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ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞
したという驚きのニュースが飛び込んできました。

HPのBBSにも書きましたが、第一印象としてはこれはちょっと違うんじゃないかと思いました。
ディランの歌詞に文学的価値がないとは言いませんが、あくまでも音楽に乗った時に、そしてディランのあの声で歌われた時に初めて活きるものだと思うからです。

ノーベル文学賞というのがどういった価値基準で選ばれているのか知りませんが、音楽の歌詞まで含めるとはかなり範囲が広い賞なんですね。
そのこと自体が悪いとは思いませんが、普通に文学一本で頑張っている人にとっては今回のニュースはどこか違和感を持って受け取られたのではないでしょうか。

それより、気になるのは世間の反応、評価ですね。
ディランの存在自体、今まで以上に拝み奉られるのではないかと危惧します。
ニュースなど見ていますと、特にディランのことを中途半端に知っている人たちにそのような傾向が感じられる気がします。
未だにプロテストソングがどうとか、反体制がどうとか、もう何時の話だよ、と(笑)。

マーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー映画『ノー・ディレクション・ホーム』(05年、今度ブルーレイが出ます)の中でもディラン本人が語っていますが、自分は政治的な人間ではないのに若い頃は左翼の手下みたいに扱われ、そういう発言を周りから期待されるのが嫌で嫌で仕方なかったと。
自分には右も左もない、黒も白もない、独立独歩の吟遊詩人だと・・・。
真の意味での自由人なんですね、ディランという人は。
そういう意味では、ノーベル文学賞よりもノーベル平和賞の方が合ってるんではないかと思うくらいです。
本人は嫌がるでしょうけど(笑)。

あえて言ってしまいますが、ボブ・ディランは単なる音楽狂のオッサンですからね。
音楽ビジネスや功名心などとは別に、ひたすら自分のやりたい音楽を、その時の気分で自分の歌いたいように歌っているだけの一ミュージシャンにすぎません。
でなければ、名誉も金もすべて手に入れた歌手が70過ぎてネバー・エンディング・ツアー(30年近く続行中)なんてバカなことしませんよ。(だからこそ素晴らしいと私は言いたいのですが)

もちろん、若い世代にディランの音楽が再評価されるとしたら、ファンの一人としては嬉しいのですが、今回の受賞についてディラン本人が今一番困惑しているのではないかと想像します。

Youtubeにupされている『激しい雨が降る』(『A hard rain's a gonna fall』)英語、スペイン語歌詞付
ディラン最高の歌詞、楽曲の一つですが、このメロディ、歌唱あっての歌詞だと思います。



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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
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