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カール・TH・ドライヤー監督の『裁かるるジャンヌ』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル クリティカル・エディション)で観た感想。

LA PASSION DE JEANNE D'ARC』(28年)
監督:カール・TH・ドライヤー 
脚本:ジョゼフ・デルテーユ、カール・TH・ドライヤー 
撮影:ルドルフ・マテ 
出演:ルイーズ・ルネ・ファルコネッティ、ウジェーヌ・シルバン、アントナン・アルトー

再見。
初見の時は疑いなく人生最大の衝撃作の一本であった。
特に後半は圧巻で、ジャンヌ役の女優が本当に焼け死んだのかとすら思った(笑)。
が、さすがにそれから数回観たので衝撃が薄れたことは否定できない。
まぁ何度も観直すような映画ではないと思うが、折々にやけに観直したくなる映画であることも確かだ。
おそらく、ジャンヌ役のルネ・ファルコネッティのあまりに凄まじい演技に吸い寄せられるからだろう。
サイレント映画にありがちな難渋さがほとんど感じられないのも大きいかもしれない。

ところで、解説ブックレットによれば、驚いたことにどうやらこれまで観ていた『裁かるるジャンヌ』とはヴァージョン違いのようだ。
もちろん、今回が奇跡的に発見されたオリジナル・ネガを用いた、ドライヤー監督の意図に最も忠実なヴァージョン(オリジナルのデンマーク語字幕)らしいのだが。
簡単に言えば、これまで観ていたのは“別(没)テイク”ということになるようだ。
普通ならこれまで“別テイク”を観せられていたことに対して怒り心頭!となってもおかしくないのだが、不思議と怒りはなく、“別テイク”でも十分凄かったなぁとヘンに感心してしまった。
もちろん、初めて観るならこの“本テイク”が良いだろうけど。

DVDの画質はビックリするほど良く、さすがは紀伊国屋だと感心する。
DVDに付随する柳下美恵氏のピアノ伴奏はこの日本盤オリジナルのものだが、観ていて全くと言ってよいほど違和感を感じなかった。
それだけ映画に合っていたということだろう。

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市川崑監督の『細雪』を国内盤DVDで観た感想。

監督:市川崑 
原作:谷崎潤一郎  
脚本:日高真也、市川崑 
撮影:長谷川清 
音楽:大川新之助、渡辺俊幸 
出演:岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、伊丹十三、石坂浩二、岸部一徳、桂小米朝、江本孟紀

初見。
谷崎の原作を読んだのはもう20年以上昔になるので、内容はてんで覚えていない。
よって、一映画としての感想…。

女優陣、美術、衣装、風景の美しさが魅力的な良い作品なのだが、いくつか気になった点が。
まず音楽(オンブラマイフ)がシンセサイザー?で演奏されるのに違和感を感じた。
ストリングスだったら違和感も感じないはずだが…

長女役の岸恵子が演技も存在感も素晴らしいが、どうしてもこの四姉妹との違和感を感じた。
特に次女役の佐久間良子とどうしても姉妹に見えない。
やっぱり顔立ちが西欧風なのである。
もともとこの長女役は山本富士子にオファーが行ったらしい。
この頃の山本富士子だったら文句なかったろうに…。
もちろん、そんな事情で急なオファーだったという岸恵子本人に責任はないが。

それにしても、この映画の吉永小百合は美しすぎて反則スレスレ?だ。
足を出すシーンは(あれだけなのに)ヘタなヌード写真よりもよっぽどエロい。
古手川祐子は普通の出来。

伊丹十三は文句なし。
その抑えた演技は素晴らしかった。
石坂浩二はいいが、ラストの演技が疑問。
それにしても、江本孟紀は…

今度6月にクライテリオンからブルーレイが出る。
日本のメーカーこそ出すべきだろう…

以前も紹介したEMIから発売されている“ジャズ名盤999 ベスト&モア シリーズ”だが、第3回50タイトルが4月20日に発売になった。
今回もレア盤満載であり、国内初CD化が36枚、10~20年ぶりのCD化が9枚に及ぶという。

