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以前も一度お知らせした紀伊国屋書店レーベルのDVDの40%オフ情報の続報です。
然る6月に、エリック・ロメールやルイ・マル、サミュエル・フラー他のDVDボックスの40%オフ情報をお伝えしましたが、今回はボックスと同内容のDVDが、それぞれバラ売りでも40%オフで発売されています。
ちなみに、この私の情報は東京・新宿の紀伊国屋書店DVDアイランドの情報です。
前回も書きましたが、他の都市の紀伊国屋書店のDVDショップでも同様のセールが行われている可能性はあると思われます。
今回、私がこの目で確認できた40%オフになっているDVD商品は以下の通り
マノエル・ド・オリヴェイラ監督作品
『ノン、あるいは支配の虚しい栄光』『神曲』『家宝』
エリック・ロメール監督作品
『クレールの膝』『満月の夜』『緑の光線』『友だちの恋人』『飛行士の妻』『美しき結婚』『海辺のポーリーヌ』『レネットとミラベル 4つの冒険』『木と市長と文化会館』『パリのランデブー』『O候爵夫人』『愛杯伝説』『モード家の一夜』『愛の昼下がり』『獅子座』『モンソ-パン屋の女の子/シュザンヌの生き方』『コレクションする女』
ルイ・マル監督作品
『恋人たち』『鬼火』『ダメージ』『地下鉄のザジ』『好奇心』『ブラック・ムーン』『死刑台のエレベーター』『ルシアンの青春』『アトランティック・シティ』
フィルム・ノワール傑作選
『キッスで殺せ』『ビッグ・コンボ』『歩道の終わる場所』
ロバート・アルトマン監督作品
『イメージズ』『ボウイ&キーチ』『ストリーマーズ』『ニューヨーカーの青い鳥』
ジャン=リュック・ゴダール監督作品
『新ドイツ零年』
他にもいろいろありましたが、個人的に関心のないものはチェックしていません…。
とりあえず、これらのDVDがばら売りでセールになっており、前回のボックス・セールでは(実は現在も続いていますが)セールになっていなかったゴダールの『新ドイツ零年』も今回は加わっています。
言うまでもなく、紀伊国屋書店から出ているDVDは、品質が良い分、概して価格も高めですので、このようなセールは助かります。
また、紀伊国屋書店のセールは、おそらくは在庫一掃という意味合いと同時に、もうこれで廃盤という可能性もあるので注意が必要です。
なぜなら、私は以前50%オフで『狩人の夜』や『まぼろしの市街戦』を購入できたのですが、それらのDVDはその後間もなく廃盤となってしまいました。
同様に『ママと娼婦』を始めとするジャン・ユスターシュのいくつかのDVD、ゴダールの『ウィークエンド』や『フォーエバー・モーツァルト』なども同様の展開の後、廃盤となっています。
これらのDVDが、中古市場で価格が高騰していることは詳しい方ならご存知でしょう。
今回セールになっているDVDが必ず同様の憂き目にあうとは言い切れませんが、過去の実績からいって、全くないとは言えないと思います。
とりあえず、今回、私はルイ・マルの『死刑台のエレベーター』と『鬼火』を速攻ゲットしました。
これらは以前から欲しかったものなので、安く入手できて良かったです。
以前観て印象の強かった『恋人たち』もかなり迷っています。
有楽町朝日ホールで行われていた映画祭『フランス映画の秘宝』が終了しました。
計13本の上映作品のうち、私は結局『海の沈黙』『肉屋』『曳き船』『罪の天使たち』の4本を観ました。
仕事の時間の合間を縫っての鑑賞でしたので、経済的な理由も含め、もとより全作品を観るのは無理な話でしたが、残念だったのはジャック・ベッケル監督の『最後の切り札』を見逃してしまったことです。
これはホントに残念。
今回の映画祭は、メルヴィルファンとしては『海の沈黙』が日本初公開されるというだけで充分意味のあるものでしたが、言うまでもなく、それ以外にも珍しい作品がいくつも上映されました。
なにしろ、4本しか観ていないので偉そうなことは言えないのですが、私が観た中では、ブレッソンの『罪の天使たち』などは珍しいということ以上に素晴らしい作品だったと思います。
