軍隊』を始め、『賭博師ボブ』『いぬ』『リスボン特急』とメルヴィル作品を立て続けに廉価盤で発売してきたユニバーサルということで、今回も1500円という廉価盤です。
おそらく元のマスターはヨーロッパ盤(たぶんイギリス盤)でしょうから、PAL盤となることは避けられませんが、既存の国内盤(IVC)よりも画質が格段に良いであろうことは間違いないと思われます。
これによって、ようやく、IVC盤のあの劣悪な画質から解放されるわけで、これはメルヴィル・ファン、『仁義』のファンにとっても、まことに喜ばしいことではないでしょうか。
ユニバーサル盤ということで、なんといっても不安な点は字幕ですが、こればかりは期待するしかありません。
また、これまでジェネオン・ユニバーサルから発売されていた『賭博師ボブ』『いぬ』『リスボン特急』と同時発売となります。
今回『影の軍隊』がラインアップから外れた理由は、今年すでに一度再発したからでしょう。
11月27日には『海の沈黙』の国内盤DVD(HDニューマスター)もいよいよ発売されますし、これから寒くなる時期にかけてDVDが続々と発売されるのはいかにもメルヴィルらしいですね。
Studio Canal Collectionの一環として9月にヨーロッパ(英仏独)で発売された『仁義』のブルーレイ・ディスク。
国内ブルーレイ・プレーヤー(レコーダー)で観られるか否か大変不安に感じつつも、私もとりあえず英Amazonを通じて購入しました。(ちなみに、通常の配送方法で8日ほどで到着)
しかし、リージョンの違いにより、やはり国内のプレーヤーでは再生できませんでした。
(ブルーレイに関して日本やアメリカのリージョンは“A”ですが、ヨーロッパのリージョンは“B”です)
これを観られるようにするにはやはりリージョンフリーのブルーレイプレーヤーを買うしかないのでしょう。
すでに海外の多くのサイトではこのブルーレイの内容を紹介するページを見ることができますが、既存のDVDとの画質の違いが一番分かりやすいのはやはり『DVD Beaver』のページではないかと思われます。(リンク)
このページを見る限り、やはり通常の海外盤DVDとは段違いの画質の良さを感じます。
海外盤DVDとですらこれですから、既存の国内盤DVDとの画質の違いは天地ほどの違いがあることは間違いないでしょう…。
昨年日本でもたった2回のみ一般公開されたオリヴィエ・ボレール監督の素晴らしいドキュメンタリー『コードネームはメルヴィル』(08年)他の特典映像を含め、このブルーレイを国内盤で発売しようという太っ腹のメーカーはないものでしょうか…。
これは60~63年までに吹き込んださまざまなレーベルの音源が集められたコンピレーションアルバムである。
タワレコでは2510円とちょっと値が張ったのだが、Amazonを見たらこちらの方が全然安かったのでちょっとショック。
それはともかくも、ザ・ダイアモンド・ファイヴといえば『ブリリアント!』という欧州ジャズ史上に残る大名盤を残したオランダの伝説的クインテットだけに、今度のアルバムも大変楽しみだ。
(以前書いた『ブリリアント!』に関するブログ記事)
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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