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昨日、新宿東口紀伊国屋書店DVDアイランドを覗きましたら、紀伊国屋レーベルから出ているDVDの中から、新たにいくつかのDVDボックスが40%オフになっていました。(以前のセールは50%オフでしたが…紀伊国屋さん…)
他の紀伊国屋書店のDVDアイランドは定かではありませんが、私の経験上、大阪、博多など、他の都市でも過去に同様のセールが行われていましたので、その可能性は高いと思われます。
紀伊国屋書店の店舗案内へのリンク

気になる内容ですが、エリック・ロメールのDVDボックス全6巻、ルイ・マルのDVDボックス全3巻、ロバート・アルトマンのDVDボックス、マノエル・ド・オリヴェイラのDVDボックス(『家宝』、『神曲』、『ノン、あるいは支配の虚しい栄光』収録)、フィルム・ノワール傑作選DVDボックスなどなど…気になる方にはかなり気になる内容です。
見落とした注目すべきボックスも他にあったかもしれません。

私は、エリック・ロメールのDVDボックスは5巻、フィルム・ノワール傑作選は所有しておりますので、今日は、ルイ・マルのボックスをどれか購入しようかと迷いましたが、とりあえず踏みとどまりました。
ルイ・マルのDVDは、今やいずれも単品で入手できますので、あえてボックスで購入しようという気にはならなかったのです。
ロメールのボックスは残った1巻(『』)を買えば、全巻揃いますが、たぶん『』(『O侯爵夫人』『聖杯伝説』収録)はそれほど人気があるとも思えないので、そう急いで買う必要もないと思いました。

メルヴィル・ファン、ノワール・ファンの方にオススメなのは、なんといっても、フィルム・ノワール傑作選です。
収録作3作『キッスで殺せ!』『ビッグ・コンボ』『歩道の終わる所』は、今ではどれも単品で購入できますが、ボックスには、52ページに及ぶ「ノワールの手帖」が付いており、これがノワール・ファンには素晴らしい読み物となっているのです。
もちろん、収録作品3作の魅力については、今更言うまでもありません。
40%オフとなっている現在、まだお持ちでない方には絶対のオススメと言えます。
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L'Anne Derniere a Marianbad』 (60年)
image85.gif監督・脚本:アラン・レネ
原作:アラン・ロブ=グリエ
撮影:サッシャ・ヴィエルニー 
音楽:フランシス・セイリグ
衣装:ココ・シャネル
出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジョルジュ・アルベルタッツィ、サッシャ・ピトエフ

da3e4674.gif初めて観た時は、その訳の分からなさに怒りすら覚えましたが、今やすっかりお気に入り作品の仲間入り。
近年は、寝つきの悪い夜のお供に最適な映画となってしまっています。
実際、この映画を30~40分ほど観ると、よく眠れるのですよ(笑)。
本当にこの作品が好きな人には怒られるかもしれませんが…。

先日、本当に久々に全篇通して観ましたが、これまで以上に楽しめました。
私のような凡人がこの映画を評する場合、“分かる”とか“理解”とかいう言葉は当てはまらないでしょう。
c6234fe0.gif結局のところ、こういった映画は、観ていて面白いか詰まらないか、つまりは、観る人の感覚に合うか合わないかが重要なのだと思います。
初めて観た時は、冒頭のつぶやき、始終流れるオルガンの音色が気味悪く感じたものですが、今では妙に心地良いです。
この変化が自分でもよく分かりませんが、映画に求めるものが変わってきたということでしょうか。
通常の商業ベースに乗っかりにくい作品であるだけに、こういった映画が存在すること自体、奇跡と言ってよいのではないかと思います。

シャネルのドレスを纏ったデルフィーヌ・セイリグの見た目の美しさは言うまでもありませんが、彼女の魅力の一つである声の美しさも是非指摘しておきたいと思います。
08fedce7.gif男優では、彼女に言い寄るジョルジュ・アルベルタッツィよりも、夫役のサッシャ・ピトエフの個性的な長い顔が、この映画の奇妙なカラーを決定付けているのではないでしょうか。
この人が行う意味不明のカードゲームのシーンは、妙に惹かれるシーンの一つです。

