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キャロル・リード監督の『邪魔者は殺せ(けせ)』を国内盤DVD(東北新社)で観た感想です。
監督:キャロル・リード
原作:F・L・グリーン
撮影:ロバート・クラスカー
音楽:ウィリアム・オルウィン
出演:ジェームズ・メイスン、キャサリン・ライアン、ロバート・ニュートン、シリル・キューザック、ダン・オハーリヒー
久々の鑑賞。
キャロル・リード監督の作品では『第三の男』が有名だが、この作品は『第三の男』に勝るとも劣らぬ作品として指摘されることもある作品。
初めて観た時は、正直なところ『第三の男』のレベルにはとても達していないと思ったものだが、今回観直してみて、こんなに面白く、凄い作品だったのかと再認識した次第。
初めて観たときの印象では、負傷したジェームズ・メイスンがウロウロしているだけの映画だという印象だったのだが、彼の周囲の人々の葛藤がこれほどまでに面白く描かれている映画だったとは。
その脇役たちも実に芸達者が揃っており、一つ一つのエピソードがなんともおもしろい。
もちろん、中心人物たるジェームズ・メイスンの存在感がしっかりしていなければ映画として締まらないと思うが、実際はジェームズ・メイスンの演技も文句のつけようのない素晴らしい出来である。
ヒロイン役のキャサリン・ライアンの冷たい風貌がいい。
他のキャストも誰しも印象的である。
内容はシリアスなようでいて、ところどころユーモアが効いているのはいかにもイギリス映画といったところか。
映画後半の画家のアパートや場末のバーの雰囲気、ラストの雪の光景、またロバート・クラスカーによる陰影深い撮影、ウィリアム・オルウィンの音楽など、どれも素晴らしい。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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