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ジャン=リュック・ゴダール監督の『中国女』を国内盤DVDで観た感想。

La Chinoise』(67年)
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ラウル・クタール
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、ジャン=ピエール・レオー、ミシェル・セメニアコ、レックス・デ・ブルイン、ジュリエット・ベルト、フランシス・ジャンソン

再見。
この映画を語る上では、68年5月のパリ五月革命の前年、中国の文化大革命初期の67年という製作時期が重要なのであろうが、今この映画を観ると、なんのためのどういう映画なのかよく分からない。
もちろん、毛沢東主義にかぶれた学生たちを描いた映画だから、共産主義のプロパガンダ映画のように思いがちだが、どうも単純にそうとは思えないのだ。
というか、この映画を観る限りでは、共産主義、あるいはそれを信奉する活動家たちを茶化した映画としか私には思えない。

ただ、翌年のパリ五月革命以降、ゴダールは商業映画から離れ、先鋭化した政治映画にのめり込んでいくわけで、その意味では、この映画で語られているような思想をゴダールもそれなりに共有していたのだろう。
まあ、正直なところ、そういったゴダールの思想なり、思想形成なりに私個人はほとんど興味ないのであえて深く立ち入ろうとは思わない。

それはさておき、今観てもこの映画は(主にビジュアル面だが)魅力的である。
例によって赤、黄、青といった原色を多用した色彩感覚、そして、ジャン=ピエール・レオーアンヌ・ヴィアゼムスキージュリエット・ベルトといった若い俳優陣がやけに魅力的だし、映画全体を貫くどこかコミカルな味わいが絶妙。
そして、この映画の意外なほど明るい映像にはこの種の政治映画にありがちな暗さ、重苦しさがほとんどない。
思想的内容はさておき、ゴダールの映像に対する視覚的センスはここでも天才的であると言わざるをえないのである。

一方で、当時のゴダールの影響力からして、この映画を見て左翼になっちゃった人とか文化大革命を支持した人とか世界にいっぱいいたんだろうなぁと思うと、手放しでは賞賛できないというのが私の本音。

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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
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