[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
澤野工房から発売されているジョルジュ・アルヴァニタス・クインテットの『SOUL JAZZ』(60年)というアルバム。
ジョルジュ・アルヴァニタス(p)、フランソワ・ジャヌー(ts)、ベルナール・ヴィテ(bugle)、ミシェル・ゴードリー(b)、ダニエル・ユメール(ds)
セッション・リーダーのジョルジュ・アルヴァニタスはフランスのピアニストだが、なんとメルヴィルの『仁義』(70年)のサウンドトラックの録音セッションにも参加していた。
『仁義』のテーマにおけるあのピアノはアルヴァニタスの音なのである。
90年代には日本でも録音を残しているが、2005年に74歳で亡くなった。
『仁義』のテーマ(作曲:エリック・ド・マルサン)
ドラムスのダニエル・ユメールはフランス・ジャズ界を代表する大物で、やはりメルヴィルの『仁義』(70年)のサントラの録音セッションに参加しているが、この人はフィル・ウッズ & ヨーロピアン・リズム・マシーンでの活躍も有名である。
アルバムは、ボビー・ティモンズの『This Here』から始まり、モンクの作品が2曲、バド・パウエルの作品が3曲、マックス・ローチの『Mister X』、オスカー・ペティフォードの『Bohemia After Dark』等々、“どこかで聴いたことのある”名曲が並ぶ。
演奏は典型的なハード・バップだが、ヨーロピアン・ジャズ独特のスリリングな切れ味と熱があり、このような色が好きな人にはたまらない魅力がある。
特に『Mister X』、『Bohemia After Dark』がいい。
『Mister X』
『Bohemia After Dark』
アルヴァニタスのピアノ・プレイはバド・パウエルの影響が顕著。
はっきりとは分からないが、この録音の時期はバド・パウエルがパリで活動していた時期とも重なるのではないだろうか。
パウエルの影響はその辺りにもあるのかもしれない。
ちなみに、ベルトラン・タヴェルニエ監督の映画『ラウンド・ミッドナイト』(86年)はパウエルのフランスでの活動のエピソードを基に作られたというのは有名な話。
ベルトラン・タヴェルニエはメルヴィルの『いぬ』(63年)の宣伝を担当するなどメルヴィルとは因縁浅からぬ人物であり、こういったフランス映画とジャズを巡る人間関係の繋がりも面白い。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。