[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
クライテリオン盤DVD『サムライ』の特典映像に収録されているナタリー・ドロンのインタビューを翻訳して紹介します。
68年4月25日放送のインタビューで、彼女にとって2作目の映画となった『個人教授』(La lecon particuliere)を撮影中のインタビューと思われます。
『個人教授』の監督は、『サムライ』でも俳優としてナタリーと(愛人役で!)共演したミシェル・ボワロンです。
これも何かの因縁でしょうか。
ちなみに、ナタリーがアラン・ドロンと離婚するのは69年のことですから、まだ二人の結婚生活が続いている最中のインタビューということになります。
問 サッシャ・ギトリー以来、私たちは、著名な名前をその人自身に相応しいものにする必要のある俳優について話題にします。
ナタリー・ドロンさん、あなたはそれについてどう思われますか?
ナタリー 誰か有名な人に関係がある時は、名前をその人自身に相応しいものにすることは容易かったり、また、より大変だったりするわね。
混乱するのも当然よ。
でも、名前に適応しようとしていれば、きっと上手くいくと思うわ。
問 『個人教授』は、『サムライ』の後、あなたの出演する二つ目の映画ですね?
ナタリー ええ。
問 この作品は、あなたにとってどんな意味がありますか?
ナタリー この映画は、私自身にとって、とても重要な経験なの。
なぜなら、これは、私がこの仕事を本当に続けたいのかどうか、決定するものになるはずだから。
問 この業界には、ある俳優に同じような役ばかりが振られるという傾向があると思います。
あなたの演技がより大きな可能性を示して、“ナタリー・ドロンは一定の役柄しか演じられない”という固定観念を打破することができると思いますか?
ナタリー その通りよ。
私は今度の役を軽やかに、そして、できる限り自然に演じようとしたの。
これは、ある意味、ある役柄を演じることよりも、女優にとってはずっと難しいことね。
役柄はコミカルでもドラマチックでもないけど、私にとっては、シンプルに自然に演じることは、もっとも難しいことだと感じたわ。
キャメラの前で、意識過剰にならずに、ありのままの姿で居ることより難しいことはないわね。
問 『サムライ』での印象からすると、楽しい役柄を演じるあなたを想像するのは難しい気がします。
我々は張り詰めた表情のナタリー・ドロンを見てきましたから。
ナタリー そんなことないわ。(笑)
私はとても快活な役を演じているけど、でも、特別快活だったり、タフだったりといつも極端なのよ。
一番難しいのは、変わらぬ調子でいることね。
問 今度の役にすべてを賭けていると言えますか?
ナタリー そうね。私にとっての大部分をね。
問 ドロンという名前以外の異なる名前を使うことを考えたことありますか?
ナタリー ないわ。
問 ずっと?
ナタリー 最初はね。
でも、アランがそれは間違いだと言ってくれたわ。
現在私はナタリー・ドロンであり、それが私にピッタリ合うのよ。
クライテリオン盤DVD『サムライ』の特典映像に収録されているフランソワ・ペリエのインタビューを翻訳して紹介します。
フランソワ・ペリエは、『サムライ』で警視役を演じており、後には『仁義』でナイトクラブのオーナー(サンティ)を演じています。
どちらも素晴らしい演技であることはメルヴィルも認めていますし、映画を観る我々にも明らかなことでしょう。
これは、1982年6月13日放送のインタビューであり、『サムライ』(67年)撮影から15年後のインタビューになります。
ナレーション 1956年にルネ・クレマンとフェリーニの映画に出演、その後、多数の役柄を演じてきたフランソワ・ペリエは、メルヴィルの傑作(『サムライ』)に出演することになる。
ペリエ メルヴィルはワンマンだった。
ほとんどサディストだよ。
俳優には厳しかったな。
自分自身にもそうだったが、俳優には本当に厳しかったんだ。
『サムライ』の撮影が始まってすぐ、私にはとても長いセリフのシーンがあってね。
ナタリー・ドロンと一緒のシーンなんだが、ずっと私がセリフを喋りっぱなしなんだ。
私はジャン=ピエールに聞いたもんさ。
「どこまで撮るんだ?」
彼には、「どこまで撮ったらカットになるんだ?」という私の言いたいことの意味が分かっていたよ。
私には演技を整理する必要があったからね。
しかし、彼の答えはこうだ。
「よし、全部ワンカットで撮るぞ!」
正気じゃないよ!
