[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ジャック・ドレー監督の『太陽が知っている』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。
『LA PISCINE』(68年)
監督:ジャック・ドレー
脚本:ジャン=クロード・カリエール、ジャン=エマニュエル・コイル、ジャック・ドレー
撮影:ジャン=ジャック・キルベス
音楽:ミシェル・ルグラン、ミシェル・マーニュ
出演:アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、モーリス・ロネ、ジェーン・バーキン
再見。
以前観たのはレンタルビデオでした。
今回のHDマスター版DVDは画質が本当に綺麗!
ブルーレイと見紛うほどです。
以前観た時は特に前半退屈に感じてしまいました。
今回もその点はあまり印象は変わりませんでしたが、後半の“事件”に至るまでのジリジリとした神経戦が見応えありますね。
特にロミー・シュナイダーの演技がすばらしい。
“事件”のシーンは妙にリアリティがあるというか、静かな狂気が感じられるゾクゾクするような名シーンとなっています。
それと、忘れてはならないのがキャスティングの魅力!
アラン・ドロンとロミー・シュナイダー、アラン・ドロンとモーリス・ロネの“因縁”は今さら言うまでもありませんが、これに絡むジェーン・バーキンが好演。
ところで、原題は『スイミング・プール』の意ということで、フランソワ・オゾン監督の同名映画(2003年)と同じですが、二つの映画に直接関係はないみたいですね。
ちなみにオゾンの映画は公開時に映画館で観ましたが、とても面白かったです。
ロベール・アンリコ監督の『追想』の国内盤DVDがようやく発売になるようです。
発売日は9月7日で、発売元はキングレコード。
『追想』は75年の作品。
主演はフィリップ・ノワレ、ロミー・シュナイダー、音楽はフランソワ・ド・ルーベ!
これは天才映画音楽家フランソワ・ド・ルーベの遺作となります。
まだ商品の情報は現段階ではamazonには出てきておりませんが、このページに情報が出ています。
この作品はレンタルVHSなどはときどき見かけますが、国内盤DVDで観ることをずっと夢見てきた作品なので、発売が本当に楽しみです。
フランス映画祭2011関連企画として『クロード・シャブロル特集 映画監督とその亡霊たち』が開催!
第一期:6月25日(土)―7月1日(金)ユーロスペース
『肉屋』(69年 日本語字幕)
『ヴィオレット・ノジエール』(78年 日本語字幕)
『刑事ベラミー』(2009年 日本語字幕)
『女鹿』(68年 日本語字幕)
『美しきセルジュ』(58年 日本語字幕)
『いとこ同士』(59年 日本語字幕)
『虎は新鮮な肉を好む』(65年 日本語字幕)
『不貞の女』(68年 日本語字幕)
『石の微笑』(2004年 日本語字幕)
『パリところどころ』(65年 日本語字幕 オムニバス)
第二期:7月2日(土)―7月24日(日)東京日仏学院
『二重の鍵』(59年 英語字幕)
『野獣死すべし』(69年 英語字幕 日本語同時通訳付)
『夜になる直前』(70年 英語字幕)
『血の婚礼』』(73年 無字幕 作品解説配布)
『職人、クロード・シャブロル』(2003年 英語字幕 パトリック・ル・ガル監督によるドキュメンタリー)
『ダンディ』(60年 無字幕 作品解説配布)
『オフェリア』(61-62年 無字幕 作品解説配布)
『若鶏のヴィネガー煮込み』(84年 英語字幕)
『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』(95年 日本語字幕)
『主婦マリーがしたこと』(88年 日本語字幕)
『気のいい女たち』(60年 英語字幕)
『汚れた手をした無実の人々』(74年 無字幕 日本語同時通訳付)
『破局』(70年 英語字幕)
『仮面』(86年 英語字幕)
『ふくろうの叫び』(87年 無字幕 日本語同時通訳付)
『嘘の心』(98年 英語字幕)
『たわむれ』(74年 無字幕 日本語同時通訳付)
『刑事ラヴァルダン』(85年 英語字幕)
『愛の地獄』(94年 英語字幕)
『権力の陶酔』(2006年 英語字幕)
『ベティ』(92年 英語字幕)
『悪意の眼』(61年 日本語字幕)
シャブロル作品31作品が一挙上映!(それでも全長編監督作品の約6割程度ですが)
ラインアップが凄すぎる!
無字幕や英語字幕の作品もありますが、これだけのシャブロル作品が一挙に上映されるのは最初で最後?
とにかく貴重な機会であることは間違いありません!
