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アンリ・ヴェルヌイユ監督の『ヘッドライト』を国内盤DVDで観た感想。
『DES GENS SANS IMPORTANCE』(55年)
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
脚本:フランソワ・ボワイエ、アンリ・ヴェルヌイユ
撮影:ルイ・パージュ
音楽:ジョセフ・コズマ
出演:ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール、ピエール・モンディ、ポール・フランクール、ダニー・カレル、リラ・ケドロヴァ
再見。
原題は『とるに足りない人々』という意味らしいが、この邦題は見事。
何度観てもいい映画だと思う。
往年のフランス映画らしい哀感漂う人情映画だが、決してこれ見よがしのお涙頂戴物語になっていないところが好みだ。
何もしていない?のに、存在感だけで見せるこういった役柄はジャン・ギャバンの真骨頂。
トラック運転手仲間のピエール・モンディとの友情関係もいいし、もちろん、アルヌールも魅力的。
当時ギャバンと毎回のように共演していたポール・フランクールの出演も嬉しい。
ずっとvaioユーザーですが、今回もvaioのEシリーズです。
公私共に忙しいのに加え、パソコンの設定にいろいろ手間取っており、なかなかブログの更新ができません。
国内盤DVD『海の沈黙』もアマゾンから届きましたが、まだパッケージを開封していない状態です。
数日もしたら落ち着くはずですが…。
アナトール・リトヴァク監督の『将軍たちの夜』を国内盤DVDで観た感想。
『THE NIGHT OF THE GENERALS』(66年)
監督:アナトール・リトヴァク
脚本:ジョセフ・ケッセル、ポール・デーン
撮影:アンリ・ドカ
音楽:モーリス・ジャール
出演:ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、トム・コートネイ、フィリップ・ノワレ、クリストファー・プラマー、ジョアンナ・ペティット、ジュリエット・グレコ、ドナルド・プレザンス、コーラル・ブラウン、ニコール・クールセル
初見。
144分という時間が短く感じられた。
原作はハンス・ヘルムート・カーストの小説だが、脚色は『影の軍隊』の原作者ジョセフ・ケッセル(ポール・デーンとの共同)。
また、撮影はあのアンリ・ドカ、音楽はあのモーリス・ジャール、美術はあのアレキサンドル・トローネルとスタッフも凄い。
娼婦が惨殺された事件の容疑者3人が皆ナチスドイツの将軍で、その事件の捜査にかかるのが同じナチスの少佐という物語の設定が興味深いが、その犯人探しのミステリーに加え、将校の恋愛であったりヒトラー暗殺などが絡みあったりで全く目が離せない作品に仕上がっている。
それになんといっても、キャストが皆素晴らしい。
ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、フィリップ・ノワレといった名優が揃っっているが、その誰もが見事な演技を披露。
ピーター・オトゥールは、異常なまでの潔癖症という将軍役を全く違和感なく演じている…というか、完璧なハマリ役で、こういう役を演じて右に出る俳優はいないかもしれない。
また、殺人事件のナゾを追うオマー・シャリフのドイツ軍人役というのも意外にも颯爽と演じていて素晴らしい。
フィリップ・ノワレもどこがどうということのない自然体な演技だが、存在感は強い。
ちなみに、ジュリエット・グレコはバーでシャンソンを歌うシーンでちょっとだけ登場。
この映画の弱点を探すとすれば、ドイツ兵の言葉が英語になってしまっている点くらいか。
ユーチューブを使って我が偏愛の一曲をご紹介します。
今回紹介するのはジェフ・バックリィ Jeff Buckley『Lover, You Should`ve Come Over』
ジェフ・バックリィ(1966~97)は90年代の奇跡だ。
その歌声の素晴らしさ、楽曲のレベルの高さ、バックバンドのサウンドとの一体感。
そして、その時代の流行とは全く無関係な音楽性。
当時、私は同時代のアーティストにはほとんど興味を失っていたが、彼は数少ない例外の一人だった。
とはいっても、私が彼を知った時には既に彼はこの世の人ではなかったのだが。
ほとんど一枚のアルバムのみを残してこの世を旅立ったが、残されたアルバム『グレース Grace』は信じられないほど素晴らしい内容であった。
世に言われるロックの名盤群に比肩する永遠の名盤といってよいであろう。
アルバムすべての楽曲が印象的なので、どれか一曲を選ぶのは極めて困難である。
一般的には『ハレルヤ HALLELUJAH』が挙げられることの方が多いかもしれない。
が、私はどれか一曲と言われたら『Lover, You Should`ve Come Over』を選ぶ。
とにかく、この曲はあまりにも感動的である…。
デイヴィッド・リンチ監督の『イレイザーヘッド』を国内盤DVD(パイオニアLDC)で観た感想。
『ERASERHEAD』(76年)
監督・製作・脚本:デイヴィッド・リンチ
撮影:フレデリック・エルムズ
音楽:ピーター・アイヴス
出演:ジョン(ジャック)・ナンス、シャーロット・スチュワート、アレン・ジョセフ、ジーン・ベイツ、ローレル・ニア、ダーウィン・ジョストン
