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あまりブルーレイで観るというイメージのない作品だけに、あえてブルーレイで観る必要があるか否かは分かりませんが、これまでなんとなくDVDを買い損ねていただけに買ってみたい気持ちも強くなっています。
内容は文句の付けようのない大傑作ですし、またあの緊張感に浸ってみたいという思いもあるので。(以前書いたこの映画の記事)
ところで、今年公開予定のリメイク版は3Dだそうで…
まだ買っていませんが、パラパラ見た感じでは、そうとう見応えのある写真集です。
ゲンズブールといえば、『ゲンズブールと女たち』という伝記映画(監督:ジョアン・スファール)が今春日本でも公開されるようです。
以前もこのブログで同じようなことを書いたように、私は『ビューティフル・ラヴ』という曲を世で最も美しい音楽の一つだと感じている。
中でもビル・エヴァンスほど『ビューティフル・ラヴ』を演奏するに相応しいアーティストはいないだろう。
おそらく、ビル・エヴァンスは『ビューティフル・ラヴ』を演奏することによって自身のイメージが余計に美化?されたし、『ビューティフル・ラヴ』はエヴァンスに演奏されることによって曲のイメージやステイタス?が上がったのだ。
ある意味、理想的な共犯関係がここに成立したというわけだ。
さて、一般的に知られているエヴァンスの『ビューティフル・ラヴ』といえばアルバム『エクスプロレイションズ』(61)に収録されたスタジオ録音である(二種のヴァージョンあり)。
スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)と組んだトリオによる、いわゆる“リバーサイド四部作”の中の一枚だから演奏も悪かろうはずがない。
私がエヴァンスの『ビューティフル・ラヴ』を初めて聴いたのももちろんこのアルバムの演奏であった。
しかし、今聴き返してみれば、どことなく物足りなさというか、生ぬるさを感じてしまうのも確かである。
というのも、今から15年くらい前にたまたま購入したCDで73年6月24日ブエノスアイレスでのエヴァンスのライヴ音源を聴いて、この曲にもっと凄い演奏が存在することを思い知ったからだ。
実際、この曲のエヴァンスのライヴ録音は意外なほど少ないが、ブエノスアイレスでのライヴを聴いてしまったら、もうスタジオ録音には戻れない…それくらい、これは最高の演奏なのである。
とにかくこのライヴにおけるエヴァンス、エディ・ゴメス(b)、マーティ・モレル(ds)のトリオの演奏は凄い。
時間にして12分を超える演奏だが、とりわけ曲の後半のマーティ・モレルとエヴァンスの掛け合いの凄まじさは圧巻。
二人の壮絶な掛け合いの後に現れるこの曲のテーマは、ある種崇高にすら響く。
オフィシャルではリリースされていない音源なので、ブートレグまがいのCDでしかこの演奏は聴けないが、録音状態は決して悪くないので、いつの日かオフィシャルでもリリースされる日が来るのではないかと期待しているのだが。
ちなみに、私が所有するCDでは『In Buenos Aires Vol.3』『My Foolish Heart』の二枚にこの音源は収録されている。
残念ながら、この音源はユーチューブにアップされていないので、代わりに65年のニールス・ペデルセン(b)、アラン・ドーソン(ds)とのベルリン・ライヴを紹介。
時間こそ短めだが、これも優れた演奏であることには変わりないし(共演者の技術ではおそらくこちらが上)、共演の二人の動く姿が見られるだけでも感激。
とりわけ、あのトニー・ウィリアムスの師匠であるアラン・ドーソンのあまりにも軽やかなスティックさばきには目が釘付けになってしまう。
ジャズで現在最も注目すべきCDは、昨年よりEMIから発売されているジャズ名盤ベスト&モア999シリーズだと確信する。
999円という価格の安さがなんといっても魅力だが、昨年9月に発売された第一弾50タイトルは、これまで何度も再発を繰り返してきた名盤ばかりのラインアップで新鮮味はあまりなかった。
例外はジャズ・クルセイダーズの60年代の2枚で、内容も期待に応える魅力的なものだった。
そんな中、第二弾50タイトルが昨年12月に発売されたが、今度は国内初CD化の割合がやたら高く、貴重盤、注目盤が目白押し。
どれを買うか大いに迷ったが、とりあえず4枚購入。
●ハンク・モブレー&リー・モーガン『マンデイ・ナイト・アット・バードランド』
●ジジ・グライス&ドナルド・バード『ジャズ・ラブ』
●ウォーン・マーシュ『ジャズ・オブ・トゥー・シティーズ』
●スライド・ハンプトン『ザ・ファビュラス・スライド・ハンプトン・カルテット』
以下、ざっと聴いた感想。
モブレー、モーガン、フラー他のバードランドにおける58年のライヴは間違いなく今回の目玉の一枚。
これまでフレッシュサウンド等で出ていた音源だが、まさか国内盤で発売されるとは思わなかった。
音の雰囲気はあの『バードランドの夜』(アート・ブレイキー)にそっくりで(同じ場所なのだから当たり前といえば当たり前だが)、演奏のレベルの高さや熱もそれに近い。
それにしても、この頃のリー・モーガンは最高である。
続編『アナザー・マンデイ・ナイト・アット・バードランド』も今シリーズで出ており、どちらもハードバップファン必携と思われる。
ジジ・グライス&ドナルド・バードのアルバムは、極めてオーソドックスな演奏内容で、ハードバップというよりもビ・バップ風のどこか古風な雰囲気をたたえた演奏だが(録音のせいもあるだろう)、この安定感、安心感?は何物にも代えがたい魅力がある。
ウォーン・マーシュは密かなフェイヴァリット・テナーの一人なので、こうして幻の名盤が再発されるのは実に嬉しい。
