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以前このブログでもお知らせしたシャブロル本『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』(フランソワ・ゲリフ著、大久保清朗訳、清流出版)ですが、2月25日に発売になったようです。

私はこのところ大きな本屋さんにご無沙汰で、まだ現物を確認できていませんが、300ページを超える大書のようですので、どんな内容になっているのか読むのが本当に楽しみです!

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フランク・キャプラ監督の『或る夜の出来事』を国内盤DVDで観た感想。

IT HAPPENED ONE NIGHT』(34年)
監督:フランク・キャプラ 
脚本:ロバート・リスキン 
撮影:ジョセフ・ウォーカー 
音楽:ルイス・シルヴァース 
出演:クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール、ウォルター・コノリー、ロスコー・カーンズ、アラン・ヘイル、ウォード・ボンド 
 
再見。
フランク・キャプラ監督の代表作の一つであるロードムーヴィー&ラヴコメ。
前回観たのは随分前のことですが、面白かったがそれほど好きな作品ではないという感じでした。(このニュアンスわかっていただけるでしょうか)
理由の一つは、おそらくクローデット・コルベールのメイクがあまりに古臭かったためだと思います。
今回はその点に関しては何の期待もないので、映画にすっと入れました。
そのせいか、前回以上に楽しめた気がします。
なんだかんだいって主演の二人の魅力に尽きるんですが、新聞社の編集長、クローデット・コルベールの父親など、脇役もいい味だしてますね。

ジョニー・トー監督の『エレクション 死の報復』を国内盤DVDで観た感想。

ELECTION 2 黒社會以和為貴』(06年)
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ イップ・ティンシン
撮影:チェン・チュウキョン、トー・フンモ
音楽:ロバート・エリス=ガイガー
出演:サイモン・ヤム、ルイス・クー、ウォン・ティンラム、ラム・カートン、ニック・チョン

初見。
以前このブログでも取り上げた『エレクション 黒社会』の続編で、前作から2年後の物語。
前作を観てから今作を観た方が良いのは当然だが、今作だけを観ても十分楽しめるのではないだろうか。

今作はルイス・クーが事実上の主演だが、全編を支配する緊張感がとにかく凄く、その点、前作をはるかに上回る。
また、全編、演出のアイデアに満ち溢れた作品であり(あえて銃撃戦は避けているようだ)、中には思わず目を塞ぎたくなるような強烈なバイオレンスシーンもあるので苦手な人は注意。(正直私もこういうのは苦手です)
一方でジョニー・トー監督作品らしく、笑えるユーモラスなシーンもあるが、この作品ではちょっと控えめかも。

image9.gif昨年フランスで発売されたDVDBOX『Coffret Jean-Pierre Melville』についての情報です。

これは『賭博師ボブ』『モラン神父』『いぬ』『影の軍隊』『仁義』『リスボン特急』の6作品に、オリヴィエ・ボレール監督のドキュメンタリー『コードネームはメルヴィル』を加えた7枚組DVDBOXです。
ちなみにフランス盤ということもあってか字幕はありません

そんなこともあり、私は昨年購入してからろくに内容も確認せずにおりましたが、最近になってようやく内容をチェックしてみてビックリ。
リスボン特急』の特典になんとドキュメンタリー映像が入っていました。

ドキュメンタリーの内容は、助監督ジャン=フランソワ・ドロン記録係スクリプトガールフロランス・モンコルジェという二人の裏方のインタビューです。
収録時間は24分で、2004年に製作された映像のようです。
中には貴重な当時の撮影現場の映像もあります。

ご存知のように、『リスボン特急』に関するドキュメンタリーは、これまで海外盤、国内盤含め、全くといってよいくらいありませんでした。
それだけにこれは大変貴重な映像資料だと思います。
二人の裏方のインタビューは(大部分がフロランス・モンコルジェのインタビュー)撮影秘話満載のようです。もちろん、すべてフランス語なので、話の内容は全く理解できませんが…。

f4d16468.gif当時の撮影現場の映像は決して多くないのですが、当然のことながら初めて観る映像ばかりで観ていて興奮しました。
特にアラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーヴのラヴシーンをメルヴィルが演出(相談?)するシーンまで観られるなんてビックリ!
特に、ドヌーヴとメルヴィルが一つのカットに収まっている写真は、これまで一枚も見たことありませんでしたからね…。

