[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今回ボブ・ディランのアルバムを(ブートレッグシリーズも含めて)一通り聴き直してみて、これまでと評価が変わったアルバムもある。
特に良かったものをざっと挙げると
●『ボブ・ディラン』(62年 ファースト)
●『ディラン』(73年 カバー集)
●『ビリー・ザ・キッド』(73年 映画のサントラ)
●『セイヴド』(80年 キリスト教三部作の一つ)
●『サイド・トラックス』(レアトラック集)
はっきり言えば、世間的評価が今一つでこれまでキチンと聴いてこなかったアルバムばかりだが、ファーストなんてジャケットの眠そうな表情とは正反対のエネルギー溢れる歌とギターのストロークにノックアウトされたし、『ビリー・ザ・キッド』もディランの歌こそ少ないが、一音楽として実に楽しい。
また、カバー集『ディラン』は寄せ集めとは思えぬほど一曲一曲の仕上がりが素晴らしい。
『セイヴド』はもう大傑作。
ブートレッグで出ている80年のトロントのライヴDVDを観たが、この頃のライヴは往年の曲こそ皆無だが、新曲が皆良いし、ディランが真面目に丁寧に歌っていて感動させられる。
正規発売されたら評価が一変するはず。
『サイド・トラックス』は『バイオグラフ』を始めとするいくつかのコンピレーションものに入っていたレア・トラックがまとめて聴けるのが実に便利。
音質も良い。
逆に期待外れだったのは60年代のアルバムを集めたモノ・ボックス。
オーディオの関係もあるのかもしれないが、私には通常のステレオ盤の方が良い。
(たぶん続く)
もともと20年来のディラン・ファンであるが、ここ10年ほどは熱心なファンとは言えなかった。
それが突然ディラン漬けの日々を送ることになったのだ。
きっかけは一年ほど前に観たザ・バンドの映画『ラスト・ワルツ』(マーティン・スコセッシ監督)であったと思う。
この映画も昔から観ている映画だから、今さら何がどうだとか言うこともないのだが、とにかくザ・バンドの音楽の素晴らしさに改めて感動し、再びザ・バンドを聴き始めた。
この10年ほどはディランやザ・バンドどころか、ロックを聴く機会もほとんどなくなっていたから(いうまでもなくジャズばかり聴いていた。新宿のディスクユニオンに行ってもロックの売り場をうろうろした記憶がこの10年ほどはない)、それだけでも大きなきっかけだった。
ザ・バンドと来れば、ディランに行き着くのは自然な流れで、確か共演ライヴ盤『偉大なる復活』(74)の紙ジャケを買ったのだった。
この一年ばかりの間、ディランの紙ジャケがBlu-spec CD2仕様で次々と発売されているが、限定盤ということもあり、それならばと買い揃えていった。
最初はBlu-spec CD2ではなく、数年前に発売された紙ジャケCDを中古で買い揃えていたのだが(その方が圧倒的に安い)、あるきっかけからBlu-spec CD2に換えた。
それは『新しい夜明け』(70)のBlu-spec CD2を聴いてからである。
『新しい夜明け』というアルバムはディランの中でも特別名盤でもなく、むしろ大変地味なアルバムであるが、個人的には大好きなアルバムである。
今でも聴く機会が圧倒的に多い。
このアルバムのリマスターCDの音には不満があった。
特にヴォーカルがもやもやして聞こえた。
それがBlu-spec CD2だとかなり改善されていたのである。
他のアルバムも通常のリマスターCDとBlu-spec CD2で聞き比べてみたが、正直言って、そこまでの違いは感じられないことの方が多かった。
しかし、どうせ買うなら音が良い(良さそう?)なのが良いだろうという単純な考えで買い揃えていった。
中には以前から熱望していた『激しい雨』の紙ジャケリマスター盤なんてのもあって、いっそうコレクション熱?が高まったのだが、結果、現段階でのすべてのディランのアルバムをBlu-spec CD2で買い揃えた。
(続く)
実際、この一年映画を観る時間も心理的余裕もありませんでした。
では、それが今戻ってきたのかと問われれば困りますが、少しはマシになりつつあるという状態。
以前のような状態に戻すには、未見の映画を観るよりも好きな映画を観る方が良さそうというわけで、先日観たのがジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『埋れた青春』(54)。
この作品については以前レビューを書いています。(リンク)
今回改めて観直してみて、この大傑作を始めとする往年のフランス映画の名作のDVDが、ここ数年、ほとんど再発、あるいは国内ブルーレイ化されていない現状に言いようのない怒りを憶えました。(デュヴィヴィエ監督の映画で国内ブルーレイ化されたものってありますか?)
