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【収録作品】
①『小間使の日記』
②『昼顔』
③『哀しみのトリスターナ』
④『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』
⑤『自由の幻想』
⑥『欲望のあいまいな対象』
『昼顔』だけはこれまでもBlu-rayで発売されていましたが、他の5作は初のBlu-ray化。
それらもこれまでユニバーサルから廉価でDVDが発売されていましたが、PAL変換マスターが使われていましたので、Blu-ray化の価値は充分です。
個人的には『哀しみのトリスターナ』のDVDの画質があまり良くなかったので、今回どうなるかが気になります。
価格的にも6作入ってこの価格なら高くないと思います。
ただし、DVDの価格差は現在約3倍…。
今度はなんとメキシコ時代のルイス・ブニュエルのブルーレイBOXの発売である。(8月31日発売。一部バラ売りあり)
内容は『ビリディアナ』(61)、『皆殺しの天使』(62)、『砂漠のシモン』(65)。
中でも注目すべきは国内盤DVDが廃盤となりプレミア化していた『皆殺しの天使』のブルーレイだろう。
(以前『皆殺しの天使』について書いた記事)
以前発売されていた国内盤DVD(紀伊国屋)の画質は必ずしも最上とは言えなかっただけに、今回のブルーレイ化にはいやが上にも期待が高まる。
それにしても、数年前までなら紀伊国屋がやっていたであろう企画をお株を奪う形で次々とやってのけているIVCには全く頭が下がる。
逆に、最近これといったソフトがほとんど出なくなってしまった紀伊国屋の元気の無さ(?)は気になるところ。
ここで一発メルヴィルの『サムライ』とか『ギャング』など出してみてはいかがでしょう?(笑)
ルイス・ブニュエル監督の『皆殺しの天使』を国内盤DVDで観た感想。
『EL ANGEL EXTERMINADOR』(62年)
監督:ルイス・ブニュエル
原案:ルイス・ブニュエル、ルイス・アルコリサ
脚本:ルイス・ブニュエル
撮影:ガブリエル・フィゲロア
音楽:ラウル・ラヴィスタ
出演:シルヴィア・ピナル、エンリケ・ランバル、ルシー・カジャルド、エンリケ・G・アルバレス
初見。
ある邸に集まった数十名の上流階級の人々が外に出られなくなるというお話。
出られなくなる理由は登場人物たちにも、映画を観ている側にもわからない。
後にフランスで撮られた傑作『ブルジョワジーの密かな愉しみ』(72)と似ていないこともない、いかにもブニュエルらしい映画だといえよう。
この映画を観たプロデューサーは、『なにがなんだかわからなかった。しかし、すばらしい』というような感想を述べたという。
実際、私の感想もそれに近い。
確かにわけが分からないし、登場人物が見分けにくいという欠点?もあるのだが(テレビで観たせいもあろう)、観ていて決して退屈はしない。
わからないながらも、微妙な面白さが持続する映画である。
ただ、正直言って、この映画は一度観ただけでは半分くらいしか楽しめないような気もする。
何度も観る度に新しい発見がある、そんな映画なのではないか。
そういう意味では大変味わい深い映画なのではないかと思う。
まぁ、すぐにもう一度観たいという気にもならないのだが…。
ルイス・ブニュエル監督の『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』を国内盤DVD(ユニバーサル)で観た感想。
『Le charme discret de la bourgeoisie』(72年)
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、ジャン=クロード・カリエール
撮影:エドモン・リシャール
出演:フェルナンド・レイ、ポール・フランクール、デルフィーヌ・セイリグ、ビュル・オジェ、ステファーヌ・オードラン、ジャン=ピエール・カッセル
ルイス・ブニュエル監督の映画はほとんど観たことがない。
ちゃんと観たと言えるのは『昼顔』くらいのものだ(5年ほど前にスクリーンで観れたが、アノ映画は最高)。
『小間使の日記』と『自由の幻想』は東北新社盤のDVDを随分前に買ったが、いまだに観ていない。
ただ、この『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』はずっと興味のあった映画で、確かレンタルビデオをDVDに落としたものがあったはずだが、ちょっとだけ観てあまりの画質の悪さに呆れ、それ以来観ていなかった。
今回ユニバーサルから廉価版のDVDが発売されたので、これを機会に観た次第。
内容は…とにかくヘンな映画だ。
しかし、そのヘンなところにちっとも嫌悪感を感じない。
どぎつさやアクの強さはあるが、決してこれ見よがしの印象はないので、全然嫌味な感じがないのだ。
それにしても、よくぞこの6人が揃ったものだというキャストのメンツが素晴らしい。
そのキャスティングの妙に、ブニュエル監督の類稀なるセンスと深い知性を感じずにはいられない。
とりわけ、デルフィーヌ・セイリグ、ビュル・オジェ、ステファーヌ・オードランの女優3人衆の競演はある意味奇跡といってよいのではないか。
デルフィーヌ・セイリグのあの魅力的な容姿と印象的な声、ビュル・オジェの他者とどういう関係なのかも分からない不思議な存在感(あの人物は一体何者なのか?)、ステファーヌ・オードランの淫靡なまでの色気が一度に堪能できるという稀有な映画である。
とにかく、この3人が出ているシーンはすべて良い。
もちろん、俳優陣も魅力的で、ジャン=ピエール・カッセル(『影の軍隊』)はブニュエルの作品世界に違和感無く溶け込んでいるし、フェルナンド・レイとポール・フランクール(『ギャング』)の二人の中年俳優の自然体の味わい深い演技は例えようもないほど素晴らしい。
DVDの画質も良好。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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