ところで、ここに登場したフロランス・モンコルジェという女性ですが、撮影当時はFlorence Moncorgé、このインタビューではFlorence Moncorgé-Gabinという名前になっていました。

3c843fd2.gifモンコルジェ…ギャバン…という名前が引っ掛かって調べてみましたら、なんと!あのジャン・ギャバンの娘でした。(ジャン・ギャバンの本名はジャン・アレクシス・モンコルジェです)
そのつもりで見ると、確かにお父さんに似ていないこともありません。
彼女は1949年生まれのようですから、『リスボン特急』撮影時は23歳だったことになります。
もしかしたらインタビューではそのあたりの事情も語られているかもしれません。

メルヴィル映画にジャン・ギャバンが出演する機会はついにありませんでしたが、意外なところで二人の接点が見つかりました。

成瀬巳喜男監督の『流れる』を国内盤DVDで観た感想。

流れる』(56年)
監督:成瀬巳喜男 
脚色:田中澄江、井手俊郎 
撮影:玉井正夫 
音楽:斎藤一郎
出演:田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、中北千枝子、松山なつ子、杉村春子、岡田茉莉子、賀原夏子、宮口精二、仲谷昇、加東大介、栗島すみ子

再見。
幸田文原作小説の映画化。
前回観たのは随分前なので、今回観直してどういう感想を持つか我ながら興味津々だったのだが、やっぱり心の底から魅了された。
この映画が生まれた国が自分の母国であることを心から幸せに思った。

特にドラマティックなストーリー展開が用意されているわけでもないこの映画がどうしてこんなに魅力的なのか。
それは、今観るとただただ美しく、なぜか懐かしい東京の下町の姿、そこに描かれた人々の人情の尊さと美しさ、そして当然のことながら女優陣の顔合わせの豪華さ、演技にあるだろう。

今回観て、特に感心したのは山田五十鈴である。
この人はまたなんという凄い女優だろう。
正直なところ、顔は苦手だし、決して好きな女優ではないのだが、この映画での立ち振る舞いの美しさ、演技の見事さには圧倒された。
清元『神田祭』等の三味線を弾くシーンは、手つきからいって吹き替えではなく紛れもないホンモノ。
杉村春子の演技も凄い。
どこがどうということもなく上手いが、とりわけ映画終盤のケンカのシーンには唸った。

女中役の田中絹代は、この映画のオファーをよく受けたと思う。
ホントにこの映画では女中の仕事を黙々とこなすだけの役で、決して強烈な存在感を放っているわけでもないのだが、彼女の存在がこの映画にえにも言われぬ深みを与えているのだ。
ラストは田中絹代の視線一つでどれだけ映画が感動的になったことだろう。

それに加えて、往年の大女優である栗島すみ子の圧倒的な存在感、そして高峰秀子の、女優・高峰秀子そのものでしかないかのような素晴らしさ、存在感…もうため息しか出ない。

これらの大女優たちを演出してこうして一つの映画作品にまとめ上げた成瀬巳喜男監督の手腕は、やはり凄いとしか言いようがない。
もちろん、斎藤一郎の音楽、玉井正夫の撮影も素晴らしい。

ただ、よく言われていることかもしれないが、この映画の欠点は実際は7歳しか年の違わぬ山田五十鈴と高峰秀子が親子という年齢設定の無理にある。
逆に言えば、それしか欠点がないのだ。
まぁ、いたって些細な欠点だが、それ以外は格調の高さといい、風情といい、完ぺきな映画ではないか。

