[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ジョニー・トー監督の『ザ・ミッション/非情の掟』を国内盤DVDで観た感想。
『鎗火』(99年)
監督:ジョニー・トー
脚本:ジョニー・トー、ヤウ・ナイホイ
撮影:チェン・チュウキョン
音楽:チュン・チーウィン
出演:アンソニー・ウォン、フランシス・ン、コウ・ホン、ラム・シュー、ロイ・チョン、ジャッキー・ロイ
初見。
『エグザイル/絆』に引き続き観たジョニー・トー監督作品。
これも実に面白かった。
暗黒街を舞台にしたノワール作品だけあって、どうしても『エグザイル/絆』と比べてしまうが、これはそこまでスタイリッシュな仕上がりではないが、かえって荒削りなところやユーモラスな味わいが実に魅力的だ。
特にショッピングセンター(ジャスコ?)での銃撃戦以降の後半は全く目が離せない。
脚本などあって無きが如しで、ほとんど即興で撮られたというのが信じられないくらい個々の演技もハマッている。
一人一人のキャラの立ち具合も素晴らしいが個人的に好きだったのはロイ・チョンとラム・シューの二人。
ちなみに、この映画のアンソニー・ウォンは若い頃の宍戸錠そっくり。
音楽が70年代?っぽい感じで、少々安っぽい感じなのだが、その“抜けた”感じが、かえって映画を味わい深いものにしている。
ご存知のように、このDVDはこれまで何度か再発されていますが、最近は市場から消えており、例によってプレミア化しつつありました。
まだお持ちでない方はこの機会に是非どうぞ。
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『我等の仲間』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。
『LA BELL EQUIPE』(36年)
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
原作・脚本: ジュリアン・デュヴィヴィエ、シャルル・スパーク
撮影:ジュール・クリュージェ
音楽:モーリス・ジョーベール、モーリス・イヴェン
出演:ジャン・ギャバン、シャルル・ヴァネル、ヴィヴィアーヌ・ロマンス、レイモン・エイムス、シャルル・ドラ、ラファエル・メディナ、ミシュリーヌ・シェイエル、レイモン・コルディ
再見。
1930年代という、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督が傑作を連発していた時代の一本だが、ジャン・ギャバン、シャルル・ヴァネル主演のこの作品も、その傑作群に連なる一本である。
主演の二人が彼ららしい役柄を演じていて魅力的だし、脇役の面々も充実している。
とりわけ、彼らを掻き回す悪女ジーナを演じたヴィヴィアーヌ・ロマンスの演技、存在感が凄い。
これはノワール作品ではないが、ほとんどファム・ファタールといいたい役柄である。
ちなみに、彼女は後に『地下室のメロディー』(62)でギャバンと共演している。(映画前半に出てくるギャバンの妻役)
この映画は、ラストシーンに2種類あり、それによって観終わった後の印象が全然違う。
その相違は、もう全く別の映画といってよいほどである。
よって、以下ネタバレ含むので注意。
簡単に言えば、ラストがアンハッピー版とハッピー版の二つ存在し、国内盤DVDは国内公開時のアンハッピー版が本編として採用されており、ハッピー版は別バージョンとして観ることができる。
今回改めて両方を観てみると、アンハッピー版はレストランの開店シーンがカットされており、ラストへ向けての展開があまりにも唐突という感がある。
あそこでギャバンが銃を持っているというのもあんまりではないか。
アンハッピー版の悲劇的な結末は確かにデュヴィヴィエ監督作品らしいことは確かなのだが、映画の中盤からどんどん悪いことが重なっていってあのラストではあまりにもやりきれない気がする。
よって、今ではハッピー版の方が個人的には気分である。
ジョニー・トー監督の『エグザイル/絆』を国内盤DVDで観た感想。
『放・逐』(06年)
監督:ジョニー・トー
脚本:セット・カムイェン、イップ・ティンシン
撮影:チェン・シウキョン
音楽:ガイ・ゼラファ、デイヴ・クロッツ
出演:アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ニック・チョン、ラム・シュー、ロイ・チョン、ジョシー・ホー、リッチー・レン、サイモン・ヤム、ラム・カートン
初見。
ジョニー・トー監督作品を観るのも初めてだし、いわゆる香港ノワールというジャンルの映画を観るのも初めて(恥ずかしながら、いまだに『インファナル・アフェア』も観ていない)。
言うまでもなく、ジョニー・トー監督はジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンで、オーランド・ブルーム主演で『仁義』をリメイクするという話もあったし(結局企画がボツになったらしい)、最新作『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』には『サムライ』の影響もあると聞く。
また、メルヴィルのドキュメンタリー映画『コードネームはメルヴィル』(08。オリヴィエ・ボレール監督)にも彼のインタビューが出ていた。
いわく、香港映画のヨーロッパ的要素はことごとくメルヴィルから来たものだ…という内容だったと記憶している。
全体的に、彼のコメント内容はどこか抽象的でよく理解できなかったのだが…。
よって、どこかでメルヴィル映画のテイストを期待しながらも、期待しすぎない程度の心持でDVDを観始めたのだが…正直、これにはやられた!