ちなみに『汚れた手をした無実の人々』はロミー・シュナイダー主演で、これまでテレビ放送、ソフト化も一切されていない日本未公開作だそうです。
上映作品のリスト、スケジュールへのリンク
6月17日Bunkamuraオーチャードホールで行われたジュリエット・グレコの来日公演(コンサート)に行く。
ほぼ開演時間の19時きっかりに二人の伴奏者の演奏が始まると、舞台中央の奥から黒ずくめ姿のジュリエット・グレコがのそのそ歩いて登場。
バックはアコーデオンとピアノだけというシンプルなもの。
約90分に渡るコンサートは、ひたすらグレコのパフォーマンスを味わうのみだった。
やはり、グレコの歌は感動的だった。
歌というよりも語り、つぶやきのような面も感じられるが、まさに魂を込めた歌の数々に圧倒されたといってよい。
歌詞の日本語字幕スーパーがステージの左右に出ていたので、歌の内容を理解するのに大変助かった。
あれがなかったら、ここまで感動しなかっただろう。
声はどうしても若い頃の録音に比べれば低くなり、くぐもっている印象は否めない。
もともと声量や圧倒的な歌唱力を売りにしてきた歌手ではないから(だからこそグレコの歌はCDで聴いていて疲れないが)、それほど気にならないが、なんといっても御年84歳である。
こうしてステージで歌っているだけでもありがたいというのが本音だ。
それどころか、コンサートが進むに連れ、声量がどんどん増してきたのには驚いた。
90分のステージを休憩なし、立ちっぱなしで歌いきるというのは並大抵の体力ではなかろう。(さすがに歩くと足腰が辛そうだったが)
昔の曲は思ったより少なかったという印象。
2007年発表のアルバム『シャンソンの時』から結構演奏されたようだ。
また、それらの曲が実にいいのである。
代表曲の一つ『パリの空の下』は歌われたが、始まる前に曲順を間違えるという軽いアクシデントがあった。
ちなみに、パンフレットには演奏予定曲が出ていたが、ほぼその通りだったようだ。
なぜか『枯葉』も歌われなかったが、“伝説の”グレコの生歌に触れられたということもあり、個人的な感想としては大変満足度の高いコンサートだった。
今回は一般的にペッパーの最盛期とされる50年代の録音から。
とりわけペッパーは56~57年ごろに神がかり的な優れた録音を数多く残しているが、今回は56年録音の『ザ・リターン・オブ・アート・ペッパー』。
1.ペッパー・リターンズ 2.ブロードウェイ 3.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド 4.エンジェル・ウィングス 5.ファニー・ブルース 6.ファイヴ・モア 7.マイノリティ 8.パトリシア 9.マンボ・デ・ラ・ピンタ 10.ウォーキン・アウト・ブルース
アート・ペッパー(as)、ジャック・シェルドン(tp)、ラス・フリ-マン(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、シェリー・マン(ds)。1956年LA録音。Jazz West Records
ジャック・シェルドンとの二菅によるクインテット編成だが、ウェスト・コースト・ジャズらしい明るく溌剌とした呼吸感がなんとも魅力的な録音だ。
以前からよく聴いているアルバムだが、今回改めて聴き返してみて素晴らしさを実感した。
サポートメンバーもベスト。
とりわけリズム・セクションが素晴らしく、ルロイ・ヴィネガーとシェリー・マンはウエスト・コースト・ジャズ最高のリズム・セクションだと思う。
特にこの盤ではルロイ・ヴィネガーの黒人らしい推進力の強いベースランニングがなんとも心地良い。
当然のことながら、ペッパーも快調。
後期の演奏を知っている者としてはその音色とフレージングにどこか甘さを感じてしまうのは確かだが、だからこそ魅力的と感じられる人も多いだろう。
楽曲も、後に何度も録音を重ねるペッパー・クラシックスとでも言いたい粒ぞろいの楽曲がそろっており、『ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド』、『パトリシア』などのバラード曲の魅力も格別。
盟友ジャック・シェルドンのトランペット・ソロは派手さはなく、いかにも地味だが、ペッパーのアルトとの音色の相性が良く、アンサンブルも見事だ。
いよいよシリーズ最終章を飾るCDが『メモリアル・アルバム-1966-1988』と題して6月22日に発売されることになった。
amazonの内容紹介によれば、彼女の歌手としてのキャリアのスタートと最後の録音が収録された貴重なものだということだが、今回もどんな感動的な内容となっているか想像するだけでも胸が躍る。
それにしても、この素晴らしいCDシリーズがこれで最後とは本当に残念。
なんでもこのシリーズはどれも日本先行発売ということで、それだけでも喜ぶべきなのかもしれないが。
できることなら残っているであろう母国オランダや日本でのライヴ音源も是非CD化して欲しいと思う。
渋谷シアター・イメージフォーラムで開催されている『映画の國名作選Ⅱ クロード・シャブロル未公開傑作選』より『悪の華』を観た感想。(公式サイト)
『La fleur du mal』(2003年)
監督・脚色・台詞:クロード・シャブロル
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:マチュー・シャブロル
出演:ナタリー・バイ、ブノワ・マジメル、シュザンヌ・フロン、ベルナール・ル・コク、メラニー・ドュテ
初見。
シャブロル自身のオリジナル脚本だというが、これも傑作。
まずオープニングが素晴らしい。
そこからラストに至るまで息苦しくなるような緊張感が持続する。
家系図が必要なくらい人物関係に分かりにくいところがあるが、内容の面白さの前ではほとんど気にならないから不思議。
この物語の実質的な主役は老婆役のシュザンヌ・フロン。
ジャン・ギャバンと夫婦役を演じた『冬の猿』(62)等印象に残っている女優だが、もともと老け顔?だったせいとはいえ、顔の印象が全く変わらないのは驚異。
それにしてもナタリー・バイはいい年の取り方をしてるなぁ。
トリュフォー作品やゴダール作品に出ていた若い頃よりもキレイなんじゃないか。
マチュー・シャブロルの音楽は、まるで『肉屋』(69)のそれのようだ。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。