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ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールのマリア』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。
『マリーの本』
『LE LIVRE DE MARIE』(84年)
監督・脚本:アンヌ=マリー・ミエヴィル
撮影:ジャン=ベルナール・ムヌー、カロリーヌ・シャンプティエ、ジャック・フィルマン、イヴァン・ニクラス
楽曲:ショパン、マーラー
出演:ブルーノ・クレメール(父親)、オロール・クレマン(母親)、レベッカ・ハントン(マリー)
『ゴダールのマリア』
『JE VOUS SALUE, MARIE』(84年)
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ジャン=ベルナール・ムヌー、ジャック・フィルマン
楽曲:バッハ、ドヴォルザーク
演:ミリエム・ルーセル(マリー)、ティエリー・ロード(ジョゼフ)、フィリップ・ラコスト(ガブリエル)、ジュリエット・ビノシュ(ジュリエット)
『ゴダールのマリア』という映画作品は、その序篇ともいえる『マリーの本』(アンヌ=マリー・ミエヴィル監督。28分)と『ゴダールのマリア』(ジャン=リュック・ゴダール監督。80分)の2本合わせて一作品という捉え方のようです。
『マリーの本』の監督アンヌ=マリー・ミエヴィルは、この時代の(現在も?)ゴダールの公私共にパートナーだとのこと。
処女懐胎をテーマとした『マリア』は当時それなりに話題になり、物議を醸した作品のようです。
映画のトーンはこの2作品共に近く、陰気臭いところなどそっくりです。
ストーリー的な面白さを追ってもしょうがないのはいつものゴダール作品の通り。
80年代以降のゴダール作品ではましな方だとはいえ、一言で言うとあまり面白くありません。
空気も重苦しく、この作品を観終わった後は爽快なハリウッド映画を観たくなります(笑)。
しかし、映像美としてそれなりに見ごたえはあるのは事実。
とりわけ、マリー役を演じたミリエム・ルーセルが魅力的でした。
クラシック音楽の使い方がどちらも上手く、『マリーの本』ではマーラーの第9交響曲(第4楽章)が、『ゴダールのマリア』ではバッハの諸作(マタイ受難曲の終曲など)やドヴォルザークのチェロ協奏曲(たぶん)が効果的に使われています。
『マリーの本』で母親役を演じているオロール・クレマンは、やけに見覚えのある顔だなと思って観ていましたが、調べてみましたら、『エル・スール』や『パリ、テキサス』に出ている女優でした。
『マリア』には若き日のジュリエット・ビノシュがチョイ役で出演しています。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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