そして、舞台となった庭園、ホテルの無機的ともいえる風景も素晴らしい見ものです。
映画の背景も含め、実に絵のなるシーンの多い映画です。
デルフィーヌ・セイリグの兄だという、フランシス・セイリグの音楽も良いですね。

早稲田松竹寺山修司の監督作品2本立てを観に行ってきました。
もうこの特集上映は終わっちゃいましたが。
とりあえずその関連ページへリンク

●『書を捨てよ町へ出よう』(71)
監督・原作・脚本:寺山修司
出演:佐々木英明、斎藤正治、小林由起子、平泉征、森めぐみ、丸山明宏

●『田園に死す』(74)
監督・原作・脚本:寺山修司
出演:菅貫太郎、高野浩幸、八千草薫、原田芳雄

上映時間の関係で『田園に死す』の方を先に観ましたが、こちらは以前レンタルで観たことがあります。
初めて観た時の衝撃はさすがに薄れましたが、それでも、この作品の映像、視覚表現の凄さには圧倒されます。
メルヴィル監督の映像が“メルヴィル・ブルー”なら、こちらは“テラヤマ・レッド”とでも言いたいレッド・トーンの映像です。
また、それが映画の舞台となった恐山の荒涼たる風景によく合うのですよね。
内容の理解は難解といえば難解ですが、映画としての完成度はかなり高いと思います。
主人公の“私”の少年時代を演じる高野浩幸、現在の“私”を演じる菅貫太郎ともに好演ですし、八千草薫が色気があって良いんですよね。
プリントの状態が良くなかったことが残念。

一方の『書を捨てよ町へ出よう』は初めての鑑賞。
寺山修司の長編デビュー作ということもあってか、言いたいことがごった煮のように詰め込まれていて、良くも悪くもまとまりのない作品。
私自身がこの日二本目に観たせいもあるのでしょうが、少々長い気がします。
(上映時間は138分、ちなみに『田園に死す』は102分)
こちらも、主演の佐々木英明がなかなか良い。
こちらの作品の方が古いのに、プリントの状態は良かったです。

このブログでこれまで二度お知らせしましたサントラCD『Jean-Pierre Melville Le Cercle Noir』ですが、注文していた商品が届きました。
そう、気づかれた方もおられるかと思いますが、事前の情報とCDのタイトルが違っています。
事前の情報では、『Jean-Pierre Melville Serie Noire』とのことでしたが、実際のCDのタイトルは『Jean-Pierre Melville Le Cercle Noir』となっています。
どこかで見たタイトルですね(笑)。

今現在、当CDを聴きながらこの記事を書いています。

気になる内容ですが、曲目は前回お知らせした内容と変わりはないようです。
しかし!
サプライズがありました。
CDの最後に収録されている『仁義』の音楽3曲(トラックでいうと22~24)は、なんとミシェル・ルグランによる、いわゆる“ボツ・テイク”なのです。

ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、『仁義』の音楽にはもともとミシェル・ルグランが予定されており、曲も出来上がっておりましたが、メルヴィルはそれが気に入らず、締め切りギリギリで、担当がエリック・ドマルサンに変更になったという経緯があります。
すでに『華麗なる賭け』(68)でオスカーも受賞、飛ぶ鳥を落とす勢いだった当時のルグランをクビにしたのがメルヴィルだったというわけで、いかにメルヴィルが音楽で妥協を許さなかったかがよく分かるエピソードと思います。(もちろん、ミシェル・ルグランがいかに素晴らしい音楽家であるかもまた言うまでもないことです)

このCDのブックレットの解説文(Stephane Lerouge筆)にも触れてありますが、『ギャング』では、メルヴィル自身大ファンであったという、MJQジョン・ルイス作曲によるサウンドトラックを気に入らず、クビにしてしまっています。
解説文によると、ジョン・ルイスによるサウンドトラックは、67年のジェンネル・スタジオの火災で、焼けてしまったとのことです。
そのせいでしょうか、その音源を聴くことは現在不可能となっています。

