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ジョゼ・ジョヴァンニ監督の『ル・ジタン』の国内盤DVDがジェネオン エンタテインメントから6月24日ついに再発されます。
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ジョゼ・ジョヴァンニの作品中でも特に好きな作品ですので、これは楽しみです。
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エリック・ロメール監督の『獅子座』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。

b5d5e5c4.jpegLE SIGNE DU LION』(59年、公開は62年)
監督・脚本・台詞:エリック・ロメール
製作:クロード・シャブロル
撮影:ニコラ・エイエ
音楽:ルイ・サゲール
出演:ジェス・ハーン、ヴァン・ドード、ミシェル・ジラルドン、ステファーヌ・オードラン、ポール・クローシェ、マーシャ・メリル、ジャン=リュック・ゴダール

再見。
これもまたヌーヴェル・ヴァーグを代表する作品の一つで、今回が3回目ぐらいの鑑賞になりますが、前々から再見したいと思っていました。
この作品は一度観ても、しばらくすると、つい観直したくなる不思議な魅力があります。
以前も紹介しましたが、ジャン=ピエール・メルヴィルも、この作品をカイエ・デュ・シネマ誌の62年の映画ベスト10に選出しています。

エリック・ロメールの作品はこのところしばらく観ていませんでしたので、このブログでも紹介していませんが、紀伊国屋書店から出ているDVD・BOXも5つ持っているくらい好きです。
とりわけ、初期のモノクロ作品(『獅子座』『モンソーのパン屋の女の子』『シュザンヌの生き方』『モード家の一夜』)に個人的に愛着があります。

ここで紹介する『獅子座』の主人公ピエール(ジェス・ハーン)は、風采の上がらない中年の売れない作曲家。
ルックス、性格も含め、役柄として、こんなに主人公に魅力のない映画も珍しいと思うのですが、それでもこの映画が驚くほどの魅力を放っている理由の一つは、バカンス期のパリの街の表情が実に魅力的に記録されている映画だからでしょう。
映画の中盤あたりからは、主人公のピエールがセーヌ川沿いを一人で延々と歩くシーンが続きますが、朝、昼、夜と、パリの街の表情の変化が映像に見事に記録されており、この光景を観るだけでも充分に魅力的な作品です。
ピエールのうなだれた表情と正反対の屈託のないパリジャンたちの表情もまた一興。

また、ルイ・サゲールによる、現代音楽風の無伴奏ヴァイオリンの響きが、この作品に独特の雰囲気をもたらしています。
その個性的な響きは映画音楽としては特異といってよいもので、数あるヌーヴェル・ヴァーグ作品の中でも、そのユニークさは突出しているのではないでしょうか。

撮影監督は、ニコラ・エイエ(メルヴィルの『いぬ』『マンハッタンの二人の男』も担当)で、キャメラマンはピエール・ロムです(メルヴィルの『影の軍隊』の撮影監督)。

キャストでは、あのポール・クローシェ(『影の軍隊』『仁義』『リスボン特急』)がピエールの友人役で出ていますが、この人がヌーヴェル・ヴァーグ作品に出演しているのは珍しい。

また、ジャン=リュック・ゴダールがピエールのホテルでのパーティーでベートーヴェンの弦楽四重奏曲のレコードを同じ箇所だけ何回も繰り返し聴く客として出演。
その寡黙な佇まいも、なんともゴダールらしく、俳優としての妙なオーラも感じさせます。
この映画の製作もクロード・シャブロルですし、このあたりにヌーヴェル・ヴァーグの強烈な仲間意識を感じさせられます。
また、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズの一人であるステファーヌ・オードランが、ホテルの管理人役として出演しています。

クロード・ソーテ監督の『ギャルソン!』を国内盤DVDで観た感想です。

46a484e2.jpegGARCON!』(83年)
監督:クロード・ソーテ
脚本:ジャン=ルー・ダバディ、クロード・ソーテ
撮影:ジャン・ボフェティ
音楽:フィリップ・サルド
出演:イヴ・モンタン、ニコール・ガルシア、ジャック・ヴィルレ、ベルナール・フレッソン、マリー・デュボワ

初見。
クロード・ソーテ監督作品らしいあまり山谷のないストーリー展開は、人によっては退屈に感じられる方もいるかもしれませんが、個人的にはその淡々とした流れが心地良かったです。

