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ルネ・クレマン監督の『狼は天使の匂い』(72年)を久しぶりに再見。
この映画について以前書いたレビュー

先日『Z』について書いたが、なぜか最近ジャン=ルイ・トランティニャンの主演作を観る機会が多い気がする。
そういえば、まもなく『男と女』デジタル・リマスター版も公開されるし・・・。
この『狼は天使の匂い』は内容をかなり忘れていたので、そのうち観直したいと思っていた映画の一つ。

子供の頃の記憶を絡めてくるところなど、ロマン・ノワールとでも言いたくなるような独特の空気感が魅力の映画だが、プロット的にはフィルム・ノワールの定石通りの作品である。
女性との関わりがどういう結果に結びつくかというところなどもそうである。
ストーリー的にかなり無理のある部分もあることはあるが・・・。
観ていると『アスファルト・ジャングル』~『男の争い』~『拳銃の報酬』~『仁義』~『狼は天使の匂い』というような流れをどうしても感じてしまう。(中にメルヴィルの『賭博師ボブ』を入れてもよいだろう)

それにしても、フィルム・ノワールのレジェンド、ロバート・ライアントランティニャンの共演がルネ・クレマン監督の元で実現したというのが今考えてもかなりの驚きである。

この映画が公開された時にはまだメルヴィル監督は存命だったわけだが(73年8月死去)、ルネ・クレマンの映画にロバート・ライアン出演の報を聞いた時には地団駄踏んで悔しがったのではないだろうか。
なにしろロバート・ライアンは、メルヴィルの尊敬するロバート・ワイズ監督の『』『拳銃の報酬』の主演俳優。
言うまでもなく、この2作はフィルム・ノワールの大傑作であり、ことに『拳銃の報酬』は『アスファルト・ジャングル』と並ぶメルヴィルのフェイヴァリットであったのだから。

実際、この映画におけるロバート・ライアンは素晴らしい
レア・マッサリティサ・ファローという二人の女優も大変魅力的である。
フランシス・レイの音楽はほとんど耳に入らなかった。

この映画のDVDも廃盤みたいですね・・・。

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フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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