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ニコラス・レイ監督の『女の秘密』を国内盤DVD(ブロードウェイ)で観た感想。
『A WOMAN'S SECRET』(49年)
監督:ニコラス・レイ
脚本:ハーマン・J・マンキーウィッツ
撮影:ジョージ・E・ディスカント
音楽:フレデリック・ホランダー
出演:モーリン・オハラ、メルヴィン・ダグラス、グロリア・グレアム、ビル・ウィリアムズ、ヴィクター・ジョリイ、ジェイ・C・フリッペン
初見。
準主役でグロリア・グレアムが出ているので大いに期待して見たが、これもフィルム・ノワールというよりはありがちなサスペンス映画というべきか。
ストーリー的に分かりにくいところもあってか、あまり集中して見れなかった。
一応主演はモーリン・オハラということになるのだろうが、あまり感情移入できない。
むしろ、存在感では素晴らしいダンディーっぷりを見せるメルヴィン・ダグラスの主演作というべきかもしれない。
ニコラス・レイ監督の『危険な場所で』を国内盤DVD(ブロードウェイ)で観た感想。
『On Dangerous Ground』(51年)
監督:ニコラス・レイ
脚本:A・I・ベゼリデス、ニコラス・レイ
撮影:ジョージ・E・ディスカント
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ロバート・ライアン、アイダ・ルピノ、ウォード・ボンド、エド・ベグリー、クレオ・ムーア、チャールズ・ケンパー
初見。
同じニコラス・レイ監督のフィルム・ノワール『孤独な場所で』(50年、ハンフリー・ボガート主演)と邦題が紛らわしい。(私だけ?)
これも50年代フィルム・ノワールの傑作として名高い作品であるが、正直、ストーリー的には今ひとつの印象。
ニューヨークが舞台となる前半はかなり良かったのだが、後半のロバート・ライアンの役柄の変化にどうもついてゆけない。
あと、以前『ハイ・シエラ』を観た時も感じたが、どうやら私はアイダ・ルピノが苦手のようだ。
こればかりは好き嫌いの問題なので仕方がない。
バーナード・ハーマンの音楽はさすがに印象的だが、少々大仰で、たまに映像から乖離するように感じられる。
ニコラス・レイ監督の『生まれながらの悪女』を国内盤DVD(ブロードウェイ)で観た感想。
『BORN TO BE BAD』(50年)
監督:ニコラス・レイ
脚本:ジョージ・オッペンハイマー、ロバート・W・ソダーバーグ、エディス・R・ソマー
撮影:ニック・ムスラカ
音楽:フレデリック・ホランダー
出演:ジョーン・フォンテイン、ロバート・ライアン、ジョーン・レスリー、メル・ファーラー、ザカリー・スコット
初見。
基本的にはメロドラマで、RKOらしいフィルム・ノワールの範疇に収まる作品ではないが、脚本が良く、キャストがそれぞれ持ち味を発揮した、なかなか面白い映画だ。
“悪女”役を、見た目全然悪女っぽくないジョーン・フォンテイン(『レベッカ』『断崖』)が演じているのがこの映画のポイントなわけだが、ありがちな“悪女風”の女性よりも、こんな清楚なタイプの女性の方がよっぽど危険なのは世の男性陣ならよくご存知だろう。
相対するジョーン・レスリーも美しく魅力的。
男優では、デビュー間もないメル・ファーラーが画家役でなかなか良い味を出しているが、作家役のロバート・ライアンだけはどことなく収まりが悪い感もなくはない。
降旗康男監督の『夜叉』をDVDで観た感想。
『夜叉』(85年)
監督:降旗康男
脚本:中村努
撮影:木村大作
音楽:佐藤允彦、トゥーツ・シールマンス
出演:高倉健、田中裕子、いしだあゆみ、ビートたけし、田中邦衛、乙羽信子
初見。
これまで取り上げる余裕がなかったが、ここ数ヶ月の間に高倉健主演の映画をDVDでいろいろ観た。
『八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』『野生の証明』『駅 STATION』『居酒屋兆治』『夜叉』『ブラック・レイン』『鉄道員(ぽっぽや)』
有名作ばかりだし、昔観た映画がほとんどだが、とにかくそういう映画が観たい気分だった。
この中では『居酒屋兆治』『幸福の黄色いハンカチ』『駅 STATION』を特に面白く観たが、『夜叉』は、それらの作品に輪をかけて良かった。
とにかく田中裕子が良いのにビックリした。