初老のイヴ・モンタンがほぼ出ずっぱりの、正にイヴ・モンタンのための映画と言ってよく、そのギャルソンぶりが素晴らしく魅力的。
クロード・ソーテ監督との相性も抜群で、モンタンの俳優としての魅力が最高に発揮された作品と言ってよいでしょう。(ファッションも良かったです)

奇人たちの晩餐会』(フランシス・ヴェベール監督、98年)が鮮烈な印象に残っているジャック・ヴィルレが、ここでは友人ジルベール役を好演しています。
その独特の風貌と相まって、その佇まいにはどこか哀感が漂います。
そのジャック・ヴィルレと対立する、ガミガミ喧しい料理長役を演じたベルナール・フレッソン、どこかで観たなと思いましたら、コスタ・ガヴラス監督の『Z』でもモンタンと共演していました。

相手役のニコール・ガルシアも、特別美人でないものの、どこか大人の魅力を感じさせる女優。
他に、マリー・デュボワの出演も嬉しいかったです。
フィリップ・サルドの軽やかな音楽が作品を華麗に彩って最高に魅力的。

ジャック・ベッケル監督の『現金(げんなま)に手を出すな』を国内盤DVD(東北新社)で観た感想です。

image95.jpgTOUCHEZ PAS AU GRISBI』(54年)
監督:ジャック・ベッケル
原作:アルベール・シモナン
脚本:ジャック・ベッケル、モーリス・グリフ、アルベール・シモナン
撮影:ピエール・モンタゼル
音楽:ジャン・ウィエネル
出演:ジャン・ギャバン、ルネ・ダリー、ジャンヌ・モロー、リノ・ヴァンチュラ、ポール・フランクール、ミシェル・ジュールダン、ドラ・ドル、デリア・スカラ

言うまでもなくフレンチ・フィルム・ノワール屈指の名作ですが、まだこのブログに記事を書いてなかったこともあって再見。
久々にこの名作を堪能しました。
なんとも味わい深い、素晴らしい作品です。

ご存知の通り、ストーリー的にはそれほど大きな起伏のある作品ではありませんが、これほど男同士の友情関係の深さを如実に描いた映画も珍しいのではないでしょうか。
“男の友情”と一言で言っても、ここで描かれているマックス(ジャン・ギャバン)とリトン(ルネ・ダリー)の関係は、昨日今日の関係ではない、腐れ縁的な長年の友人関係です。
よって、今さらお互いに喜怒哀楽を声高に叫ぶような関係ではありませんが、それだけに二人の深い友情関係がジワリと滲み出るような作品となっています。

例としては、マックスのアパルトマンにリトンが寝泊りするシーンでの、歯ブラシを貸したりベッドを譲り合ったりといった一見何気ない描写の中に、二人の関係の深さがさり気なくも表現されているように思います。(長い付き合いの友人のいる人なら分かるはず!)
もちろん、素晴らしいラストシーンは言うまでもありません。
あらゆる映画の中でも最も素晴らしいラストシーンの一つでしょう。

image94.jpgこの映画は、ナイトクラブ、カフェなど、夜のパリの風情が描かれているのも作品の大きな魅力の一つです。
しかし、個人的に、好きなシーンをいくつか挙げるとするならば、女に情報を漏らしてしまったルネ・ダリーをギャバンが諫めながら飲み食いするシーン。(右画像)
あの会話のなんとも言えない間の良さ。
そして、ルネ・ダリーの拉致が発覚した後、ギャバンがジャンヌ・モローら3人にビンタを連発するシーン
あのギャバンのコワさ、迫力。
そして、ダニエル・コーシー(メルヴィルの『賭博師ボブ』『この手紙を読むときは』に出演)をギャバン、フランクールらが地下室で拷問するシーンでの陰影深い映像の魅力等々…です。

それと、ビンタといえば、この映画はところどころにバイオレンスシーンがありますが、決してこれ見よがしのバイオレンスシーンだったり、血生臭かったりするわけではなく、物語として必然性のある、いかにも説得力があるバイオレンスシーンとなっている点も是非指摘しておきたいところです。

