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アラン・レネ監督の『二十四時間の情事』(『ヒロシマ・モナムール』)を国内盤DVD(ハピネット・ピクチャーズ)で観た感想。
『HIROSHIMA, MON AMOUR』(59年)
監督:アラン・レネ
脚本:マルグリット・デュラス
撮影:サッシャ・ヴィエルニ
音楽:ジョヴァンニ・フスコ、ジョルジュ・ドルリュー
出演:エマニュエル・リヴァ、岡田英次、ベルナール・フレッソン
再見。
何度見ても感慨深い映画。
マルグリット・デュラスによるオリジナル脚本だが、全体として決して理屈っぽい印象はない。
考えてみればずいぶん暗い映画なのだが、その暗さがかえって魅力的な、不思議な映画である。
主演のエマニュエル・リヴァ、岡田英次の二人に清潔感があるので救われる。
二人のイメージにもっとドロドロネチネチした感じがあったら陰気臭くて観てられなかったかもしれない。
58年当時の広島の夜の街の表情を切り取った後半の映像がすばらしい。
人気のない深夜のホテルをエマニュエル・リヴァが行ったり来たりするシーンであったり、カフェや駅のシーン(どちらもセットらしいが)での二人の会話、佇まいはなんともいえない詩情が溢れている。
日仏学院で9月10日→25日に開催される『第15回カイエ・デュ・シネマ週間』はなかなか興味深いプログラムが並んでいる。(リンクPDF)
なかでも個人的に関心のある映画が『モーリス・ガレル追悼特集』として上映されるフィリップ・ガレル監督の『自由、夜』(83)である。
アルジェリア戦争を背景としたラヴストーリーとのことだが、なんといってもあのエマニュエル・リヴァ(『モラン神父』『二十四時間の情事』)が主役級で出演している作品であるのが貴重だ。
初期ゴダール作品でお馴染みのラズロ・サボが出演しているのも注目。
国内DVDは発売されていない作品だけに今回の上映は貴重であるし、日本語字幕付なのも嬉しい。
こんなタイトルの本が新書で出ていましたので、買ってきました。
最初のジーン・セバーグの項を読み終えましたが、なかなか面白いので、この先読み進めるのが楽しみです。
ジャン=ポール・ラプノー監督の『うず潮』を国内盤DVD(『カトリーヌ・ドヌーヴ トリプルBOX』)で観た感想。
『LE SAUVAGE』(75年)
監督:ジャン=ポール・ラプノー
脚本:ジャン=ポール・ラプノー、ジャン=ルー・ダバディ、エリザベート・ラプノー
撮影:ピエール・ロム
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:イヴ・モンタン、カトリーヌ・ドヌーヴ、トニー・ロバーツ、ルイジ・ヴァンヌッチ、ダナ・ウィンター
初見。
前回紹介した『潮騒』とタイトルが紛らわしい。(他に『ひきしお』という映画もBOXに含まれている)
イヴ・モンタンとカトリーヌ・ドヌーヴの初共演作。
これはまた快調なテンポのラヴ・コメディだ。
それをカトリーヌ・ドヌーヴが実にいきいきと演じているのが見もの。
彼女のイメージからかなり離れた役柄だが、このような“汚れ役”(ちょっと意味は違うが)を体当たりで演じているのには驚かされる。
そして、なんといってもこの映画のドヌーヴは美しい。
それも人形のようなそれではなく、なんとも人間味に溢れた?美しさなのだ。
コミカルなマシンガン・トークもすごい。
声も良いってことに今さらながら気づいた。
ドヌーヴ、ちょっと見直したかも(笑)。
一方のイヴ・モンタンもすばらしい。
ホントにこの人は軽妙なコメディもうまいし、野性味のある役も似合う。
音楽はあのミシェル・ルグラン、撮影はピエール・ロム(『影の軍隊』)。
とにかく理屈抜きで楽しめる作品であることは確か。
DVDの画質もまずまず。
フィリップ・ラブロ監督の『潮騒』を国内盤DVDで観た感想。
『LE HASARD ET LA VIOLENCE』(72年)
監督:フィリップ・ラブロ
脚本:フィリップ・ラブロ、ジャック・ランツマン
撮影:アンドレ・ドマージュ
音楽:ミシェル・コロンビエ
出演:イヴ・モンタン、キャサリン・ロス、カトリーヌ・アレグレ
初見。
原題は『偶然と暴力』。
犯罪学者?役のイヴ・モンタンが、過去に自費出版したという本のタイトルという設定で、邦題のような甘い響きのものではない。
いかにも70年代のフランス映画といった感じの映画で、全体的に低体温、静かな展開、しかもプロットの作り込みが浅いので、中途半端な印象は否めず、人によってはつまらなく感じられるかもしれない。
主演二人のラヴシーンやキャサリン・ロスのヌードシーンが公開時に話題となった映画のようだが、今観るとそれは些細な部分にしか過ぎないだろう。
キャスティングの魅力と、フランスの港町の美しい風景に多くを負っている映画ではあるが、個人的にはけっこう好きな映画かもしれない。
イヴ・モンタン、キャサリン・ロスというキャスティングは意外なほど相性がいい。
モンタンの渋みのある風貌、演技には全編を通して惹きつけられるし、キャサリン・ロスも想像していたより魅力的だった。
個人的にキャサリン・ロスは美人だか美人でないか分からない女優で、このことはニューシネマの時代の一つの傾向とも思えることがあるが、それでも、初老の男性が恋に落ちてしまう魅力というか華には欠けていない。
この映画での彼女の声も魅力的だったが、これは吹き替えかもしれない。
昨年発売された新品は市場からほぼ消えつつありますし、今回も価格が価格ですので、未所有の方には絶対のおススメです。
もちろん画質は良好、特典映像も入っています。
アーサー・ペン監督の『俺たちに明日はない』を国内盤ブルーレイで観た感想。
『BONNIE AND CLYDE』(67年)
監督:アーサー・ペン
脚本:デヴィッド・ニューマン、ロバート・ベントン、ロバート・タウン
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:チャールズ・ストラウス
出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、ジーン・ハックマン、マイケル・J・ポラード、エステル・パーソンズ
再見。
ブルーレイレコーダーは昨年の夏に買っていたが、初めて国内盤ブルーレイのソフトを買ったのは実はこの作品だった。
本当に久しぶりにこの映画を観たが、想像していた以上に面白かった。
とにかくフェイ・ダナウェイの魅力がすごい。
有名な冒頭シーンはそれほど好きなわけではないが、全編に渡って表情の一つ一つがなんとも魅力的に写る。
ファッションもいい。
他に、マイケル・J・ポラードもこんなに良かったとは意外だった。
彼の演じたC・W・モスのキャラがこの中では一番好きかもしれない。
そして、特典映像にたっぷり入っているボニーとクライドの実話ドキュメンタリー、そして映画の製作秘話も本編に劣らぬくらい面白かった。
プロデューサーでもあったウォーレン・ベイティが当初監督にフランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダールを考えていたというのはホントだったのね。
実話の方は、今では考えられない凄い話の連続。
史実を知る上でもとても勉強になりました。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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