作品のセレクトや映画祭の意図に一部で不満の声もあるようですが、それはおそらくどんな形になってもあったでしょう。
個人的には、60年代ぐらいまでの作品に絞った方が良かったような気もしますが、映画祭に合わせてのジャック・ドワイヨン監督来日とのことで、彼の作品も入れる必要性から、80年代以降の作品を入れてきたのもしれません。
そのあたりの作品は観ていないので、なんとも言えませんけどね。
あと、当日券が1800円というのはもうちょっと何とかならないかなぁ…。
それに、“秘宝”というべき日本未公開のフランス映画の作品は他にも枚挙に暇がないはずですので、フランス映画ファンとしては、いつの日か、また同じような企画があればと思います。
あと、『罪の天使たち』(ロベール・ブレッソン監督)、『あなたの目になりたい』(サッシャ・ギトリ監督)、『三重スパイ』(エリック・ロメール監督)、『最後の切り札』(ジャック・ベッケル監督)の4本はこの映画祭の後、全国で巡演されるようです。
http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d00000bo9ko.html
さし当たっては今月の20、21日に仙台(せんだいメディアテーク)で上映されるようですが、入場料が安いのが羨ましい。(一般1,000円 大学生以下800円)
http://www.smt.city.sendai.jp/fr2008/
他にも詳しい日時等分かりましたら、またこのブログでお知らせできればと思います。
映画祭『フランス映画の秘宝』で観たロベール・ブレッソン監督の長編第1作『罪の天使たち』についてメモを残します。
『罪の天使たち』(1943年)
監督:ロベール・ブレッソン
出演:ルネ・フォール、ジャニー・オルト、シルヴィー
前回観た『曳き船』とは客層が全然違う。
今回は若い観客が多かったです。
あと、意外と空席が目に付いたのは、ブレッソン作品は人気が高いと思っていたので、ちょっと意外。
映画は素晴らしい。
私の想像では、多くの客はこの映画が“あの”ロベール・ブレッソンの作品だからこそ、足を運んだに違いないはず。
つまり、後年のブレッソン作品に何らかの魅力を感じているからこそ、この作品を観に来た客が多かったと思われるわけですが、この作品は、良い意味でブレッソンっぽくない。
修道院が舞台の作品にもかかわらず、ここには後年のブレッソン作品のような難解さや厳格さはほとんど感じられず、ストーリーは極めて明快、テキパキと進む展開の早さに驚かされます。
観ていて眠気を誘うようなところは全くなく、後年とは異なり、職業俳優を使ったキャストも魅力的。
ことに主人公のアンヌ=マリーを演じたルネ・フォールが美しく、修道院長役のシルヴィーも味のある存在感で良かった。
もちろん、ブレッソン作品らしい緊張感、画面構成の確かさ、無駄の無さも感じられましたが、それらも含め、個人的には、この作品、大いに気に入りました。
シネマテーク・フランセーズによって修復された映像もキレイで、とにかく、これは期待を遥かに上回る映画でしたね。
先日、映画祭『フランス映画の秘宝』で観たジャン・グレミヨン監督の『曳き船』についてメモを残します。
『曳き船』(1941年)
監督:ジャン・グレミヨン
出演:ジャン・ギャバン、ミシェル・モルガン、マドレーヌ・ルノー
ジャン・グレミヨン監督の作品を観るのは初めてだと思います。
ロジェ・ヴェルセルという人の原作を元にした映画ですが、脚色のメンツが凄い。
ヴェルセル本人の他、シャルル・スパーク、アンドレ・カイヤット、そして、あのジャック・プレヴェールです。
ちなみに、台詞はジャック・プレヴェールとジャン・グレミヨン。
撮影のアルマン・ティラールという人はよく知りませんが(『素直な悪女』も撮っている人のようです)、美術はあのアレクサンドル・トローネルです。
ところで、ジャン・ギャバンとミシェル・モルガンの共演作といえば、あのマルセル・カルネ監督の名作『霧の波止場』が思い起こされます。
あの作品は大好きなので、当然今度の『曳き船』にも期待が高まりました。
会場に入って気づいたのですが、客席の年齢層が高い!