フリッツ・ラング監督の『マン・ハント』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。

MAN HUNT』(41年)
監督:フリッツ・ラング 
原作:ジェフリー・ハウスホールド 
脚本:ダドリー・ニコルズ 
撮影:アーサー・C・ミラー 
音楽:アルフレッド・ニューマン 
出演:ウォルター・ピジョン、ジョーン・ベネット、ジョージ・サンダース、ジョン・キャラダイン、ロディ・マクドウォール

初見。
1939年のドイツが物語の発端であり、そこから舞台はロンドンへと移る。
この映画が作られたのが1941年だから、反ナチスのプロパガンダ映画であることは確かなのだろう。
日本では長らく劇場未公開だったらしい。
映画の出来としてはなかなか魅せるシーンが多く悪くないのだが、良くも悪くもフリッツ・ラング監督らしいというか、どこかヘンな感じの映画である。

フリッツ・ラング監督の反ナチ映画ということでは『死刑執行人もまた死す』(43)の方が日本では有名だが、この作品はそれより2年前の作品であるせいか、意外と重苦しい空気というわけでもない。
主演のウォルター・ピジョンの持ち味が、どこかロバート・ミッチャム的なニヒルさを感じさせるせいかもしれない。
また、ジョーン・ベネットの明るさもその理由の一つだろう。
一方でナチの刺客を演じるジョン・キャラダインが不気味な雰囲気を醸し出しており、“ラング的匂い”を強く感じさせた。
地下鉄のシーンは極上のサスペンスとなっていた。

ちなみに、今回観たジュネス企画のDVDは画質音質ともに決して悪くないのだが(というかこの時期のものにしては良い方かもしれない)、ナチスのセリフ(ドイツ語)にほとんど字幕が出ないというのはどういう意図なのだろうか。
二言三言ならともかく、結構たくさんドイツ語のセリフがあったから、字幕なしでは映画の内容を理解する上で厳しいと思うのだが。
監督の意図であったりとか、アメリカ公開時もドイツ語のセリフに関しては字幕が出なかったというのなら話は別だけど…。

先日アン・バートンの未発表録音を集めたCDを紹介したが、あれからというもの、完全にアン・バートンにハマってしまっている。
前回紹介した2枚のアルバムでは最近発売されたばかりの『1980~オン・ザ・センチメンタル・サイド アン・バートン』がとりわけ気に入っており、もう何度繰り返し聴いたか分からない。
とにかく彼女の歌は最高としか言いようがない。

ここ10年ほどアン・バートンから離れていたせいもあり、昨今の彼女のCD発売事情も分からなかったのだが、調べてみたら、近年、日本録音の何枚かのアルバムがHQCD紙ジャケになって発売されていた。

というわけで、まずは『雨の日と月曜日は』(77)、続いて『ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ』(77、80 二枚のアルバムを一枚のCDにまとめたもの)を一枚ずつ買ってじっくり聴いているところ。
当然のことながら、日本録音だろうと何であろうと、彼女のしっとりとした落ち着いた語り口は全く変わらない。
バックもピアノ、ベース、ドラム以外はなし。
それどころか、ドラムが入らない場合も多い。

選曲もスタンダードを中心に、カーペンターズ、イーグルス、ポール・サイモン等のポピュラーものも歌ったりもしているが、あくまでも彼女の歌に合うようにアレンジされており、全く違和感がない。
どちらも日本録音ということもあり、日本人ミュージシャンがバックに参加しているのだが、中でも稲葉国光氏のベースプレイが印象的だ。
なんといってもベースの音色が美しい。
また、イギリス人ピアニストケン・マッカーシーの繊細なプレイも素晴らしい。

そして、これらのアルバムは昔聴いた時にはあまり音質が良くない印象だったが、今回のHQCDの音質は素晴らしい。
実に生々しい音質であり、彼女がすぐそばで歌っているかのよう。
また、ライナーノーツも今回新たに書かれたものばかりで、どれも彼女の歌や人柄に対する敬愛の情が伝わってくる、良い内容だ。
今時、旧作CD一枚2600円は高いが、これなら文句が言えない。

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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