どちらかというと苦手な顔だと思っていたが、この映画では演技はもちろん、容姿も非常に魅力的だった。
何より色気があるのがいい。
それに、いしだあゆみも良かった。
他のキャストも全て好演で、ちょっと気になったのはラストの甘さぐらい。
ロケ地となった福井県の漁港も素晴らしい。
73年の映画ですが、シリアスなフレンチ・ノワールとのことで、出演はジャン=ルイ・トランティニャン、マルレーヌ・ジョベール、フィリップ・ノワレという豪華キャスト、撮影はエチエンヌ・ベッケル、音楽はエンニオ・モリコーネ。
ずっと観たかった作品だけに、今回の国内DVD化は嬉しいです。
発売メーカーはIVCですが、近年のIVCの仕事ぶりは本当に凄いです。
これまでは画質の問題やらなんやらで評価は高くなかったのですが、このところ完全に評価逆転ですね。
以前このブログでもお知らせしたジャック・ベッケルのブルーレイ(『現金に手を出すな』『穴』)の発売もここです。
是非ともこの勢いで、未DVD化の映画、特に往年のフランス映画のものをどんどんDVD化、ブルーレイ化して欲しいと思います。
ジェラール・ピレス監督の『ヘルバスター 避暑地の異常な夜』を国内盤DVDで観た感想。
『L' AGRESSION』(75年)
監督:ジェラール・ピレス
脚本:ジョン・ブエル、ジャン=パトリック・マンシェット、ジェラール・ピレス
撮影:シルヴァーノ・イッポリティ
音楽:ロベルト・シャルルボア
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、カトリーヌ・ドヌーヴ、クロード・ブラッスール、レオノーラ・ファニ、ダニエル・オートゥイユ
初見。
ジャン=ルイ・トランティニャンとカトリーヌ・ドヌーヴの珍しい共演作。
名優二人によるクライム・サスペンスということで期待は高かったのだが、映画はお世辞にも傑作とはいいがたい。
なんとなく全体的に70年代っぽい独特の弛緩した雰囲気が流れていて、それ自体嫌ではないが、ところどころ飛躍のある脚本にどうも問題があるようだ。
簡単に言えば家族を殺された男の復讐劇で、面白い映画だとも言えなくもないのだが、いろいろな意味でかなり“ヘン”な映画で、よくもまあ大物二人が出る気になったものだと驚いてしまう。
もちろん、トランティニャンもまだ老けていないし、この時期のドヌーヴはある意味60年代よりも美しく魅力的である。(ヌードシーンもあり)
しかし、クロード・ブラッスールの演技と存在感にさすがの二人も喰われてしまっていると言えなくもない映画だ。(そういえば、ダニエル・オートゥイユはどこに出ていたのだろう?)
DVDの画質は良好。
ルイス・ブニュエル監督の『皆殺しの天使』を国内盤DVDで観た感想。
『EL ANGEL EXTERMINADOR』(62年)
監督:ルイス・ブニュエル
原案:ルイス・ブニュエル、ルイス・アルコリサ
脚本:ルイス・ブニュエル
撮影:ガブリエル・フィゲロア
音楽:ラウル・ラヴィスタ
出演:シルヴィア・ピナル、エンリケ・ランバル、ルシー・カジャルド、エンリケ・G・アルバレス
初見。
ある邸に集まった数十名の上流階級の人々が外に出られなくなるというお話。
出られなくなる理由は登場人物たちにも、映画を観ている側にもわからない。
後にフランスで撮られた傑作『ブルジョワジーの密かな愉しみ』(72)と似ていないこともない、いかにもブニュエルらしい映画だといえよう。
この映画を観たプロデューサーは、『なにがなんだかわからなかった。しかし、すばらしい』というような感想を述べたという。
実際、私の感想もそれに近い。
確かにわけが分からないし、登場人物が見分けにくいという欠点?もあるのだが(テレビで観たせいもあろう)、観ていて決して退屈はしない。
わからないながらも、微妙な面白さが持続する映画である。
ただ、正直言って、この映画は一度観ただけでは半分くらいしか楽しめないような気もする。
何度も観る度に新しい発見がある、そんな映画なのではないか。
そういう意味では大変味わい深い映画なのではないかと思う。
まぁ、すぐにもう一度観たいという気にもならないのだが…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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