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ニコラス・レイ監督の『夜の人々』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。
『THEY LIVE BY NIGHT』(48年)
監督:ニコラス・レイ
脚本:チャールズ・シュニー
撮影:ジョージ・E・ディスカント
音楽:リー・ハーライン
出演:ファーリー・グレンジャー、キャシー・オドネル、ハワード・ダ・シルヴァ、ジェイ・C・フリッペン、ウィル・ライト、イアン・ウルフ
初見。
ニコラス・レイの監督処女作だが、世評通り大変な傑作である。
ボニー&クライドを題材とした映画の一つで、フィルム・ノワールの傑作として挙げられることも多い作品だが、基本的にこれはメロドラマであろう。
主演二人の繊細な演技、演出、カメラワーク等いずれも印象的で、実に濃厚にして美しい物語に仕上がっているのは監督処女作としてはすごい。
脇役陣の味のある演技と存在感もすばらしい。
ロバート・モンゴメリー監督の『湖中の女』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。
『THE LADY IN THE LAKE』(46年)
監督:ロバート・モンゴメリー
原作:レイモンド・チャンドラー
脚本:スティーヴ・フィッシャー
撮影:ポール・C・ヴォーゲル
音楽:デヴィッド・スネル
出演:ロバート・モンゴメリー、オードリー・トッター、ロイド・ノーラン、トム・テューリー、レオン・エイムズ、ジェーン・メドウズ
初見。
このところレイモンド・チャンドラーの小説を読み返していて、『湖中の女』『高い窓』『プレイバック』『かわいい女』の順で読み進んでいる。
どれも実に面白かったのだが、中でも個人的に良かったのが『湖中の女』であった。
それだけに、この映画は楽しみだったが、映画化に際して原作にあったかなりの部分がカットされてしまっており、正直、原作ほどの面白さはない。
なんでも、チャンドラーが自ら書いた脚本は長すぎてボツになり、他の脚本家のものに代えさせられてしまったのだという。
原作では湖からの死体発見シーンがワクワクするような面白いところなのだが、この映画では湖のシーンがすべてカットされてしまっているのでタイトル倒れの感すらある。
また、主演のフィリップ・マーロウ役と監督を務めたロバート・モンゴメリーの視点でカメラが動き、映画が進行するというのはこの映画のユニークな特徴だが、必ずしも成功とまではいえないような感じだ。
とはいえ、映画のタッチはこの時代の典型的なフィルム・ノワールのそれで、映画の雰囲気は大変魅力的だ。
もしかしたら、原作を読まずに映画を観ていたら、もっと楽しめた映画なのかもしれない。
アラン・コルノー監督の『セリ・ノワール』を国内盤DVD(IVC)で観た感想。
『SERIE NOIRE』(79年)
監督:アラン・コルノー
脚本:アラン・コルノー、ジョルジュ・ペレ
撮影:ピエール=ウィリアム・グレン
音楽:ジェラール・レノアマン
出演:パトリック・ドヴェール、マリー・トランティニャン、アンドレアス・カツーラス、ミリアム・ボワイエ、ベルナール・ブリエ、ジャンヌ・エルヴィエール
初見。
ジム・トンプソンの原作『死ぬほどいい女』を映画化した作品。
映画のタイトルの通り、フレンチ・ノワールの傑作との世評の高い作品であるが、この映画の作られた79年という時代のせいか、60~70年代半ばくらいまでの私が好むようなフレンチ・フィルム・ノワール作品とはかなり毛色が違う。
なんといってもこの映画の特徴は、主演のパトリック・ドヴェールの演技と存在感に尽きるが、この俳優、そして、この役柄のキャラを好くか否かがこの映画を好むか否かの分かれ目になるだろう。
正直言って、個人的にはあまり好きな映画とは言えないが、異様なまでのテンションと迫力を持った作品であることもまた確か。
それにしても、アラン・コルノーがこんな映画を撮っていたとは意外だった。
奥さん役のミリアム・ボワイエ、仕事場のボス役のベルナール・ブリエ等、助演陣もすこぶる印象的。
久々にジョン・ヒューストン監督のデビュー作『マルタの鷹』を再見。(以前書いた記事)
何度観てもまた観たくなる、言うまでもなくハードボイルド探偵ものの最高峰。
原作はダシール・ハメット。
すでに5~6回は観ているはずだが、恥ずかしながら、いまだにストーリーを完全に理解しているとはいいがたい。
が、そういった理解を飛び越えた面白さを含んだ映画であることもまた確かである。
キャストではもちろんハンフリー・ボガートが魅力的だが、ピーター・ローレ、シドニー・グリーンストリート、エリシャ・クック・JRという個性豊かな脇役陣が最高。
とにかくこの3人の味のある一挙手一投足に釘付けになってしまう。
この映画、いくらボギーが良かろうとも、この脇役3人が揃わなかったらここまで面白くならなかっただろう。
類型的なファム・ファタールの役柄にハマり切らないメアリー・アスターの役柄と、ボギーに懇願する時の潤んだ瞳も忘れられない。
現在下高井戸シネマでは“ジャン・コクトーの世界”と題した特集上映が組まれていますが、メルヴィルの『恐るべき子供たち』(50)も上映される予定です。
下高井戸シネマ『恐るべき子供たち』上映日時
1/18(水)〜1/20(金) PM 4:15~(終6:05)
1/26(木)〜1/28(土) レイト PM 9:15~(終11:03)
『RIEN NE VA PLUS』(97年)
監督・脚本:クロード・シャブロル
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:マチュー・シャブロル
出演:イザベル・ユペール、ミシェル・セロー、フランソワ・クリュゼ
初見。
昨年公開された『映画の國名作選II クロード・シャブロル未公開傑作選』の3作中、唯一見逃していたこの作品をDVDにてようやく観ることができた。
シャブロルらしいユーモラスな味わいがたまらない、これも紛れもなき傑作。
結果、この3作は看板に偽りなく、どれがどうと言えないほど魅力的な作品ばかりだった。
イザベル・ユペールとミシェル・セローの詐欺師コンビが相性抜群。
とりわけ、イザベル・ユペールは七変化ともいえるファッションの変化によって視覚的魅力も大であった。
ジャン・ルノワール監督の『フレンチ・カンカン』がなんと国内ブルーレイ化されます。
以前発売されていた東北新社盤DVDは画質がかなり古めかしい印象で、とても鮮明とは言えなかっただけに、これは是非ともブルーレイで見たいところ。
今度の発売元はIVCということでちょっとビックリですが、最近IVCはルイ・マル作品等フランス映画のブルーレイ化に力を入れているだけに、かなり期待できるのではないでしょうか。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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