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これまで『仁義』のリメイク情報といえば、ここ数年だけでも、ジョニー・トー監督、ジョン・ウー監督、はてはジャウマ・コレット=セラ監督と、次々と名前が挙がっては消えました。(リンク先の記事にはジョン・ヒルコート監督という名も挙がっています)
ですから正直、またか!という思いの方が強いわけですが、今度のリメイクはジェームズ・マンゴールドという監督で、個人的にはこれまで以上にピンとこない感じです。
調べてみると、この監督はさまざまなジャンルの作品をそつなくこなすハリウッドの職人監督らしく、トム・クルーズとキャメロン・ディアス主演の『ナイト&デイ』(10年)、ラッセル・クロウ主演の『3時10分、
よって、現段階で良いか悪いかといった判断は当然できませんが(なにしろ実現するか否かも未知数)、映画のロケは香港とマカオという、いつか聞いたような場所で行われるようですので、どういったキャスティングになるかも含め、とりあえず続報を待ちたいと思います。
割引は一時的なものである可能性が高いので、お持ちでない方はお早めに。
ジャン・オーレル監督の『恋のマノン』を国内盤DVDで観た感想。
『MANON 70』(67年)
監督:ジャン・オーレル
脚本:ジャン・オーレル、セシル・サン=ローラン
撮影:エドモン・リシャール
音楽:セルジュ・ゲンズブール
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、サミー・フレイ、エルザ・マルティネリ、ジャン=クロード・ブリアリ
初見。
原作であるプレヴォーの『マノン・コスコー』を現代風に大胆に脚色した映画。
ともあれ、これは当時美の絶頂にあったカトリーヌ・ドヌーヴあっての映画である。
実際、この映画のドヌーヴは実に美しい。
それを観るだけでも楽しいのは事実だが、映画としては今一つ深みがない。
相手役のサミー・フレイも性格がネクラで、思ったよりも魅力が感じられないのは残念である。
むしろ、特別出演のジャン=クロード・ブリアリが“らしさ”を発揮して好演であった。
ちなみに、衣装はイヴ・サン=ローランではなく、エマニュエル・ウンガロが担当。
音楽もセルジュ・ゲンズブールだが、ヴィヴァルディの音楽もだいぶ使われているようで、どこからどこまでがゲンズブール作曲の音楽なのか判別不能である。
DVDの画質はHDマスターを謳っているだけあって極めて良好であった。
アンソニー・マン監督の『T メン』を国内盤DVD(ブロードウェイ)で観た感想。
『T-MEN』(47年)
監督:アンソニー・マン
脚本:ジョン・C・ヒギンズ
撮影:ジョン・オルトン
音楽:ポール・ソーテル
出演:デニス・オキーフ、アルフレッド・ライダー、メアリー・ミード
初見。
以前から観ることを熱望していたアンソニー・マン監督のフィルム・ノワールだが、期待に違わぬ面白さで2回観た。
『Tメン』とは“Treasury Men”、金融がらみの財務省捜査官のことだという。
二人組の捜査官が身分を偽り、マフィアの偽札作りの組織に侵入捜査する過程がセミ・ドキュメンタリー・タッチで描かれている。
それにしても、これほどまでにフィルム・ノワールらしい作品を観たのは久々な気がする。
画面の暗さ(DVDの画質の悪さではない)によって醸し出される緊張感が凄いのだ。
“照明の魔術師”と呼ばれた撮影のジョン・オルトンの作り出す“闇”の魅惑である。
ストーリーもこの手のものとしては分かりやすい方で、無駄のないスピーディーな展開が心地良い。
キャストも皆いい。
有名な人は出ていないが、捜査官側も、マフィア側もいかにもそれらしい雰囲気、面構えなのが何よりである。
エリック・ロメール監督の『モード家の一夜』を国内盤DVDで観た感想。
『Ma Nuit Chez Maud』 (仏 69年)
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ネストール・アルメンドロス
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、フランソワーズ・ファビアン、マリー=クリスティーヌ・バロー、アントワーヌ・ヴィテーズ
久々の再見。
エリック・ロメール監督の連作「六つの教訓物語」の第三話に当たる作品だが、彼の初期の代表作とも称される傑作。
というか、ロメール作品で間違いなくベスト3には入る作品であろう。
個人的にはベストかもしれない。
何度も観ている作品だが、とにもかくにもドキドキさせられる。
今回も全く退屈する間もなく一気に観てしまった。
ロメールならではの膨大な会話劇に、カトリックやパスカルについてなど、哲学的、宗教的なテーマが大きなウェイトを占めている作品だが、ハッキリ言って、会話の内容が理解できなくてもいちいち気にすることはない。
乱暴な言い方かもしれないが、映画そのものの面白さとはそれほど関係がないからだ。
現に私はそれらがほとんど理解できなくても、この映画を充分に楽しむことができているのである。
俳優陣も実に魅力的であり、主演のジャン=ルイ・トランティニャンはもちろん、モード役のフランソワーズ・ファビアン(あのジャック・ベッケル監督の未亡人!)、フランソワーズ役のマリー=クリスティーヌ・バローが共に美しい。
また、二人の対照的な役柄の設定も見事である。
今回観直してみて、マリー=クリスティーヌ・バローのデビュー直後とは思えない演技のうまさにも舌を巻いた。
ちなみに、彼女はあのロジェ・ヴァディム監督(1928~2000)の最後の妻だった女優である。
ネストール・アルメンドロスのモノクロ撮影も相変わらず素晴らしく、美しい雪景色をとらえたキャメラは殊更印象的であった。
上映作品は『パルムの僧院』『赤と黒』『悪魔の美しさ』『夜ごとの美女』『勝負師』の5作。
続いて名古屋、大阪でも開催予定です。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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