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パリ旅行11日目の続き。

『サムライ』の舞台と思われる鉄橋を後にした私は、地図を見る限りそこから一番近いと思われるメリ・ディヴリー駅から地下鉄7号線に乗りました。
次の目的地はシネマテーク・フランセーズのあるベルシー駅です。(途中で地下鉄5号線に乗り換え)

DSC01872.JPGシネマテーク・フランセーズはベルシー駅から徒歩で5分もかからない場所にあります。http://www.cinematheque.fr/
もちろん現在も4つの上映ホールで古今東西のさまざまな映画が公開されていますが、この日私はとりあえず映画博物館の常設展を見るつもりで行きました。
会場に入ると、左画像と同じ写真のドヌーヴが表紙の特製プログラムがたくさん置いてありましたが、これがまた素晴らしい出来のもので、今シーズンの上映作品、特集の解説が載っています。 
DSC01873.JPG
上映ホールでは、現在はカトリーヌ・ドヌーヴ、カメラマンのラウル・クタール、ソクーロフ監督等の特集をしているようで、毎日5本以上の映画が全く異なるメニューで上映されています。
しかも、同じ映画が何度も上映されるというのではなく、1本の映画は基本的にシーズン中一度きりしか上映されていないようです。
いかに膨大なラインアップかがお分かりいただけるでしょう。
ちなみに、メルヴィル作品では『リスボン特急』がドヌーヴ特集の一環として3月15日に上映されていたようですし、4月にはクラシック映画の一環として『仁義』が上映予定です。
たまたまこの夜、ラウル・クタール特集の一環としてフランソワ・トリュフォー監督の『突然炎のごとく』が上映予定でしたが、時間さえ合っていれば!

ところで、映画博物館ですが、2階と7階とに分かれており、主に映画の創成期に焦点をしぼった、ここでしか見られない貴重な資料が目白押しです。
例えば、ヒッチコック監督の『サイコ』の老婆のお面だとか(ラストのあの顔です)、フリッツ・ラング監督の『メトロポリス』のロボットだとか、チャップリンが『モダン・タイムス』で使った歯車だとか、『風と共に去りぬ』でヴィヴィアン・リーが着た衣装とかが目の前にあるのですから映画ファンはたまらないでしょう。
写真撮影は禁止でしたので、ここで紹介できないのが残念です。

メルヴィル自身がアンリ・ラングロワ時代のシネマテークに対してあまり快い感情は持っていなかったのはルイ・ノゲイラ著「サムライ」の序文にも明らかですが、とにかく、このような素晴らしい施設の存在するフランスという国は、映画発祥の地であると共にさすがに映画大国だな、という思いを強くしましたね。

この日は夜、シアター・マリニーへアラン・ドロン、ミレーユ・ダルク出演の舞台『マジソン郡の橋』を観に行きました。
DSC01876.JPGシアター・マリニーはシャンゼリゼ大通りの、地下鉄でいうとシャンゼリゼ・クレマンソー駅のそばにある比較的小じんまりとした劇場です。
(画像は終演後に撮ったものです)
今回の公演は2月に日本でチケットを取っていましたが、『マジソン郡の橋』という作品に対する興味よりも、とにかく“あの”アラン・ドロンが生で見られるということが大きかった。
もちろん、常に映画でしか見ていなかったドロンの生舞台という興味ももちろんありました。
あわよくばドロンに会えるのでは?とプレゼントも用意し、関係者にも接近を試みましたが、これはさすがに叶いませんでした。

肝心の舞台ですが、会場は満杯。
私の席は1階の前から10列目ぐらいで舞台向かって左寄り。
当然のことながら全てフランス語ですので、理解できない点が多かったのは致し方ないでしょう。
しかし、ドロン、ダルクお二人の熱演で、主人公二人の心理がよく伝わり、舞台が始まって20~30分もすると言葉の分からないことはさほど気にならなくなりました。
全体の構成もスッキリしており、舞台展開もスムーズでした。
初めて生で見たドロン氏は、前半の長髪(?)よりもラスト近くの短髪の方が若く見えましたね。
ラストは、こんなカッコイイ70台が他にいるか?と思いましたし。
声も思ったより高めでよく通り、演技も素晴らしかったです。
もちろん、ミレーユ・ダルクもとても良かった。
お二人とも、あの年齢で毎日のように2時間近い舞台をこなすのは並大抵の体力ではないでしょう。
感服しました。

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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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