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エリック・ロメール監督の『モード家の一夜』を国内盤DVDで観た感想。
『Ma Nuit Chez Maud』 (仏 69年)
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ネストール・アルメンドロス
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、フランソワーズ・ファビアン、マリー=クリスティーヌ・バロー、アントワーヌ・ヴィテーズ
久々の再見。
エリック・ロメール監督の連作「六つの教訓物語」の第三話に当たる作品だが、彼の初期の代表作とも称される傑作。
というか、ロメール作品で間違いなくベスト3には入る作品であろう。
個人的にはベストかもしれない。
何度も観ている作品だが、とにもかくにもドキドキさせられる。
今回も全く退屈する間もなく一気に観てしまった。
ロメールならではの膨大な会話劇に、カトリックやパスカルについてなど、哲学的、宗教的なテーマが大きなウェイトを占めている作品だが、ハッキリ言って、会話の内容が理解できなくてもいちいち気にすることはない。
乱暴な言い方かもしれないが、映画そのものの面白さとはそれほど関係がないからだ。
現に私はそれらがほとんど理解できなくても、この映画を充分に楽しむことができているのである。
俳優陣も実に魅力的であり、主演のジャン=ルイ・トランティニャンはもちろん、モード役のフランソワーズ・ファビアン(あのジャック・ベッケル監督の未亡人!)、フランソワーズ役のマリー=クリスティーヌ・バローが共に美しい。
また、二人の対照的な役柄の設定も見事である。
今回観直してみて、マリー=クリスティーヌ・バローのデビュー直後とは思えない演技のうまさにも舌を巻いた。
ちなみに、彼女はあのロジェ・ヴァディム監督(1928~2000)の最後の妻だった女優である。
ネストール・アルメンドロスのモノクロ撮影も相変わらず素晴らしく、美しい雪景色をとらえたキャメラは殊更印象的であった。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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