実際、このアルバムは、洗練されたクールな演奏、録音、そしてジャケットもすばらしい。
スライド・ハンプトン(トロンボーン)のアルバムはパリでの録音。
このアルバムはヨアヒム・キューンのピアノ、ニールス・ペデルセン(!)のベース、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムというメンバーの魅力で購入したが、聴いてみると異常なまでにハイテンションの演奏の連続で、これぞケンカセッション、と言いたいくらいの演奏内容だ。
ヨアヒム・キューンの唸り声というよりほとんど歌声入り?のピアノ、ペデルセンのいつもながらの凄まじいベースも聴き物である。
以上が今回購入した4枚の簡単な感想だが、他にもカーティス・フラー『スライディング・イージー』、サド・ジョーンズ『モーター・シティ・シーン』、カーメル・ジョーンズ『ザ・リマーカブル・カーメル・ジョーンズ』、レス・マッキャン『レス・マッキャン・イン・ニューヨーク』といったレア盤も是非聴いてみたい。
昨年80歳で亡くなったクロード・シャブロル監督の2006年の作品『引き裂かれた女』がこの4月に渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開されることはHPのトップページNEWS欄にてお知らせ済みですが、その公式サイトがオープンしていました。
(リンク)
主な出演者はリュディヴィーヌ・サニエ、ブノワ・マジメル、フランソワ・ベルレアンといった楽しみな顔ぶれ。
予告編を観ると、なかなか面白そうな作品で、特にリュディヴィーヌ・サニエのエロさがたまりません(笑)。
フランソワ・オゾン監督の『スイミング・プール』(03年)の頃とはたった3年の違いですが、ほっそりしたというか随分顔つきも変わったような気がします。
そして、シャブロル監督といえば、2月初旬には清流出版より、大久保清朗氏訳で『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』(仮題)が刊行予定とのことです。(こちらの記事が詳しい)
これも実に楽しみです。
CriterionのHPを久しぶりに見ていましたら『仁義』のブルーレイが4月に発売することを知りました。
やはり今月、同じCriterionから『影の軍隊』のブルーレイが出たばかりですので、引き続きのメルヴィル作品のブルーレイ化、ということになります。
既報の通り『仁義』のブルーレイは昨年Studio Canalからも発売されましたが、こちらはヨーロッパ盤のため日本とはリージョンが異なるため、通常のブルーレイプレーヤーでは再生は不可能でした。
その意味では今度のCriterionのブルーレイはリージョンが日本のそれと同一なので存在価値は十分ありますし、なにより特典映像が見応えがありますので、是非ともそれをブルーレイで観てみたいという思いもあります。
他にCriterionから出ているメルヴィル作品は『恐るべき子供たち』『賭博師ボブ』『いぬ』『ギャング』『サムライ』がありますので、是非とも次回は『サムライ』あたりのブルーレイ化を期待したいところです。
Elvin Jones『Puttin' It Together』(Blue Note)
①レザ②スウィート・リトル・マイーア③ケイコズ・バースディ・マーチ④ヴィレッジ・グリーン⑤ジェイ・リー⑥フォー・ヘヴンズ・セイク⑦ジンジャーブレッド・ボーイ
エルヴィン・ジョーンズ(ds)、ジョー・ファレル(ts, ss, fl)、ジミー・ギャリソン(b)
1968年4月8日録音
エルヴィン・ジョーンズのブルーノートにおける初リーダー作だという。
エルヴィンにジミー・ギャリソンといえば、当然のことながら伝説的なコルトレーン・カルテットが思い起こされるが、このでの編成はピアノレス、ワンホーンのトリオである。
しかしながら、コルトレーン、マッコイ・タイナーの不在を全く感じさせない音空間のスケールの大きさ、密度の濃さに圧倒される。
ところでこのアルバム、私の中ではずっとライヴ盤という印象が残っていた。
3人のプレイがあまりに奔放であったのと、全体的な音像がソニー・ロリンズの『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』(57)に似ている印象があったからである。
思えば、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』のドラムもエルヴィンだった。
今回久々に聴き直してみて、1曲目がフェイドアウトで終わることに不審を抱いて調べてみたら、ライヴではなくスタジオ録音だったことを今さらながら知った。
それにしてもスタジオ録音とは思えない演奏の“熱”に圧倒される。
エルヴィンのドラムはところどころで聴かれるソロはもちろんだが、バッキングでの異様なまでテンションの高さも凄い。
ジミー・ギャリソンのゴリゴリ響くベースの音圧には聴いているこちらが息苦しくなるほどだ。
このアルバムを聴いて、この二人を擁したコルトレーン・カルテットのスケールの大きさ、凄さを改めて痛感する。
そして、このアルバムを成功に導いた大きな要因の一つが、二人に位負けしなかったジョー・ファレルの見事なプレイ。
ソプラノ・サックスやフルート、ピッコロも演奏しているが、コルトレーンばりに鳴り響くテナーサックスのパワフルなソロがとりわけすばらしい。
とにかく何回でも聴き直したくなる魅力的なアルバムだ。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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