予備知識も全くないので、当然、キャストも誰が誰かも知らない状態で観たが、一人一人の俳優のルックス、物腰がカッコよすぎる。
ストーリー展開も面白く、ところどころ意外な展開があるが、良い意味でそうくるか!って感じ。
スタイリッシュな映像も魅力的で始終惹きつけられたし、余韻深いラスト、音楽のセンスもすこぶる良い。
総じて銃撃シーンが暗くて状況がよく分かりにくいが、男たちの友情、仁義が魅力的に描かれたとても良い作品だ。
メルヴィル云々ということではなく、予想していたよりもずっと面白かったので、今度は同じジョニー・トー監督の『ザ・ミッション/非情の掟』を観てみようと思う。
最新作『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』も是非スクリーンで観たい。
デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』を国内盤DVDで観た感想。
『MULHOLLAND DR.』(01年)
監督・脚本: デヴィッド・リンチ
撮影:ピーター・デミング
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
出演:ナオミ・ワッツ、ローラ・エレナ・ハリング、アン・ミラー、ジャスティン・セロー、ダン・ヘダヤ、マーク・ペルグリノ、ブライアン・ビーコック、ロバート・フォスター
再見。
とにかく大好きな作品なので、これまで何度観たか分からない。
前回観てから随分時間が経っているせいもあって、ちょっと前から観たくて観たくてたまらなかった。
初めて観た時など内容はチンプンカンプンで訳が分からなかったたが、もう何度も観てせいか、分かりにくさはほとんどない。
しかし、分かるということはこの作品ではあまり意味のないことかもしれない。
分からない時でもこの映画は面白くて仕方なかったからだ。
とにかく一つ一つのプロットが魅力的。
中でもカウボーイの登場シーン、クラブ・シレンシオのシーンが特に好きだ。
カウボーイの気味悪い顔はもちろんだが、“オッス”という日本語字幕にしびれる(笑)。
それに、この映画を思い出すと、突然、深夜にクラブ・シレンシオのシーンを観たくなったりする。
あの怪しい雰囲気はもうなんといったらいいか…。
映画の魅惑としか言いようがない。
ウィンキーズのシーンや女優のオーディションのシーンもたまらない。
他にも、監督の自宅のシーン、場末のホテルのシーン、エスプレッソのシーン…もはやリンチ病である。
もちろん、ナオミ・ワッツの演技も最高に素晴らしい。
特に後半は神がかっているとさえ言っていい。
作品全体に通奏低音のように響くアンジェロ・バダラメンティの音楽が映像の緊張感をさらに高める。
劇場で観たリンチの最新作『インランド・エンパイア』に『マルホ』ほど入り込めなかったのは音楽がバダラメンティでなくなったということが大きかったのではないかと個人的に思っている。
また少ししたら『インランド・エンパイア』も観直してみたいと思っているが、おそらく返り討ちにあうだろう…。
フィリップ・ド・ブロカ監督の『まぼろしの市街戦』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。
『LE ROI DU COEUR』(67年)
監督:フィリップ・ド・ブロカ
脚本:ダニエル・ブーランジェ、フィリップ・ド・ブロカ
撮影:ピエール・ロム
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:アラン・ベイツ、ピエール・ブラッスール、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ミシュリーヌ・プレール、フランソワーズ・クリストフ、アドルフォ・チェリ、ジャン=クロード・ブリアリ
初見。
この作品の国内盤DVDは最近再発されたが、私が観たのは以前紀伊国屋レーベルから発売されていたもの。
数年前、廃盤になる前に50%オフになっていたものを購入した。
画質的には特に問題はなかったので、改めて買いなおす必要は感じなかった。
映画ファンからカルト的な人気を集めている作品だが、事実、主演の英国人俳優アラン・ベイツは好演しているし、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルドの可憐さ、ミシュリーヌ・プレールのエレガントな身のこなし、ジャン=クロード・ブリアリのいかにも彼らしいキャラクターと立ち振る舞いなど見所は多い。
撮影はメルヴィルの『影の軍隊』(69)のピエール・ロム、音楽はジョルジュ・ドルリューとスタッフも魅力的である。
確かに私も面白く観たが、正直なところそれほど好きな作品というわけではない。
特にロニーの死は大ショックですね。
私は高校時代はレインボーのコピーバンド(ギター担当)をやっていたので…(遠い目)。
コージー・パウエルの事故死(98年)の時もそうでしたが、これでリッチー・ブラックモアとロニーでオリジナル・レインボー再結成なんて話は永久に不可能になりました。
私は古いHR/HMファンなので、リッチーやらロニーのインタビューが出た時くらいは雑誌『BURRN!』を立ち読みしてましたが、日本のファン向けなんでしょうかね、インタビューでは必ずレインボー再結成に関する質問が出てました。
すでにブラックモアズ・ナイトという理想郷を得ており、レインボー再結成する気などさらさらない様子のリッチーに対し、ロニーは『リッチーから電話があれば考えるよ…』と毎回のように答えており、本音では未練たっぷりという感じでした。
それに対し、『連絡待ってないで、ロニーから電話すればいいのに…』とツッコミを入れたくなっていたのは私だけではないはず(苦笑)。
ホント別れたけど未練たっぷりの男女のような関係だったと思います。
結果として再結成がなかったということは、やはりリッチーにその気がなかったからなのでしょうね。
それにしてもまだ67才…若すぎますよ。
いずれリッチーの追悼コメントも出ると思いますが、私も心から冥福を祈りたいと思います。
同志の皆さんはこの動画でも食らってください。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。