キャストでは、ジャン・ギャバンの良さは今さら言うまでもありませんが、他にも、ポール・フランクールが実にいいです。
この俳優の眼鏡姿は珍しいと思いますが、今回見直してみて、演技、存在感ともに、改めて、いいなぁと思いました。
ポール・フランクールはこの時代のジャン・ギャバンの出演作品に必ずと言ってよいほど出演していますが、後には、メルヴィルの『ギャング』(66)にもファルディアーノ警視役で出演していますので、これも必見。

先に挙げた、ギャバンとの腐れ縁的友人を演じるルネ・ダリーは、一見、加藤芳郎野口英世といった風貌がいかにも地味ですが、演技は役柄に実に合っていますね。
表情の演技など実に上手く、かなりの演技巧者だと思います。

image96.jpgまた、出演している女優陣も無名ながら美人ぞろいで、一番有名なジャンヌ・モローがデビュー間もないこともあってか、実は一番イモ姉ちゃんに見えます。
とりわけ、ギャバンの愛人ベティ役を演じたマリリン・ビュフェルは美人ですね。
この人は生粋のアメリカ人で、ミス・アメリカにも選ばれたことがあるとか。
ラストの屈託のない笑顔も良く、個人的に、この作品を観る楽しみは、マリリン・ビュフェルを観る楽しみでもあります。

ところで、ポール・フランクールの奥さん役の女優は、ジャン・ギャバンの最初の奥さんギャビー・バセット
ギャビーといえば、あの『望郷』(37)を思い起こしますが、もしかしたら何かつながりがあるのでしょうか。

そして、リノ・ヴァンチュラがこの映画で俳優デビューし、敵役を堂々と演じています。
後年の貫禄ぶりに比べると少々青臭く見えるのは仕方ありませんが、それにしても、映画初出演とはとても思えぬ演技と存在感です。

最後に監督のジャック・ベッケル
この作品を観ていますと、俳優の演出に、独特の間の持ちがあるように感じられます。
これがまた、なんともいえないタメとリズムを作品にもたらしているように思えました。
セリフを極力省いたシーンの緊張感の持続と説得力も見事です。

マルセル・カルネ監督の『枯葉~夜の門~』をレンタルビデオで観た感想です。(ビデオタイトルは『夜の門』)

image93.jpgLES PORTES LA NUIT』(46年)
監督:マルセル・カルネ
脚本:ジャック・プレヴェール
撮影:フィリップ・アゴスティーニ
音楽:ジョセフ・コズマ
出演:ピエール・ブラッスール、セルジュ・レジアニ、イヴ・モンタン、ナタリー・ナティエ、ダニー・ロバン、ジュリアン・カレット、ジャン・ヴィラール

シャンソンの名曲『枯葉』をモチーフにした作品。
『枯葉』の作詞はこの映画の脚本を手がけたジャック・プレヴェール、作曲は音楽を手がけたジョセフ・コズマ
映画のところどころでこの曲のメロディー、歌詞が登場します。

この作品は俗に言う“カルネ=プレヴェール”の最後にあたる作品で、これを最後に二人の関係は解消してしまいます。
そのせいか、『天井桟敷の人々』や『霧の波止場』など、カルネ=プレヴェールの名作と比較してしまうと、ハッキリと見劣りする作品ですが、ストーリーよりもむしろ戦後すぐという時期のパリの夜の街の描写に妙に魅力がある作品です。
オープニングのパリの情景のカットも素晴らしい。

ところで、この映画の出演者の序列は、オープニング・クレジット上はピエール・ブラッスールセルジュ・レジアニイヴ・モンタンの順ですが、実質モンタンの主演作といってよい作品です。
モンタン自身、シャンソン歌手として『枯葉』の名唱で有名ですが、映画の中でこれといった印象的な唄い方をしているわけではないので、これは少々意外。

ピエール・ブラッスールセルジュ・レジアニは、あまり出演時間は長くないものの、いかにも彼ららしい役で出演。
ヒロインのナタリー・ナティエは、正直なところ、魅力がもう一つという印象。
一方で、浮浪者役を演じるジャン・ヴィラールがいい味を出しています。
こういう役柄はいかにもこの時代のフランス映画という感じです。

6月27日紀伊国屋書店から発売される予定のDVDの新譜のラインアップが明らかになりました。
今回はフランス映画の名作が数多くラインアップされています。
http://www.kinokuniya.co.jp/02f/d12/2_12000top.htm