高齢者(失礼!)の方々のジャン・ギャバンへの人気ゆえでしょうか。
ジャン・ギャバンは、海難救助のための曳航船の船長役を演じていますが、いかにも男らしい彼にピッタリの役で、ファンにとっては、それだけでも満足度が高いわけですが、ストーリーもいかにもこの時代のフランス映画という感じです。
映画中盤ぐらいまでのギャバン夫婦のやり取りがなかなか面白いです。
昔も今も変わらぬ男と女の心理、関係性が絶妙に表現されていたように思います。
その一方で、ジャン・ギャバンとミシェル・モルガン二人が惹かれ合ってゆく過程がもう一つ説得力が薄いような気もします。
ミシェル・モルガンの夫であるミルヴァ号の悪徳船長の存在感をもう少し膨らませれば、映画はさらに盛り上がったような気がしないでもありません。
この作品でのミシェル・モルガンの魅力はまずまずといったところ。
ラストのギャバンの表情は見ものでした。
あと、この映画祭で以前観た『海の沈黙』同様、英語字幕が画面下部に入りますが、概して画面は暗めで、この作品に関してはプリントの状態はあまり良いとは思えませんでした。(映画後半で急に色調が薄くなるところもありました)
次回はこの映画祭で観たロベール・ブレッソン監督の長編処女作『罪の天使たち』について書きたいと思います。
前々回に続いて映画祭『フランス映画の秘宝』のお話。
今回の映画祭は、すごく観たいのに、仕事の時間との兼ね合いで、どうしても観られない作品もいくつかある。(『パリ横断』など)
もちろん、経済的な問題もあるんだけど、鑑賞可能な作品はできるだけ行きたいとは思っている。
そうこう言っているうちにあと数日しか残ってないけど。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『海の沈黙』に続いて観たのは、クロード・シャブロル監督の『肉屋』(69)。
この映画、当時のシャブロル夫人だったステファーヌ・オードランがエレーヌという校長先生役で主演している。
彼女は、ヌーヴェル・ヴァーグの時代から、いろんな映画に出ている女優さんだけど、以前からなかなか魅力的な女優だと感じていた。
シャブロルと結婚する前は、あのジャン=ルイ・トランティニャンとも結婚していたというのも凄いが、今回も、シャブロル作品だからというよりも、彼女が主演だから観に行ったという方が正しいかも。
シャブロル監督、オードラン主演の<エレーヌもの>は5作あるらしいが、今作で初めて観た。
正直なところ、彼女の校長先生役はかなり違和感あったけど、女性として魅力的だからまあいいや。
調べてみると、彼女は32年生まれだから、この映画の当時は36~37歳。
映画を観た印象では、年齢より若く見えます。
6日土曜日の6時半上映という好条件のためか、会場は9割以上の入り。
映画はフランスの田舎が舞台で、冒頭の結婚式の場面など、どこかイタリア映画のような陽気な雰囲気があって、それはそれで魅力的。
その結婚式で知り合った校長先生(オードラン)と肉屋の男(ジャン・ヤンヌ)の微妙な恋愛模様、そして、連続して起こる殺人事件のサスペンス性などが、ストーリー的には映画の眼目となっているようでした。
ところで、いろいろネットで調べてみると、この作品って評判は結構良いんですよね。
でも、正直なところ、シャブロル作品独特とも言える、微妙に変な感じの空気感があり、それがこの作品を好むか否かの境目になるんではないでしょうか。
私が観た印象では、やはりシャブロル監督作品の『二重の鍵』『気のいい女たち』『青髭』などに共通するような、同じようなトーンが感じられたのですが、個人的には、それらの作品ももう一つ好みでなく(文句なく好きな作品は『いとこ同志』ですが)、正直言って、この『肉屋』も私の好みと合致する作品とは言えませんでした。
犯人探しの興味もあまり感じられず、映画後半の展開も、サスペンスとしてももう一つ盛り上がりに欠ける気がしました。
肉屋役のジャン・ヤンヌ、そして、少々クール過ぎるオードランのキャラクターにも、もう一つ付いて行けなかった感があり。
ジャン・ラビエによる、独特の色彩豊かな映像は魅力的でしたが…。
今回は映画祭『フランス映画の秘宝』で観たクロード・シャブロル監督の『肉屋』の感想でも書くつもりでしたが、まだ書く内容がまとまっていませんので、また次回…。
さて、HPのトップページでもお知らせしていますが、『いぬ』の新しい国内盤DVDが12月4日、ユニバーサルより発売されることになりました。