話をルグランに戻しますが、ルグランによる、これらのボツ・テイクは近年4枚組国内盤CDも発売になったシネマ・ルグラン~ミシェル・ルグラン 映画音楽集成にも収録されているようですが、価格のこともあって、なかなか手の出しづらい商品であることは確かでした。
それがこうして聴くことができて、我慢していて良かったという思いで、嬉しさのあまり、これらの曲からCDを聴き始めてしまったくらいです。
これらの曲の印象については、また時間を置いて書いてみたいと思います。

ちなみに、ブックレットにはクリスチャン・シュヴァリエマルシャル・ソラールエリック・ドマルサンのインタビューが収録されています。(仏語、英語)
また、機会があれば、そのインタビューの内容も紹介したいと思います。

1 『賭博師ボブ』 - Theme de Bob par L'orchestre d'Eddie Barclay
2 『マンハッタンの二人の男』 - Deux hommes dans Manhattan
3 『マンハッタンの二人の男』 - Deambulation nocturne
4 『マンハッタンの二人の男』 - Filature
5 『マンハッタンの二人の男』 - Street in Manhattan, par Glenda Leigh
6 『モラン神父』 - Leon Morin
7 『いぬ』 - Le doulos
8 『いぬ』 - Jazz rapide
9 『いぬ』 - Final
10 『フェルショー家の長男』 - Les Appalaches
11 『サムライ』 - Le samourai
12 『サムライ』 - Fatalite / Blessure
13 『影の軍隊』 - Theme de Gerbier
14 『影の軍隊』 - Le 20 octobre 1942
15 『影の軍隊』 - Mathilde / Les barraquements
16 『仁義』 - Le cercle rouge
17 『仁義』 - Quand les hommes ont rendez-vous
18 『仁義』 - Final inedit
19 『リスボン特急』 - Un monsieur distingue
20 『リスボン特急』 - Un casse
21 『リスボン特急』 - C'est ainsi que les choses arrivent, par Isabelle Aubret 
22 Musique inedite pour le cercle rouge - Chasses-croises
23 Musique inedite pour le cercle rouge - Visions
24 Musique inedite pour le cercle rouge - Engrenages (Final)

 

6月21日~28日の間、早稲田松竹にてルイス・ブニュエル監督の『昼顔』(67)と、マノエル・デ・オリヴェイラ監督の『夜顔』(2006)が二本立てで上映されます。
この二作をスクリーンで続けて観られる機会はなかなかないと思われますので、お時間のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

カトリーヌ・ドヌーヴ主演、ブニュエル監督の『昼顔』は言うまでもなく歴史的名作で、ジョゼフ・ケッセルの小説の映画化作品ですが、ケッセルといえば、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の、あの『影の軍隊』の原作者でもあります。
また、ピエール・クレマンティジュヌヴィエーヴ・パージュといった味のある助演陣も大変充実している作品です。

一方、『昼顔』にも出演していたミシェル・ピコリ、そして、ビュル・オジェが主演、オリヴェイラ監督の『夜顔』も昨年スクリーンで観て、かなりの傑作と見受けました。
かなり渋いですが。
何度も登場するバーのシーンがなんとも言えず良く、ミシェル・ピコリの老練の演技がさすがに素晴らしかったですね。

0600753085745.jpg以前このブログでも紹介しましたメルヴィル作品のサントラ集『Jean-Pierre Melville serie noire』の詳細が明らかになりましたので、紹介したいと思います。(前回の記事はこちら
HPのトップページにリンクを貼っています「Fnac.com」のページに詳しい曲目等が掲載されておりますが、試聴用のリンクが曲目に混じっているために表示が混乱していますので、以下にまとめてみました。(リンク先では部分的ですが全曲試聴できます)