彼は確かに気難しい男だった。
だが、映画に関してはクレイジーだ。
全くクレイジーだよ!
まるで映画館の暗闇の雰囲気の中だけに生きているような男だった。
彼は日光が嫌いで、スタジオの中に生きていた男なんだよ。
映像ではインタビュー映像とともに、『サムライ』のシーン(ペリエ演じる警視のオフィスのシーン)がいくつか流れますが、インタビューの中で、ペリエが指摘しているワンカットのシーンとは、ペリエら警察が、ナタリー・ドロン演じるジャーヌの部屋に家宅捜索のため押し入り、偽証罪になるぞ、と脅すシーンのことだと思われます。(画像のシーンです)
事実、このシーンを観直しますと、ナタリー演じるジャーヌにセリフはほとんどなく、ペリエが喋りっぱなし、しかも、ほぼワンカットで撮られています。
ちなみに、冒頭のナレーションで指摘されているルネ・クレマンとフェリーニの作品は、『居酒屋』と『カビリアの夜』のことだと思われます。
それにしても、このインタビュー、メルヴィルを語る際のペリエの呆れたような表情が印象的です。
『サムライ』撮影から15年経った後のインタビューですが、当時のことが、相当強い印象として残っていたのでしょう。
しかし、ペリエの呆れ顔を見るにつけ、“あいつには敵わない”と思わせるような押しの強さがメルヴィルにはあったのではないかと思わされます。
クライテリオン盤DVD『サムライ』の特典映像に収録されている、カティ・ロジェのインタビュー(1970年7月31日放送)を翻訳して紹介します。
彼女は『サムライ』において、大変印象的なピアニスト役ヴァレリーを演じましたが、意外にもこれが初めての映画出演でした。
『サムライ』のパンフによれば、彼女はもともとベネズエラ出身で、フランスでモデルとして活躍中にメルヴィルの眼に留まり、『サムライ』に出演することになったのです。
このあたりの経緯は一般にほとんど知られていませんが、このインタビューには簡単ではありますが、その経緯についての説明があります。
このインタビューが放送されたのは1970年ですから、『サムライ』の撮影から3年後、ということになります。
翻訳の怪しい部分もありますが、お許し願います。
問 現在あなたが望んでいることはどういったことですか?
カティ そうね、24歳になったし、面倒を見なきゃいけない赤ちゃんもいるから、映画の仕事により真剣に取り組んでいきたいわね。
それに、舞台の仕事も頑張りたいわ。
知っての通り、特に私の年代では、モデルの仕事は上手くいってもせいぜい5~6年続けば良い方よ。
私も、モデルの仕事を3年やってきたけど、この仕事は撮影やショウの仕事をするには便利ね。
カティ ええ。
でも、モデルの仕事は永遠にはできないわ。
一方で、女優の仕事は60歳でもできるわよね?(笑)
問 あなたは仕事のオファーを待つタイプ、それとも自分から積極的に求めていくタイプのどちらかしら?
カティ 私はドアをノックするのはイヤなの。
物を売って歩くのはイヤなのよ。
私がファッション編集者に会った最初の頃は、彼女やその雑誌を自分から選ぼうとはしなかったわ。
私は待遇が良くなかったし、彼女はある種のスノッブだったから。
彼女は私の写真をめくりながら言ったわ。
“あなたはとても美しいわね。でも、全く私たちのスタイルではない。フランスであなたが成功するのは無理ね。”
その後、彼女は私に会いにこなければならなくなったけどね(笑)。
問 思うに、あなたは女性よりも男性と上手くいくんじゃないかしら?
カティ そうかもね。
問 やっぱり。
(ここで映画『サムライ』の一場面が流れる)
問 映画の撮影は良い思い出ですか?