再見。
デイヴィッド・リンチの長編処女作。
撮影に5年の歳月がかかったという。
私はデヴィッド・リンチのファンを自任しているが、この映画を初めて観た時、もう二度と観たくないと思った。
その理由はこの映画を観たことがある人ならお分かりいただけるだろう。
実際、それから10年以上観ていないが、数年前にビデオメーカーから新しい国内盤DVDが発売されたと聞いて以来、またこの作品のことがずっと気になってしまっていた。
リンチ・ファンの端くれとして、新盤を思いきって買ってみようかとも思ったが、とりあえず、レンタルで旧盤DVD(パイオニアLDC)を観てから購入を考えよう…それが今回観たキッカケである。
他のデイヴィッド・リンチ作品にも共通することだが、ストーリーを追ってもあまり意味はない。
映像を、映画をそのまま感じるのが重要だが、それだけに感性に訴えかける力はすごい。(その意味において最新作『インランド・エンパイア』も凄かった)
それにしても、こんなにコワい映画はない。
観ている間中、ずっと恐ろしい映画だと思い続けていた。
とにかく悪夢としか思えない映画だが、これほど音が重要な映画も他にないのではないのではないか。
ゴーっという工場?の音も、風の音や雨の音も、通奏低音のように鳴り響くが、いちいち観る者を不安に陥れる。
例の赤ん坊については、やはり直視に耐えぬシーンが連続する。
何度目を塞いだことか。
結論として新盤DVDを買う勇気は持てなかった。
この映画を愛せるだけの度量は私にはないらしい。
良く言えば、それは私がまだ正常な感性を持ち合わせているということかもしれないが、デイヴィッド・リンチのファンとしてそれは失格だろう…。
ジョルジュ・ロートネル監督の『ジャン=ポール・ベルモンドの道化師/ドロボー・ピエロ』を国内盤DVDで観た感想。
『LE GUIGNOLO』(80年)
監督:ジョルジュ・ロートネル
脚本:ジャン・エルマン、ミシェル・オーディアール
撮影:アンリ・ドカ
音楽:フィリップ・サルド
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、マリー・ラフォレ、ジョルジュ・ジェレ、カーラ・ロマネリ、ピエール・ヴェルニエ、パオロ・ボナチェッリ
初見。
ヴェニスを舞台にジャン=ポール・ベルモンドが泥棒というか詐欺師を演じるアクション・コメディ。
監督は前作『ジャン=ポール・ベルモンドの警部』でもベルモンドと組んだベテランのジョルジュ・ロートネル。
主要スタッフも『警部』と全く同じで、『警部』が最高に気に入っている私はかなり期待して見たのですが…正直言ってちょっと期待外れ。
せっかくのコメディなのに、字幕のせいか(DVDはユニバーサル)、フランス語が分かる人でないと笑いのツボが伝わってこないようにも思えます。
ベルモンドが魅力的なのは当然としても、脇役の存在感もイマイチ。
あのマリー・ラフォレもこの作品ではあまり魅力的な役柄とは言えません。
また、脇役の人が多すぎることもストーリーが拡散してしまう原因の一つかもしれません。
意外なところでは、メルヴィルの『フェルショー家の長男』(63)の冒頭でベルモンドのボクシングの相手役を演じていたモーリス・オーゼル(Maurice Auzel)が、後半にバスの中でベルモンドからパンを受け取る役で出ています。
フィリップ・サルドの軽快な音楽はそれなりに魅力的ですが、アンリ・ドカの撮影は往年の冴えが見られない気がします。
クロード・ミレール監督の『検察官~レイプ殺人事件』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。
『GARDE A VUE』(81年)
監督:クロード・ミレール
脚本:クロード・ミレール、ジャン・エルマン
台詞:ミシェル・オーディアール
撮影:ブルーノ・ニュイッテン
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:リノ・ヴァンチュラ、ミシェル・セロー、ロミー・シュナイダー、ギイ・マルシャン
再見。
実に面白いサスペンス。
それもそのはず、キャストだけでなく、スタッフもオールスターといってよいほど揃っています。
映画の内容はそのほとんどがクリスマスの夜の幼児殺人容疑者の取調べシーンに限定されていますが、容疑者ミシェル・セローと刑事リノ・ヴァンチュラのやり取りが大変見ごたえあります。
また、世間のクリスマスの喧騒とは正反対の取調室の無味乾燥、という対比にリアリティがあり、なんともいえず惹きつけられます。
そして、なんといっても、リノ・ヴァンチュラの自然体で渋い演技がなんともいえず素晴らしい。
この人の刑事役はこれに限らず、本当に人間味があります。
この頃の主演作がほとんど国内DVD化されていないので、この作品は貴重です。
一方のミッシェル・セローの演技も実に上手いです。
ロミー・シュナイダーは亡くなる前年の作品で、その表情になんとなく暗い影が差しているように見えるのは役柄のせいだけではないように思えます。
その意味では観ていて心の痛む作品です。
それにしても『警察官』ならまだしも、『検察官』というタイトルはナゾ。
副題も余計ですね。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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