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『The Killers』(46年)
監督:ロバート・シオドマク
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
脚本:アンソニー・ヴェイラー、ジョン・ヒューストン
撮影:ウディ・ブレデル
音楽:ミクロス・ローザ
出演:バート・ランカスター、エヴァ・ガードナー、エドモンド・オブライエン、アルバート・デッカー
ヘミングウェイの同名短編小説の映画化で、かの大作家も激賞したとか。
実は、ほとんどの部分が映画用の創作らしいです。
ノンクレジットですが、ジョン・ヒューストンが脚本に参加しており、後にドン・シーゲル監督がリー・マーヴィンらを起用してリメイクしていることでも有名です。(『殺人者たち』)
私自身は2度目の鑑賞。
初めて観た時も思いましたが、全くもって素晴らしいフィルム・ノワールの傑作です。
大きな謎が一つ一つ解き明かされてゆく展開に釘付けとなり、全くもって目が離せません。
中でも、観ていて驚かされたのが、長廻しワンカットでとらえた帽子会社の給金強奪シーンで、全く無駄のない、流れるような動き(4台の車がそれぞれ違った方向へと動き出すシーンの凄さ!)、そしてそれを的確に捉えたキャメラが実に見事。
何回リハーサルしたら、あんな凄いカットが撮れるのでしょうか。
ミクロス・ローザの音楽も、映画を盛り上げて素晴らしい出来ですし、裏切りが裏切りを生む後半の展開も、ノワール的としかいいようのない見事な作品です。
私はジュネス企画から出ているDVDを所有しており、画質は“例によってアレ”ですが、VHSよりは若干ながらもマシなので、これは手放せません。
この作品は、バート・ランカスターのデビュー作とのことですが、もともと老け顔のせいでしょうか(失礼!)、それを感じさせません。
エヴァ・ガードナーとのシーンが特にいいですね。
保険調査員のエドモンド・オブライエンが実質的に主役で、ほとんど私立探偵のような活躍ぶり。
エヴァ・ガードナーのいかにも男を狂わせそうな美女ぶり、ファム・ファタールぶりも印象的で、この役は彼女くらい美しくなければ話にならないでしょう。
先日記事を書いた『キッスで殺せ』にも出演していたアルバート・デッカーが、コルファクス役を演じ、この作品では存在感を発揮しています。
他にも、刑事ルビンスキーを演じたサム・レヴィーン、ランカスターの獄中の友人である老人チャールストンを演じたヴィンス・バーネット、強盗仲間のチンピラギャングのダムダムを演じたジャック・ランバートなどなど、味のある個性を発揮しており、キャストが大変充実した作品です。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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