とにもかくも、アラン・ドロンのような素晴らしいパートナーと一緒だったわけですが。
カティ とてもいい思い出よ。
撮影の雰囲気は素晴らしかったし、いい思い出ばかりね。
私にとって、初めての映画出演だったし。
問 どのようにして映画の仕事を始められたのですか?
カティ ジャン=ピエール・メルヴィル監督が私の事務所に連絡を取ったの。
彼らが早朝、私に電話してきて言ったのよ。
“一時間以内に着飾って、見栄え良くして。監督に会うんだから!”
朝の9時に監督と会うのは大変だったわ。(笑)
私はこんな感じで帽子を被り、サングラスをして、古いジーンズを履いて出かけたのよ。
メルヴィルに会うと、事はすんなりと運んだわ。
怖くはなかったわ。
だって、マルチニック島で、テレビの面倒な仕事で大変な1年を過ごしていたしね。
映画のキャメラの前に立った時でも、ささいなミスで“カット”と叫ばれるのはよく分かっていたわ。・・・今日みたいに。
確かに怖くはなかったんだけど、それでもやはり、初めからドロンやキュニー、後にはロネのような俳優と一緒に仕事をするのはかなり大変だったわね。
私は俳優としての訓練は受けていないしね。
それに、私は、ムッシュー・メルヴィルが役をくれたから、女優になったというだけの話。
でも、キャメラの前ではとてもいい気分だったわね(笑)。
問 本能的にあなたは女優ですか?
カティ たぶん、ね(笑)。
この時点で24歳だと答えていますので、『サムライ』に出演した時は21歳だったということになります。
それより驚いたのが、すでに子持ちだということです。
また、ドロンの他にアラン・キュニー、モーリス・ロネと思われる名が挙げられていることからも、『サムライ』以後も映画に出演していたであろうことが想像できます。
できることなら、彼女の出演作を他にも観てみたいものです。
クライテリオン盤DVD『サムライ』に収められている特典映像から、1967年6月29日に起きたジェンネル撮影所の火災事故の模様を伝える短いTVニュースを紹介したいと思います。
私にとりましても、この火事のことは長らく本などでしか知りえない幻の出来事でありましたが、こうして、わずかながらも模様を伝える映像が残っているとは想像もしていませんでした。
しかも、消火活動の続くその現場で、当のメルヴィルがインタビューに答えているのです。
今回はその内容を和訳して紹介します。
ナレーション パリのジェンネル通りの撮影所から、今朝火災が発生しました。
12000平方フィートに及ぶこの建物は、『ギャング』の映画監督、ジャン=ピエール・メルヴィルの所有物です。
9つの消防署から駆けつけた消防隊員が、2時間以上に渡って消火活動にあたりました。
幸い、死者はいなかった模様です。
ジェンネル撮影所では、メルヴィルがアラン・ドロン、その妻のナタリー出演の最新映画『サムライ』を撮影中で、二人は今朝にも撮影の予定が入っていました。
メルヴィルは、撮影所を直視できる自身のアパートのバルコニーから、最初の炎が上がるのを見ました。
問 火災の原因は分かりましたか?
メルヴィル いや。
火事は、電線も通っていない防音壁の裏の小さなスペースから起きたんだが、簡単な巡回もできなかったところだしね。
メルヴィル 可能性はあるね。
ここ数ヶ月のスタジオに関連する多くの出来事と一致するんだ。
その仮定は消えないね。
問 あなたのスタジオはパリで最も忙しいスタジオの一つですよね。
メルヴィル その通り。
現在の不況では誰もがひどい目に合っている。
私は仲間のスタジオのオーナーたちを非難していないよ。
でも、ここが忙しいのは、常時稼動している唯一のスタジオだからだ。
そうなるまでには、私が他のスタジオを使わずに、ここでいろんな映画を撮ってきた、長い年月がかかっているけどね。
この数ヶ月、調査やら絶え間ない訪問者に私はずっとイライラさせられていたんだ。
プロデューサーにここでは撮影させないよう脅す企てもあったよ。
だから、それと今回の火災は不思議な一致だね。
これら総てのことに懐疑的にならざるを得ないね。
問 映画の撮影は延期になりますか?