ユニバーサルのページへのリンク
『いぬ』の国内盤DVDといえば、ご存知の通り、IVCから発売済みです。
今回ユニバーサルから発売されるDVDは、リンク先の表記を見ますと、時間が104分で、ルイ・ノゲイラ著『サムライ』に掲載されている時間(108分)より短くなっていますので、PAL盤の可能性が高いものと思われます。
リンク先のパッケージのタイトルは『THE FINGER MAN』になっているので、イギリス盤の可能性もあるかもしれません。
しかし、PAL盤であるならば、既存盤に比べ、画質は問題にならないくらい良いという可能性も高いのではないでしょうか。
私はBFI盤を所有していますが、実際のところ、画質はIVC盤とは比較にならないほど良好です。
ちなみに、リンク先を見る限り、今回のユニバーサル盤は、きちんと、16:9LB(ビスタサイズ)と表示されています。
心配なのは、ユニバーサルの“お家芸”とも言える“トンデモ字幕”である可能性も高いことです。
ストーリーがストーリーですから、発売済みの『影の軍隊』のようにパッケージの内容紹介に誤りがある可能性もあります…。
ところで、メルヴィル作品ではありませんが、ユニバーサルからはアラン・ドロンの出演作『パリの灯は遠く』(ジョセフ・ロージー監督)、『さらば友よ』(ジャン・エルマン監督)のDVDも同日発売されます。
どちらも作品も、国内盤DVDが長らく廃盤で、中古盤が高額取引されていますので、ファンには嬉しいところでしょう。
それにしても、ユニバーサルはドロン出演作、ベルモンド出演作に明らかに力を入れていますね!
こうなったら、『サムライ』や、『モラン神父』あたりが今後ここから発売されてもおかしくないかもしれません。
日仏交流150周年を記念した映画祭『フランス映画の秘宝』が9月5日(金)から東京・有楽町朝日ホールで始まりました。
6日、私はジャン=ピエール・メルヴィル監督の『海の沈黙』(47)、クロード・シャブロル監督の『肉屋』(69)の二本を観てきました。
今日は主に『海の沈黙』について書こうと思います。
有楽町朝日ホールで映画を観るのは久々です。
前回は2004年のヴィスコンティ映画祭でした。
その時は『山猫』『若者のすべて』『異邦人』、あとタイトルは忘れましたが、短編を観たと思います。
700人以上入る、映画館としては、かなり大きなホールです。
今回観た二本は、どちらも当日券で観ましたが、朝10時半開始の『海の沈黙』も8割以上の入り、夜6時半開始の『肉屋』は9割以上の入りだったように感じました。
『海の沈黙』は、時間が時間なので、ガラガラも想像していましたが、この時間帯としては大健闘だったと言えるのではないでしょうか。
私の席は後方の真中ほど。
観やすかったですが、スクリーンは必ずしも大きくなく、音声も大きいとは言えないので、できることなら前方で観た方が良いかもしれません。
それにしても、日本初公開の『海の沈黙』に実際接することができ、感無量でした。
気になるプリントの状態は、悪くはなかったと思います。
全篇に渡って、英語字幕が画面下部に映り込んでしまっているのは残念ですが、向かって画面右縦に出る日本語字幕に集中すればそれほど気にならないでしょう。
私が感じた範囲内での欠陥としては、イーブルナックが、フランス文学について語る場面で、ほんの一部ですが、コマ飛びがあったようです。
また、一部で音声のトーンが変化するような場面があり、少々気にはなりました。
そして、この作品をスクリーンで観て、重苦しい緊張感の持続が全篇を蔽う様が実に見事な、大変な傑作だと改めて確信しました。
映画の後方で通奏低音のように始終鳴り響いているエドガー・ビショフの音楽も美しく効果的で、映像との絡み合いが素晴らしく、まるでオペラ映画であるかのような印象すら持ちました。
もちろん、照明が素晴らしいアンリ・ドカによる撮影の見事さも、言うまでもありません。
会場の観客は、おそらくは初めてこの作品を観た人が9割以上だったと思われますが、この作品に強く打たれたのではないでしょうか。
この作品は、12日(金)19:10にもう一度上映されます。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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