1 『賭博師ボブ』 - Theme de Bob par L'orchestre d'Eddie Barclay
2 『マンハッタンの二人の男』 - Deux hommes dans Manhattan
3 『マンハッタンの二人の男』 - Deambulation nocturne
4 『マンハッタンの二人の男』 - Filature
5 『マンハッタンの二人の男』 - Street in Manhattan, par Glenda Leigh
6 『モラン神父』 - Leon Morin
7 『いぬ』 - Le doulos
8 『いぬ』 - Jazz rapide
9 『いぬ』 - Final
10 『フェルショー家の長男』 - Les Appalaches
11 『サムライ』 - Le samourai
12 『サムライ』 - Fatalite / Blessure
13 『影の軍隊』 - Theme de Gerbier
14 『影の軍隊』 - Le 20 octobre 1942
15 『影の軍隊』 - Mathilde / Les barraquements
16 『仁義』 - Le cercle rouge
17 『仁義』 - Quand les hommes ont rendez-vous
18 『仁義』 - Final inedit
19 『リスボン特急』 - Un monsieur distingue
20 『リスボン特急』 - Un casse
21 『リスボン特急』 - C'est ainsi que les choses arrivent, par Isabelle Aubret 
22 Musique inedite pour le cercle rouge - Chasses-croises
23 Musique inedite pour le cercle rouge - Visions
24 Musique inedite pour le cercle rouge - Engrenages (Final)
 

ジャケットに写真が使われている『ギャング』の音源が収録されなかったのは残念ですが、これまで限定された媒体でしか聴くことができなかった音源がたくさん収録されています。
特に、『リスボン特急』のイザベル・オーブレの歌『事が起こるように』が収録されているのは嬉しいところですね。

 

image87.gifKiss me Deadly』(55年)

監督:ロバート・オルドリッチ(アルドリッチ)
原作:ミッキー・スピレーン
脚本:A・I・ベゼリデス
撮影:アーネスト・ラズロ
音楽:フランク・デ・ヴォル
出演:ラルフ・ミーカー、アルバート・デッカー、ポール・スチュワート、マキシン・クーパー、ギャビー・ロジャース

私立探偵マイク・ハマーラルフ・ミーカー)は深夜の道路で精神病院から脱走したという女を車に乗せる。
その後、彼らはある組織につかまり、拷問され、女は死亡、マイクは一命をなんとかとりとめる。
事件に巨大な陰謀の影を嗅ぎ取ったマイクは自ら危険な捜査に乗り出す…というのがこの映画の発端のストーリー。

image86.gif国内盤DVDにて二度目の鑑賞。
この作品の魅力をなんと言ったらよいでしょう。
観客を映画にいきなり引き摺り込む冒頭から、ミステリアスでハードボイルドなストーリー展開が最高で、もう全篇ワクワクしっぱなし。
物語の内容はどこか不可解でもありますが、その訳の分からなさこそが実に魅力的で、一つ一つのシークエンスの面白さにストーリーの難解さなどほとんど気になりません。

ところどころに見られるバイオレンスシーンがまた大変に凝っており、実に映画的な面白さ。
ストーリーに当時の社会情勢に関する部分もあるので、深読みをしてしまいがちですが、監督のオルドリッチ、脚本のA・I・ベゼリデス、ともにそんな意図はなかったらしく、社会派的な、妙な高尚趣味(?)に陥っていないところも好感度高し。

主役のタフな私立探偵マイク・ハマーラルフ・ミーカー好演)を始め、映画にまともな人間はほとんど出てきませんが、その一人一人のキャラが実に立っています。

image88.gif個人的に、一番印象に残るのが、リリー・カーヴァー役を演じる短髪のギャビー・ロジャースで、ベッドに横たわりながら拳銃を構える登場シーンからして、それを後ろから捉えたキャメラといい、その気だるそうな色気のある表情といい、実に素晴らしい。
彼女の、ところどころに見せる、人懐っこそうでいながら、よく見ると実は不気味な笑顔も印象的ですし、客を良い意味で唖然とさせるラストの展開も良し。
女性といえば、プールでラルフ・ミーカーを迎える色情狂の女性も色気があって最高です。

全篇を通して一番謎で不気味な人物は、ずっと足元の革靴しか映らず、顔の映らない人物(アルバート・デッカー)。
実際は顔が出てから意外と呆気ないのが少々残念ですが、その靴のデザインがかなり個性的ということもあって、かなり観る者の注意を惹きつけます。
そういえば、善人だか悪人だかさっぱり分からないパット・マーフィー警部補役のウェズリー・アディもかなり良かった。

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マサヤ
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趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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