[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
『草の上の昼食』はただただ素晴らしい。
ルノワールの作品は有名どころしか観ていないが、これはトップクラスに好きな作品かもしれない。
科学と自然の対立を軸としながら、全体に強烈な皮肉が効いているが全然イヤらしくないし、突風シーン、父オーギュストの絵画を思わせる泉での入浴シーンなど印象的なシーンがてんこ盛り。
紀伊国屋書店から出ているDVDボックスにこの作品が収録されていないのは残念の一言だ。
●『二重の鍵』(59年、監督:クロード・シャブロル、出演:ジャン=ポール・ベルモンド)
先日観た『青髭』に続くシャブロル作品。
アンリ・ドカ撮影ということもあり、以前から気になっていた作品で、ヒッチコックばりのサスペンスという前評判だったが…。
正直、あまり面白くない。
ヒッチコックのようなスリルはほとんどないし、タイトルの意味もよく分からない。
色彩豊かなドカの映像は魅力だが、出演者たちのキャラクターはあまり魅力的とは言えず。
●『ベラクルスの男』(67年、監督:ジョゼ・ジョヴァンニ、出演:リノ・ヴァンチュラ)
戦前、メキシコ大統領の暗殺を依頼され、メキシコのベラクルスに赴いたフランス人殺し屋のお話。
原作は珍しくジョヴァンニ本人のものではなく、イギリスの作家ジョン・カリックの小説『禿タカ』。
この映画は、なんといってもリノ・ヴァンチュラの魅力に尽きます。
いかにも彼らしいキャラ全開で実に素晴らしい。
彼の出演作の中でもベスト作の一つでしょう。
ストーリーもいかにもジョヴァンニらしい話だが、ぐいぐい見せます。
実に面白い。
フランソワ・ド・ルーベの民族音楽風のスコアも大変魅力的であり、今後のDVD化を大いに期待したい作品。
現在は廃盤となった国内盤DVDを随分前に購入していたのですが、今回ようやく観ました。
これはリヴェットワールド炸裂!的な大傑作。
2時間40分と時間は長いものの、退屈感は全く無く、実に心地良い時間を過ごすことができます。
3人の女性を主人公とした内容は、ミュージカルあり、サスペンスありで、真面目なのか冗談なのか分からない微妙な味わいがなんともリヴェットらしい。
女優陣も魅力的。
間抜けな邦題のせいでちょっと損をしているかも。
ある事情を知ってしまったためにルミナス毒を盛られてしまった男の話。
毒が体に周ったために死を間近にした男が、警察に行って事件の回想をするところから映画は始まります。
原題の“D.O.A”は、“Dead of Arrive”、つまり、“到着時死亡”の意味であることがラスト・クレジットに表示されます。
途中からストーリーがややこしくなって、よく理解できませんでしたが、映画の雰囲気とかは完全なフィルム・ノワール。
きちんとストーリーが追えれば結構面白い作品だと思います。
ルドルフ・マテは、『生きるべきか死ぬべきか』、『海外特派員』、『美女ありき』などの撮影監督を務めた人で、この作品が監督デビュー作とのことです。
●『裸のキッス』(64年、監督:サミュエル・フラー、出演:コンスタンス・タワーズ、マイケル・ダンテ)
まず、冒頭のタイトル・バックが素晴らしい。
鏡の前で見繕いするヒロインのコンスタンス・タワーズの表情がたまらなくいい。
そこからの映画の展開は意外なほど平凡だったりして、少々期待外れかと思わされるのだが、後半見事に期待に応えてくれる。
個人的に、犯罪に子供が絡んでくる映画が苦手なので、これも正直、あまり好きな映画とは言えないのだが。
映画を観ている間、映像の雰囲気がどこかで観た映画と同じという印象を持ったが、後で調べたら、『狩人の夜』と同じスタンリー・コルテスのキャメラだった。
●『ガラスの鍵』(42年、監督:スチュアート・ヘイスラー、出演:アラン・ラッド、ヴェロニカ・レイク)
以前観た『拳銃貸します』に続く、アラン・ラッド&ヴェロニカ・レイクのコンビの出演作品。
原作は『マルタの鷹』でも知られるダシール ハメット。
この作品は、スピーディな展開が心地良いし、ストーリーも面白く、存分に楽しめる。
『拳銃貸します』よりも出来は良いのではないか。
アラン・ラッドのキャラクターは『拳銃貸します』に近く、ニヒルな魅力が素晴らしい。
確かビデオのパッケージには黒澤明の『用心棒』はこの作品に影響されたとの記述があったが、なるほど、アラン・ラッドが仲間と喧嘩別れしたフリをして、敵方に潜り込むところなど、似たような展開が途中にある。
この原作で、フランク・タトル監督、ジョージ・ラフト主演による映画化版(1935)もあるようで、それも機会があれば観てみたい。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。