個人的に特に気になったタイトルをいくつか挙げてみたい。

●クラーク・テリー~コールマン・ホーキンス~ソニー・クラーク『エディ・コスタ・メモリアル・コンサート』


●ジョー・モレロ~アート・ペッパー『コレクションズ』


●ロイ・エアーズ『ウェスト・コースト・ヴァイブス』


●アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『スリー・ブラインド・マイス』


●ベニー・ゴルソン『ベニー・ゴルソン・アンド・ザ・フィラデルフィアンズ』


●ブッカー・リトル『ブッカー・リトル4&マックス・ローチ』


●ランディ・ウェストン『5スポットのランディ・ウェストン』


●ブッカー・アーヴィン『ストラクチュアリー・サウンド』


●レス・マッキャン&ジャズ・クルセイダーズ『ジャズ・ワルツ』


●ザ・モデスト・ジャズ・トリオ『グッド・フライデイ・ブルース』


●セルダン・パウエル『セルダン・パウエル・セクステット』


●ソニー・スティット『ザ・サキソフォンズ・オブ・ソニー・スティット』


●アート・ブレイキー~フィリー・ジョー・ジョーンズ~エルヴィン・ジョーンズ~チャーリー・パーシップ『ドラム・ナイト・アット・バードランド』


●ジョン・ハンディ『ノー・コースト・ジャズ』


もっとあるが、きりがないのでこの辺で…。

モラン神父』の国内盤DVDが5月27日にIVCより発売されることはこのブログでもお知らせ済みですが、今度はなんとBlu-rayが7月26日に米クライテリオンより発売されるという情報をHPのBBSにいただきました。(DVDも同時発売)(クライテリオンの商品紹介のページへのリンク

ご承知の通り、クライテリオンからはこれまで7作品のメルヴィル映画がDVD化されておりますが、Blu-ray化されるのは『影の軍隊』『仁義』に続いて3作品目となります。(ちなみにフランスでは『海の沈黙』もBlu-ray化されています)

モラン神父』については数年前にクライテリオンからDVD化されるらしいという情報をいただいたことがあるのですが、その噂は立ち消え、ここにきて突如としてBlu-ray化されるということで驚きました。
あのクライテリオンからBlu-rayが発売されるというだけでも作品の質の高さは保証されたようなものですが、もともとアンリ・ドカによるモノクロ映像が大変に美しい作品ですので、Blu-ray化によってより優れた画質で楽しめるのはとても嬉しいですね。

『モラン神父』予告編(英語字幕入り)


エリック・ロメール監督の『友だちの恋人』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。

L'AMI DE MON AMIE』(87年)
監督・脚本:エリック・ロメール 
撮影:ベルナール・リュティック 
音楽:ジャン=ルイ・ヴァレロ 
出演:エマニュエル・ショーレ、ソフィー・ルノワール、エリック・ヴィラール、フランソワ・エリック・ジェンドロン、アン=ロール・マーリー

再見。
いやはや、やっぱりロメールは映画の達人だ。
この作品も凡人が撮るとごくありがちなフツーの恋愛映画にしかならないだろうが、ロメールが撮るとまるで手品に掛けられたかのごとく鮮やかな手腕に魅了される。
キャストではやはりヒロインのエマニュエル・ショーレの可憐さ、ほとんど地ではないかというほど成り切った演技が魅力的。
ラストの面白さもまた格別である。

フランク・キャプラ監督の『狂乱のアメリカ』を国内盤DVD(フランク・キャプラ DVDコレクターズBOX)で観た感想。

American Madness』(32年)
監督:フランク・キャプラ
脚本:ロバート・リスキン
撮影:ジョセフ・ウォーカー
音楽:ミシャ・バカライニコフ
出演:ウォルター・ヒューストン、パット・オブライエン、ケイ・ジョンソン、ギャビン・ゴードン、コンスタンス・カミングス

初見。
これは間違いなく傑作
知名度が高くないのが不思議なくらいである。
大恐慌時代の銀行を舞台に、コメディ要素、サスペンス要素、ラヴロマンス要素、社会情勢要素、キャプラ流ヒューマニズム要素等が混然一体となっており、それが見事にまとまっている。
32年というトーキー間もない時代にここまで完成度の高い作品を撮っていたことに驚かされる。
やはり、というか当然のことかもしれないが、フランク・キャプラ監督の手腕は並大抵のものではない。

主演のウォルター・ヒューストンが存在感、演技ともに素晴らしい。
言うまでもなく、あのジョン・ヒューストン監督の父君であり、どうしても『黄金』(48)のオヤジ的イメージが強いのだが、若い時はこんなにカッコ良かったとはね。

ジャック・ベッケル監督の『エドワールとキャロリーヌ』をレンタルビデオで観た感想。

『EDOUARD ET CAROLINE』(51年)
監督:ジャック・ベッケル 
脚本:アネット・ヴァドマン 
撮影:ロベール・ルフェーヴル 
音楽:ジャン=ジャック・グリューネンヴァルト 
出演:アンヌ・ヴェルノン、ダニエル・ジェラン、ジャック・フランソワ、エリナ・ラブルデット、ベティ・ストックフェルド 
 
初見。
以前からずっと観たかった映画。
夫婦喧嘩を描いたこの作品はジャンルとしてはコメディに分けられるだろうが、こういった作品を観ると、ジャック・ベッケルという監督は本当にいろんなジャンルの映画を、しかも高水準で撮った監督なのだと実感する。
大傑作とまではいえないが、相当に見応えのある秀作である。

ヒロインのアンヌ・ヴェルノンはあの『シェルブールの雨傘』(64)でカトリーヌ・ドヌーヴの母親役を演じていた女優だと知ってまたビックリ。
あの作品でも美しかったが、それより10数年前のこの作品でも当然のことながらさらに美しい。
そして、夫役のダニエル・ジェランはいつもながらいい。

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テンプレ作った人:おみそ
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HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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