メルヴィル そうはならないだろう。
他のスタジオにセットを組んで撮影に入るよ。
パジャマにジャケットを羽織ったままの格好でアパートから飛び出して来たと思われるメルヴィルは、極めて冷静に装っているように見えますが、内心怒り心頭だったでしょう。
嫌がらせによる放火の可能性にも言及しています。
以前も紹介しましたが、ルイ・ノゲイラ著『サムライ』によれば、この火災によって、撮影所そのものが全焼したのはもちろん、メルヴィルが映画化を想定した22本の脚本が焼け、そして、『サムライ』で印象的なあの小鳥も焼けてしまったのです。
『サムライ』の撮影はサン=モーリス撮影所に引き継がれることになりますが、それにしても、このような被害に遭いながらも、よくぞ『サムライ』は完成したものだと思います。(公開はこの年の10月)
それまでに撮り溜めたフィルムが焼けなかっただけでも、不幸中の幸いだったというべきかもしれません。
ところで、この3月のパリ旅行の際、13区のジェンネル撮影所跡を訪ねましたが、火災事故から丸40年経って、現場はこの画像のような感じに様変わりしていました。
向かって左側二つのマンションが撮影所跡に建てられたと思われます。
そのせいか、現場に立ってみても、正直、ここに以前は撮影所があったとは想像できない感じでした。
写した角度は多少違っていますが、一番上の画像と比べると、当時との違いが分かりやすいかと思います。(画像はクリックすれば大きくなります)
http://youtube.com/watch?v=r-PrgPqAs_M
珍しく口ひげをたくわえたドロンがインタビュアーの質問に上機嫌で答えていますが、英語字幕付きなので、内容もある程度は理解できます。
公開2日前?にもかかわらず、ポスターもクリップも用意していないという宣伝ぶり(?)に驚かされますが(笑)、「『サムライ』とはどういう作品か?」という質問に、「芸術作品だ」と語るドロンが印象的です。
特にインタビューの後半は、ドロンのメルヴィルに対する賛辞の山と言ってよく、『サムライ』がドロンにとってもいかに満足のゆく仕事であったかがよく理解できます。
先日『サムライ』クライテリオン盤をHPにて紹介したばかりですが、その『サムライ』クライテリオン盤とRENE CHATEAU VIDEO盤の比較検証をしたDVDBeaverという海外のサイトを紹介します。
http://www.dvdbeaver.com/film/DVDReview/lesamourai.htm
全く同じ映像を画像にて比較検討できますので、その違いがよく分かります。
やはりRENE CHATEAU盤は明るく、クライテリオン盤は暗い印象です。(あくまで相対的にですが)
コメントにて、双方の長所短所が紹介されているのも参考になりますし、各国のポスターがズラリと紹介されているのも貴重かと思われます。
このサイトでは『影の軍隊』、『仁義』も同じようにDVDが検証されていますので、また追って紹介していきたいと思います。
本編は元より、特典映像に興味津々です。
ルイ・ノゲイラの最新インタビューに加え、メルヴィル、ドロン、ナタリー・ドロン、カティ・ロジェ、フランソワ・ペリエの当時のインタビューが収録されています。
とりあえず、特典の内容が分かりやすいDVD Fantasiumのリンクを貼っておきますが、Amazonの方が安い可能性もあります。
http://www.fantasium.com/detail.phtml?ID=FOR33261&PHPSESSID=1a812e7b2a405e26c44b62dfe954e99a
ところで、私もこのDVDを所有しておりますので、本来でしたらHPの方で紹介したいのですが、残念ながらこのDVD、リージョン1なので、国内のDVDプレーヤーやパソコンでは観られないのです。
私もこれを解消しようと、某リージョンフリー化ソフトを購入したのですが、残念ながら私のパソコンには適合しませんでした。
いよいよリージョンフリーDVDプレーヤーそのものを購入しないとマズイかなぁーと思案中ですが、うちのビデオラックにキレイに収まるかどうか・・・。
『影の軍隊』のクライテリオン盤(これもリージョン1)の発売も5月に控えていますので、悩んでいます。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。