『埋れた青春』は内容はもちろん、エレオノラ・ロッシ=ドラゴという超絶美人イタリア人女優のおそらくは代表作の一篇でもあるので、映画ファンに絶対に知られて欲しい作品ですが、国内DVDは例によって廃盤で中古品は価格高騰しています。(彼女の主演作だとミケランジェロ・アントニオーニ監督の『女ともだち』、ヴァレリオ・ズルリーニ監督の『激しい季節』も必見)
また、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の戦後の作品では『埋れた青春』と並ぶ傑作がサスペンスタッチの密室劇『自殺への契約書』(59)。
これも国内DVD化されておりません。(以前書いた記事)
そして、個人的に戦前の最高傑作と思っている『旅路の果て』(39)。
これはもうデュヴィヴィエのみならず、戦前戦後と通じてのフランス映画の最高傑作のひとつでしょう。(以前書いた記事)
これも一向に国内DVDが再発されませんし、以前発売されていたIVC盤DVDも画質はお世辞にも良いとは言えないものでした(それでも私には宝物ですが)ので、是非ともブルーレイの高画質で堪能したい作品です。
相変わらずメルヴィル関連のDVDの発売情報はありませんが、クロード・ソーテ監督イヴ・モンタン、ロミー・シュナイダー主演『夕なぎ』の国内盤DVD再発のニュース(2014年12月24日発売予定)はフランス映画ファンは嬉しいところではないでしょうか。
(以前書いた『夕なぎ』の記事)
もっとも、今ならブルーレイの発売を期待していたというのが本音ではありますが、中古DVDが例によって価格高騰していましたので、出ないよりはマシです。
アナトール・リトヴァク監督の『長い夜』を国内盤DVD(ブロードウェイ『フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.1』)で観た感想。
『THE LONG NIGHT』(47年)
監督:アナトール・リトヴァク
脚本:ジョン・ウェクスリー
撮影:ソル・ポリト
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ヘンリー・フォンダ、バーバラ・ベル・ゲデス、ヴィンセント・プライス、アン・ドヴォラック、クィニー・スミス、デヴィッド・クラーク
初見。
この映画は、マルセル・カルネ監督、ジャック・プレヴェール台詞、ジャン・ギャバン主演『陽は昇る』(39)のリメイクだという。
残念ながら『陽は昇る』は未見なので比較はできないが、あの『霧の波止場』の翌年、しかもアルレッティまで出演しているとのことなので、さぞ良いだろうと想像する。
さて、この映画だが、まず言っておかねばならないことは(いつかも書いたが)私はもともとヘンリー・フォンダが苦手だということ。
その私でもこの映画はなかなか良いと思った。
周囲のキャストもいい。
チャーリー役のアン・ドヴォラック、あのハワード・ホークス監督『暗黒街の顔役』(32)でポール・ムニの妹役を演じた女優である。
それから約15年後の映画だが、ガリガリだった若い頃よりもある意味美しく見えた。
この映画での彼女の役は、カルネ版でアルレッティがやっている役とのことだが、実際、雰囲気は驚くほどアルレッティに似ている。
ヒロインのバーバラ・ベル・ゲデスは容姿が個人的には苦手だが、雰囲気は実にそれらしく、ヴィンセント・プライスのイヤらしさなど、さすがに演技巧者だ。
エドワード・ドミトリク監督の『ブロンドの殺人者』を国内盤DVD(ブロードウェイ『フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.1』)で観た感想。
『MURDER, MY SWEET』(43年)
監督:エドワード・ドミトリク
原作:レイモンド・チャンドラー
脚本:ジョン・パクストン
撮影:ハリー・J・ワイルド
音楽:ロイ・ウェッブ
出演:ディック・パウエル、クレア・トレヴァー、アン・シャーリー、マイルズ・マンダー、オットー・クルーガー、ラルフ・ハロルド
初見。
レイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女よ』の最初の映画化だという。
『さらば愛しき女よ』の映画化といえば、一般にはディック・リチャーズ監督、ロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング主演の映画(75年)が有名で(以前書いた記事)、実際私も好きだが、これも同じくらい好きな映画だ。
主人公のフィリップ・マーロウ役を演じるディック・パウエルをどう評価するかが鍵だろうが、個人的にはかなりいい線行っていると思う。
クレア・トレヴァーもこの頃はまだまだ若く美しく役柄のイメージを損ねていないし、娘役のアン・シャーリーの美貌には陶然とさせられる。
原作が好きなこともあるが、とにかくこの映画は面白かった。
DVDの画質も年代からいったらかなり良い。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。