まず、長らく廃盤だったアラン・レネ監督の大傑作『去年マリエンバートで』がついに再発されます。(前回は東北新社からの発売)
廃盤だった東北新社盤はプレミアが付いて2万円前後で取引されておりましたが、今回の再発で価格も落ち着くことでしょう。
東北新社盤を持っている者としては、少々複雑な気持ちもありますが…。

5月発売の『雨の訪問者』に続く、ルネ・クレマンの70年代シリーズ?、6月は『パリは霧に濡れて』が発売になります。
これも楽しみですが、次回は是非とも『狼は天使の匂い』の発売を期待したいところです。
狼は天使の匂い』は個人的に最も観たい映画の一つなので。

フィルム・ノワール・シリーズで出ていた『天使が隣で眠る夜』(ジャック・オディアール監督)のエンタメ・プライスでの発売も嬉しい。
ずっと買うか買うまいか迷っていたので、待っていた甲斐があろうというものです。

しかし、個人的に、今回のラインアップで最も嬉しいのは『ジャック・ドゥミ初期作品集DVD-BOX』の発売です。(内容は『ローラ』『天使の入江』、『ジャック・ドゥミ短編集』)

ジャック・ドゥミといえば、最近日本でもリバイバル公開された『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』が有名ですが(二つとも国内盤DVDは廃盤)、個人的に一番DVD化を望んでいたのは『ローラ』でした。

この作品、音楽がミシェル・ルグラン、撮影はラウル・クタール、主演はアヌーク・エーメであり、“ヌーヴェル・ヴァーグの真珠”と評されることで有名な作品です。
ところで、この有名なキャッチフレーズ、誰が言った言葉かご存知ですか?
意外と思われるかもしれませんが、あのジャン=ピエール・メルヴィルが、この『ローラ』を激賞して評した言葉なのです。

だから、というわけではありませんが、この作品を観ることがずっと夢でした。(ちなみに、私はアヌーク・エーメも好きです)
それだけに、今回の国内DVD化は嬉しい限り。
天使の入江』、『ジャック・ドゥミ短編集』も実に楽しみです。

クロード・シャブロル監督の『いとこ同志』を国内盤DVD(IVC)で観た感想です。

image92.jpgLES COUSINS』(59年)
監督:クロード・シャブロル
脚本:クロード・シャブロル
撮影:アンリ・ドカ
音楽:ポール・ミスラキ
出演:ジェラール・ブラン、ジャン=クロード・ブリアリ、ジュリエット・メニエル、クロード・セルヴァル、ステファーヌ・オードラン、ギイ・ドゥコンブル、ヴィルジニー・ヴィトリ

久々の再見。
最近ヌーヴェル・ヴァーグの作品を観る機会がなかったせいでしょうか、久しぶりに観ますと、やっぱり若者の映画って感じがしますねぇ。
オープニングのスネアドラムのリズムからして、それ以前の映画には感じられなかった息吹が感じられます。

ご存知の通り、ストーリーはなんともやりきれないものなんですが、キャストが実に魅力的。
ジェラール・ブランジャン=クロード・ブリアリ共に素晴らしいですが、特にジャン=クロード・ブリアリの立ち振る舞いの存在感の見事さったらないですね。

フロランス役のジュリエット・メニエルも、一見堅物っぽいのに、実際はエロいところがなんとも言えずイイです。
友人役のクロード・セルヴァル(メルヴィルの『賭博師ボブ』にも出演)もいかにも彼らしい味を出してますし、本屋の店主役のギー・ドゥコンブル(同じくメルヴィルの『賭博師ボブ』に出演)はもう素晴らしいとしか言いようがないです。

後にシャブロルと結婚、そのミューズとなるステファーヌ・オードランもチョイ役で出ていますが、(この頃はジャン=ルイ・トランティニャンと結婚していた時期でしょうか)後の“エレーヌもの”の頃に比べて、当然ですが若いです。

また、アンリ・ドカの撮影はひたすら魅力的で、“これぞヌーヴェル・ヴァーグの絵”という感じ。
ポール・ミスラキの音楽も、ワーグナーの音楽を絡めつつ、独特の雰囲気を作っています。

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テンプレ作った人:おみそ
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HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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